エピソード292『過ぎたるは及ばざるがごとし』


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エピソード292『過ぎたるは及ばざるがごとし』

のどかな昼下がり、郁代は何故か桐子さん家にいた。
 リビングで朝、桐子、美々、郁代がお茶してる。
 ……いや、正確には朝が珈琲、他3人はキャロットジュース(郁代が会社から分捕ってきたのだ)を飲んでいる。

郁代
「なんかひーちゃん見るのひさしぶりやな」
美々
「最近どうも寄り付いてないらしいで」
郁代
「えっ、……なんでまた」
美々
「ほら、もう6月も半ばやん」
郁代
「?」
美々
「だから……」
桐子
「美々、よしなさい。朝さんにも都合があるんだから……」
郁代
「ああ、にげまわっとんのか」

朝、飲みかけていた珈琲に咽る。

美々
「なんや、郁ちゃんわかってたんか」
郁代
「そりゃあもう」

と、郁代、部屋を見渡しつつ。

郁代
「こんだけそこ彼処に指輪の広告とか、式場紹介の広告と かあったら……。あれ? こんなところに赤ちゃん用品の広告まで……」

朝、咽かえりながら逃げようと立ちあがるも……隣に座っている桐子さんが朝のシャツを掴んでいる。

郁代
「で、……何時頃なん? ……いや、こっちにも用意がい るし……」

桐子、にっこり笑っているも、シャツを掴んだ手は……力はいっとる。

「なんの用意や」
郁代
「ひーちゃん……。てんぱったな」
美々
「てんぱったなって、一体」(笑)
郁代
「で、どっちなん?」
美々
(? 和式とか洋式とか? なんか便所みたいあはは)
郁代
「男の子でも女の子でもえーようなもんでええか?」
美々
「郁ちゃん……さきまわりすぎ……」
郁代
「話変わるけどな、最近まで騒がれたβ−カロチン、ある やろ」
桐子
「ありますね」(笑)
美々
「健康飲料とか、錠剤タイプのがコンビニでも売ってる」
郁代
「そう、あれな、妊婦が過剰摂取すると胎児に悪影響及ぼ すんやて」
美々
「ほんと?」
郁代
「英国の薬学雑誌に載ってたそうな。……で、桐子さんも 気いつけなあかんで」
桐子
「そうですね(にっこり)」
「結局はそこかぁ!!(朝切れる)」



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