真夏のベーカリー。珍しく人が集まっている。
- 観楠
- 「う〜ん、緑ちゃん遅いなぁ。部活が長引いてるのかな?」
- 琢磨路
- 「てんちょ〜緑ちゃんにも手ぇ出す気か?」
- 観楠
- 「だから、そんな気はないってさっきから言ってるじゃな
いか、それにそんな事言ってると慎也君が……」
- 慎也
- 「て〜ん〜ちょ〜〜(ひゅーどろどろ)」
- 観楠
- 「うわっ、慎也君いつの間にっ」
- ドア
- 「からんころん」
- 観楠
- 「やぁ、いらっしゃい」
- 美々
- 「あれ? 緑ちゃんまだ来てへんの?」
- 朝
- 「何か約束でもあったんか?」
- 美々
- 「うん、ちょっと話したいことがあったんだけど……」
- ドア
- 「からんころん」
- 観楠
- 「やぁ、ちょっと遅れたね緑ちゃん」
- 緑
- 「はぁはぁ、遅れてすみま……せん」
- 美々
- 「緑ちゃん走ってきたの? 何か顔色悪いよ?」
- 緑
- 「はぁはぁ、大丈夫……です。うぷっ」
突然口を押さえてトイレに駆け込む緑、それを美々が追っていく。
- 美々
- 「緑ちゃんっ!」
- 緑
- 「けほっけほっ、だ……大丈夫……ですから」
- 美々
- 「なんかあったの? 学校では元気そうやったけど……」
- 緑
- 「けほっ、この頃暑くて……それに部活もきつかったから、
けほっ」
- 琢磨路
- 「慎也ぁ〜ちょっと早いんじゃないか?」
- 慎也
- 「なんだ? 早いって?」
- 琢磨路
- 「だって緑ちゃんのあの様子だと妊し(ばきっ)うおっ」
- 慎也
- 「何を言う岩沙、俺はそんな風になる行為に至ったことは
ない」
- 琢磨路
- 「ふ、怪しい物だなぁ(ギロリ)」
- 観楠
- 「へぇ、慎也君が……」
- 慎也
- 「ああっ、もうそれは誤解だってのに」
- 琢磨路
- 「まぁ、緑ちゃんに聞くのが一番手っ取り早いか」
- 緑
- 「はぁ、すみません……何かみんな……びっくりさせちゃっ
た……みたい‥で」
- 慎也
- 「それで、体は大丈夫なの?」
- 緑
- 「はぁ、多分……この猛暑の上に……部活がハードだった
のと……さっき……走ってきたのが原因……みたい……です。この頃は夏バテ気味だった……し」
- 観楠
- 「大丈夫なのかい? 緑ちゃん。 今日はバイト休んだ方
が……」
- 緑
- 「いえ、大丈夫……です。やれます」
- 慎也
- 「どうだ、コレで俺の無実が証明されたろう(小声)」
- 琢磨路
- 「チッ」
- 慎也
- 「何だよそのイヤそうな顔は……」
- 夏和流
- 「夏バテといえば……うーん、とっさには思いつかないなぁ」
- 慎也
- 「君のギャグは体に悪そうだからやめてくれ」
- 夏和流
- 「そんな……体に悪いなんて事は有間山(ありません)」
- 一同
- 「(しーん)」
- 緑
- 「……うぷ(だぁっしゅ)」
- 観楠
- 「じぃー」
- 夏和流
- 「い、いくらなんでも偶然……」
- 美々
- 「じとー」
- 夏和流
- 「悪意があったわけじゃなくて……」
- 慎也
- 「じいー」
- 夏和流
- 「……ごめんなさい。これからはもっと面白いギャグを言
うように……」
- 一同
- 「そういう問題じゃあなーい!」
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