某日午前4時、24号線。
- 時雨
- 「あぁー、バイトがあるのに遅くなってしまった」
- トラッシュ
- 「若も、まだまだですなぁ」
- 時雨
- 「うるさいよ、急ぐよ」
アクセルを踏み込む。
- トラッシュ
- 「若、もうすぐオービスがありますが……」
- 時雨
- 「わかってるって」
70km/hぐらいまでスピードを落とす。
- 時雨
- 「(ぼけぇ、いそがないとなぁ) よおぉし、抜けた」
再びアクセルを踏み込む。
- トラッシュ
- 「わぁ、若!!」
ぴかぁっ、(赤いフラッシュがたかれる)
- 時雨
- 「もしかして……」
- トラッシュ
- 「やってしまいましたな」
- 時雨
- 「何キロだった?」
- トラッシュ
- 「瞬間で130はいってたと……」
- 時雨
- 「70オーバー……初心者講習、あーんど免停(12点)、あー
んど罰金(いくらだ)」
- トラッシュ
- 「おわりましたなぁ」
- 時雨
- 「……」
やってしまった、これでしばらく車に乗れない。なんといってもこんど駐禁切られただけで免取になってしまう……。
これが終末の時を伝えていたことをまだ気づいていなかった。
後日。とぼとぼと歩く紫擾。
でっかい人間がとぼとぼと歩いてると、なんかコワイ。
- 紫擾
- 「……はぁ〜、誰か私のこの傷ついた心を癒しておくれ」
- 竜胆
- 「……捕まったの?」
- 紫擾
- 「そのうちおよびがかかると思うの。今は執行猶予の身だ
から」
- 竜胆
- 「何キロ?」
- 紫擾
- 「70オーバー」
- 竜胆
- 「ばっかでー☆ 法定速度の倍も出すなんて」
- 紫擾
- 「うう……あきりんは癒してくれないよ……」
- めぐみ
- 「何? 暗い顔して」
- 紫擾
- 「いや、実はね……」
- めぐみ
- 「だからあれほど言ったのに。免許取り消しだと裁判所行
かないといけなくなかった? 何も出来ないけど、頑張ってね。これに懲りたら安全運転」
- 紫擾
- 「うう、それがもう出来ないかも知れないんだよぅ(涙)」
- めぐみ
- 「……って言っても、元気出してってくらいしか言えない
よ」
- 紫擾
- 「更毬さんなら癒してくれますよね」
- 剽夜
- 「なにをだね」
- 紫擾
- 「僕の傷ついた心をです」
- 剽夜
- 「何かあったのか?」
- 紫擾
- 「いや、実は……」
- 剽夜
- 「……(にこっ)」
笑顔で何度もうなずきながら右手を差し出す剽夜(笑)
- 紫擾
- 「更毬さんも駄目か……」
この後、遭う友人全てに癒しを求める紫擾くんの姿は、夕焼けがなくなってしまってからも、大学キャンパスをさ迷っていた。
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