エピソード274『対決・魔神オービス』


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エピソード274『対決・魔神オービス』

某日午前4時、24号線。

時雨
「あぁー、バイトがあるのに遅くなってしまった」
トラッシュ
「若も、まだまだですなぁ」
時雨
「うるさいよ、急ぐよ」

アクセルを踏み込む。

トラッシュ
「若、もうすぐオービスがありますが……」
時雨
「わかってるって」

70km/hぐらいまでスピードを落とす。

時雨
「(ぼけぇ、いそがないとなぁ) よおぉし、抜けた」

再びアクセルを踏み込む。

トラッシュ
「わぁ、若!!」

ぴかぁっ、(赤いフラッシュがたかれる)

時雨
「もしかして……」
トラッシュ
「やってしまいましたな」
時雨
「何キロだった?」
トラッシュ
「瞬間で130はいってたと……」
時雨
「70オーバー……初心者講習、あーんど免停(12点)、あー んど罰金(いくらだ)」
トラッシュ
「おわりましたなぁ」
時雨
「……」

やってしまった、これでしばらく車に乗れない。なんといってもこんど駐禁切られただけで免取になってしまう……。
 これが終末の時を伝えていたことをまだ気づいていなかった。
 後日。とぼとぼと歩く紫擾。
 でっかい人間がとぼとぼと歩いてると、なんかコワイ。

紫擾
「……はぁ〜、誰か私のこの傷ついた心を癒しておくれ」
竜胆
「……捕まったの?」
紫擾
「そのうちおよびがかかると思うの。今は執行猶予の身だ から」
竜胆
「何キロ?」
紫擾
「70オーバー」
竜胆
「ばっかでー☆ 法定速度の倍も出すなんて」
紫擾
「うう……あきりんは癒してくれないよ……」
めぐみ
「何? 暗い顔して」
紫擾
「いや、実はね……」
めぐみ
「だからあれほど言ったのに。免許取り消しだと裁判所行 かないといけなくなかった? 何も出来ないけど、頑張ってね。これに懲りたら安全運転」
紫擾
「うう、それがもう出来ないかも知れないんだよぅ(涙)」
めぐみ
「……って言っても、元気出してってくらいしか言えない よ」
紫擾
「更毬さんなら癒してくれますよね」
剽夜
「なにをだね」
紫擾
「僕の傷ついた心をです」
剽夜
「何かあったのか?」
紫擾
「いや、実は……」
剽夜
「……(にこっ)」

笑顔で何度もうなずきながら右手を差し出す剽夜(笑)

紫擾
「更毬さんも駄目か……」

この後、遭う友人全てに癒しを求める紫擾くんの姿は、夕焼けがなくなってしまってからも、大学キャンパスをさ迷っていた。



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