三河夏和流は、吹利へと引っ越してきたばかり。
(からんころん)
- 朝
- 「客や」
- 観楠
- 「ん? あぁ、いらっしゃいませ(営業スマイル)」
- 朝
- 「入ってきてキョロキョロしとるところ見ると……初心者
やな」
- 観楠
- 「初心者てなんやねん(汗)」
- 朝
- 「吹利学校組と同じ服着とるとこみると、転校生ちゃうか?」
- 観楠
- 「はぁ……よくわかるな(汗)」
- 夏和流
- 「え、と……」
(からころんっ)
- 三郎
- 「む、また失敗」
- 観楠
- 「三郎君、おかえり(笑)」
- 三郎
- 「店長、いつものようによろしくけけけ」
- 観楠
- 「はいはい(笑)」
- 朝
- 「あの子相手せんでええんか?」
- 観楠
- 「あっと……そうだった。えーと、何にいたしましょう?」
- 夏和流
- 「え?」
- 観楠
- 「パンコーナーはこちら。で、こちら側は喫茶になります」
- 夏和流
- 「喫茶があるんですか?」
- 観楠
- 「たいした物はお出しできませんがネ(笑) よかったらど
うぞ」
豊秋竜胆登場。
- 竜胆
- 「(からんころん)た、助けて」
- 観楠
- 「は? 一体どーしたっての?」
- 竜胆
- 「悪いやつに追っかけられてるんですぅ!」
- 観楠
- 「……ほんとに?」
- 竜胆
- 「あーっ! 疑ってますねぇ! ホントにホントなんです。
黒マントを纏った見るからに妖しいど悪人に……」
- 観楠
- 「でもね……竜胆ちゃんなら悪人なんか、その、ねぇ?
いつもみたいにこう……(ぱんちのまね)」
- 竜胆
- 「あ〜……あ、あれは、自分に負い目がない時しか使えな
い期間限定地域限定の必殺技なんですよぅ(汗)」
- 朝
- 「ビールかインスタントラーメンみたいやな」
- 観楠
- 「確かに」
- 紫擾
- 「(からんころん)はっはっはぁ! つ〜いに見つけたぞぅ!」
- 竜胆
- 「ああっ! 見つかっちゃった……」
- 紫擾
- 「さ〜あ、契約を履行してもらおうかぁ! ほれほれ〜」
- 夏和流
- 「……?」
- 紫擾
- 「さもないと、この少年の身柄を拘束しちゃうぞぅ〜」
- 竜胆
- 「人質を取るなんて卑怯な……」
- 紫擾
- 「誉め言葉だケ」
- 朝
- 「……帰るわ」
- 観楠
- 「ああっ! 一人にしないでくれぇ!」
- 夏和流
- 「あ、の?(汗)」
- 観楠
- 「あぁあぁあえぇえっと(汗) とりあえず、こっちはまか
せてお客さんは座っててください(汗) なにかお持ちしますんではい(大汗)」夏和流 :「(なんだかよくわからないけれど、とにかくピンチ、かな。よし、ここは……)……物語の中に悪人はなし(ぼそっ)」
ぴたっ!
- 観楠
- 「あれ?」停止する
- 竜胆
- 「あら?」停止する
- 観楠
- 「……とまっちゃった?」
- 竜胆
- 「……動きませんね。ひょっとして……あなたが?」
- 夏和流
- 「まあ、物語の都合上ですよ(笑)」
- 観楠&竜胆
- 「?」
- 夏和流
- 「あ、それより安くて栄養がありそうでボリュームたっぷ
りに見えるこのパン下さい」
- 竜胆
- 「(いわしパン……ただ者じゃあないな)」
- 観楠
- 「(いわしパン……よかった、支持者がいるじゃないか、こ
れからも不撓不屈の精神で、パン屋道に邁進するぞ)」
- 夏和流
- 「? あの……このいわしパン……商品じゃ……」
- 観楠
- 「い、いえいえ! れっきとした商品でございます、はい」
- 夏和流
- 「いただきまーす……ぐげ」
- 竜胆
- 「(やっぱり)」
- 観楠
- 「(いや〜、魚関係、シリーズ化しようかなぁ。DHAたっぷ
りのまぐろパンに、生姜がぴりりときいたかつおパン。大根おろしと合わせるさんまパン……ナイスアイデアだっ)」
- 夏和流
- 「ずびばぜ〜ん……なんか飲み物を……ぐげ」
- 竜胆
- 「店長さん? この麦茶、出しますよぅ?」
- 観楠
- 「(受験生のみんなのためにとびうおパン、社会人のために
すずきパン、マニアックなところでふかひれパンとか)」
- 竜胆
- 「……ま、勝手に出しちゃえ。はい」
- 夏和流
- 「あ、ありがとうございます〜ごくごく……ぐげ」
- 竜胆
- 「あ〜、そーいや紫擾くん、どーなってんのかな?」
- 紫擾
- 「(固まっている)」
- 竜胆
- 「……落書きしちゃえ」
夏和流、一息つく。
- 夏和流
- 「こんなのがパンだなんて……いわし(言わせ)無いぞ」
ぴっきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん。
一同完全硬直。
- 夏和流
- 「あ、面白くありませんでした?」
- 一同
- 「(絶句)」
- 観楠
- 「……(できる!)」
(からんころん)
- 寧
- 「おぢちゃ〜ん、何か食べさせて〜〜(^^)」
- 影跳
- 「いつもの奴で良いですから」
- 寧
- 「やや、そこにいるのは、フガフガフガ(胸無し女)」
- 影跳
- 「(危ない危ない、もう少しでまた監督不行届で殴られる
所だった) りん姐さん、こんな所で何遊んでるんですか?」
- 竜胆
- 「あのねぇ、影跳君、遊んでるわけじゃなのよ。あの見る
からに悪そうなど悪人が見えないの?」
- 寧
- 「あんたよりまともそうに見えるわよ。(笑)」
- 竜胆
- 「(ぴく)かぁげぇとぉくぅ〜ん、ちゃんと教育しときなさ
いって言っておいたでしょ〜」
- 影跳
- 「は、はい〜〜」
- 夏和流
- 「……(な、何かこっちの人の方が恐い(^_^;)」
- 紫擾
- 「あのぉ、一人にされると寂しいものが……」
(からんころん)
- かなみ
- 「父様っ」
- 観楠
- 「あ、おかえりかなみちゃん(笑顔)」
- かなみ
- 「あのね、きょうがっこうでてるてるぼうずつくったの!」
- 竜胆
- 「へぇ、どれどれ?」
- 三郎
- 「ほほぅ」
- かなみ
- 「りん姉様、さぶちゃん、こんにちわっ(にこっ)」
- 夏和流
- 「父様って?」
- 観楠
- 「ん、あぁ。私の……娘なんですよ(照笑)」
- 夏和流
- 「娘? ……(じー)」
- 観楠
- 「……あの、私の顔に何か?(^_^;;」
- 夏和流
- 「店長さんって……二十前後ですよね?」
- 観楠
- 「え? ええ、そうですけれど?」
- 夏和流
- 「そうですか。じゃああの娘さんは……」
- 観楠
- 「え? ……あ、ああ、いえそうじゃなくて(^^;;;;アタ
フタ」
- 夏和流
- 「過去のあやまち、ってやつですね。……あたふたするの
はあやまちい(やましい)証拠」
- 観楠
- 「(ぴきっ! つ、つまらない……)い、いえ実はかくかく
しかじかでして。この話題になると、もぅ何を言っても信用がないんで、何も言えないんですけど(汗) でも、私は無実ですっ!」
- 夏和流
- 「(じー) ……たしかに、店長さんはそういう顔をしてい
ますけれど」
- 観楠
- 「(じーん……)わかってくれますかっ!」
- 夏和流
- 「そういう話だったんですか」
- 観楠
- 「ええ。誤解させてすいません」
- 夏和流
- 「いえいえ。……あれ?」
- かなみ
- 「父様、この人は?」
- 観楠
- 「(え? かなみちゃんいつの間に(^^;)ああ、新しいお客
さんの、えーと……」
- 夏和流
- 「三河夏和流(みかわ・かわる)です。最近ここに引っ越し
して来たんだ。よろしくね」
- かなみ
- 「よろしくなのっ」
- 夏和流
- 「かなみちゃんってーのは……店長さん、名前なんでした
っけ」
- 観楠
- 「かんくすとかいてかなみ、だけどね(苦笑)」
- かなみ
- 「えと、えっと……」
- 夏和流
- 「あ、僕は夏和流ね、か・わ・る」
- かなみ
- 「かなみは、かなみなの。父様といっしょ!(にこっ)」
- 夏和流
- 「ふぅん」
- 朝
- 「わざわざ同じ名前つけといて、んで子供やないゆーてそ
らもぉ最初は大変でな(笑)」
- 観楠
- 「ほっとけ(汗)」
- かなみ
- 「夏和流兄様のおうちって、おさけやさん?」
- 夏和流
- 「へ? どうして?」
- かなみ
- 「兄様みかわやさんっていったもん」
- 観楠
- 「か、かなみちゃん(汗) 三河君だっけ、ごめん。気にし
ないでね(汗)」
- 夏和流
- 「いえいえ。(かなみちゃんを見て)あのね、僕は『三河』
であって、『三河屋さん』じゃあないんだ」
- かなみ
- 「ふうーん……」
- 夏和流
- 「お酒屋さんは、三河屋さんだけに河屋く(可愛く)ないと、
いけないんだ(笑)」
しーーーーん……と、なるかと思いきや。
- かなみ
- 「?(解かってない)」
- 観楠
- 「く、くっくっく(←笑いをこらえるのに必死)」
- 夏和流
- 「ところで、店長さん」
- 観楠
- 「え? なに、三河君?」
- 夏和流
- 「(小声で) かなみちゃんのお母さんって……誰かわか
っているんですか?」
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