エピソード271『初夏と水着と結婚式』


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エピソード271『初夏と水着と結婚式』

(初夏・ベーカリーにて)

竜胆
「(カランコロン)あっっっっつーい!!」
観楠
「や、いらっしゃい(笑) その様子だと……今日も暑いみ たいだね」
竜胆
「店長さん、字が違ってますよ。暑いじゃ無くて、熱いん です」
観楠
「あぁ、なるほど。確かに熱いかもなぁ(笑)」
竜胆
「バイク乗ってますと、背中をじりじり焼かれてるみたい でなんかもう、むきーっ! って感じで」
観楠
「そりゃ、そのお気に入りの黒のジャケットのせいなんじゃ ないのかな?(苦笑)」
竜胆
「うーん……そろそろ着替えようとは思ってるんですけど、 あんまり薄着するのも安全面が心配ですし」
観楠
「ライダーにとっちゃつらい季節だもんね(笑)」
竜胆
「そうそう(笑) さっきからTシャツが背中に張り付いて、 もおいやーんな感じで……」
観楠
「よし。じゃぁ今日はライダーのよしみでドリンク一杯、 奢ったげるよ」
竜胆
「らっきー☆」

(場所、喫茶コーナーへ)

観楠
「お待たせ、どうぞ。って麦茶だけどね(苦笑)」
竜胆
「いただきまぁす☆……冷たくて……りふれーっしゅ!(笑)」
観楠
「そりゃよかった(笑) よっと(腰掛け、新聞を取り出す)」
竜胆
「あれ、休憩ですか?」
観楠
「ま、ね(苦笑) 最近暇な時間が多くて……高校生組は受 験で来ないし、朝の奴も就職したからね」
竜胆
「それって、あたしがすっごくヒマな人間に聞えるんです けどぉ」
観楠
「いや、そーいう意味じゃないんだ(苦笑) 竜胆ちゃんだ けでも来てくれるだけで、すっごく有り難いです(笑)」
竜胆
「わかればよろしい☆(笑) でも、ホントみんな来ません よね」
観楠
「時期が時期だしね。今は皆に頑張ってもらわないと…… お、遊園地で新しいプールができるって(広告を見せる)」
竜胆
「新企画・宇宙カエル飛びスクリューハリケーンスライ ダー……きらーん☆」
観楠
「きらーん☆って(汗) これ、まだできてないんじゃない の?」
竜胆
「これはもお、行くしかないってことですよねっ! ☆」
観楠
「だから、プール開きはまだだと思う……」
竜胆
「あたしのDNAが、みんなでプールに行くと言っている! 
というわけで、店長さん。予定組んでくださいね☆ミ」
観楠
「な、なんで僕が!? 組むの? ホントに!?(汗)」
竜胆
「あたしがしっかりとメンバー集めてきますから☆ミ」
観楠
「無茶しないようにね(苦笑) そーだなぁ……最近は泳ぎ に行った記憶ないしなぁ」
竜胆
「そうと決まったら水着を買わないと。店長さん、広告入っ てません?」
観楠
「まだないんじゃないかなぁ……(探す) あ、今年のはや りはワンピースにロングパレオらしいよ……やっぱりないみたいだね」
竜胆
「店長さん、結構チェック入ってますね……」
観楠
「へ? い、いや、これは、そのっ(焦)」
竜胆
「かなみちゃんに買ったげるのかなぁ?  それともぉ、 ひょっとしてぇ?(笑)」
観楠
「いやだからそのなんというか(汗) 電車広告とか、新聞 広告によく載ってるし……ワンピかビキニにパレオって去年の流行だから、去年はロングじゃなかったけど(汗)」
竜胆
「去年もチェックしてたんですか? さすがですねぇ(笑)」
観楠
「あー、何とでも言ってくれていいよ、もう!(照笑) さ て、と次のは……宝石かぁ、用無いな。で次は……ジューンブライド、結婚式場の広告……(しばし眺める)」
竜胆
「水着の次はいきなり結婚式……(笑)」
観楠
「いや、朝の奴がね(笑) そろそろなんじゃないかと思っ てネ」
竜胆
「あ、桐子さんでしたっけ? いいなぁ、お嫁さんかぁ」
観楠
「竜胆ちゃんもこういうの興味あるんだ?」
竜胆
「『も』ってなんですか、『も』って。そりゃあたしも女 の子だし……きゅーきょくびしょうじょすぎて巷のオトコが声かけ辛いってのもわかりますけど、やっぱ憧れちゃいますよ☆」
観楠
「朝の奴、何か考えてんのかなぁ……まぁ2次会くらいな らうちの店でやってもいいけど……」
竜胆
「どうせなら、何処かへ飲みに行きません?」
観楠
「いや、それだと他の皆が問題あるしね(笑)」
竜胆
「ところで、店長さんはどうなんですか?(笑)」
観楠
「ななな何を、突然!?(汗) まだ相手なんていないからそ んなこといきなりいわれるとおにいさんはこまっちゃうなぁあはは(汗)
と、とにかくプールの件は考えとくよ、うん(焦笑)」
竜胆
「(……見え見えをごまかすとは、往生際の悪い……)」
観楠
「……って、り、竜胆ちゃん、知ってたの?(真っ赤ぁぁ)」
竜胆
「だって、2人とも態度があからさまですしぃ☆」
観楠
「あ、ぅ……(照汗)」
竜胆
「ほかのみんなも知ってると思いますけどぉ?(笑)」
観楠
「そ……そうなん、だ?(げーん)」
竜胆
「もしかぁ、気づいてらっしゃらなかった?」
観楠
「う……うん(汗)」
竜胆
「それだけ二人の世界に入ってたってことですね☆」
観楠
「ち……そ、そーじゃなくってぇ(がびーん)」
竜胆
「このこのこのぉ☆」
美樹
「おや。いつの間にかそういうことになっていらっしゃっ たんですか。それは何か、お祝いをいたさないといけませんね。どんな物がよろしいでしょうか? 
やはり、日阪さんと同時挙式なんですよね、店長。
……(しばらく考え込む)そう言えば、お相手はどなたなんですか?」
竜胆
「狭淵さん、知らなかったんですか?(意外)」
美樹
「いや、残念ながら(笑)」
観楠
「あーと、まぁその話はあとにして。とりあえず朝のお祝 いを考えた方がいいよーな気がするんだけど……」
竜胆
「店長さん」
観楠
「はい?」
竜胆
「ごまかしてもだめでーす☆」
観楠
「うぅっ(汗)」



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