- 竜胆
- 「なんなの,この文章?」
- 時雨
- 「いやぁ、世の中の七不思議を書いてみようかと……」
- 竜胆
- 「じゃ、残りの6つは?」
- 時雨
- 「知らない」
- 竜胆
- 「……」
- 時雨
- 「いやぁ,今日もいい天気だね」
- 竜胆
- 「そうね、洗濯物が乾かなくて大変」
- 時雨
- 「あきりんって自分で洗濯してたっけ?」
- 竜胆
- 「って更ちゃんがいってたの」
- 時雨
- 「……」
- 紫擾
- 「そっか〜、更毬さんはあきりんの下着をくすね放題なわ
けだな」
- 竜胆
- 「そんなわきゃあるかぁ!」
- 剽夜
- 「別に1枚や2枚増えたり減ったりしても解らないと思う
ぞ。まぁ、私は下着だけをとっても楽しくないから取ったりはしないけどな」
- 竜胆
- 「……」
- 紫擾
- 「おや、あきりん、否定するのかい?」
- 竜胆
- 「いや、その……」
- 紫擾
- 「もう半同棲状態なんだから、それくらいは……はうっ」
- 竜胆
- 「少なくとも! 洗濯は自分でやっとるわぃ!」
- 紫擾
- 「少なくとも……ねぇ(うふふふ)」
- 竜胆
- 「な、何よぅ」
- 紫擾
- 「いやいや、何でもないです」
- 竜胆
- 「へ、ヘンな想像しないでよねっ(汗)」
- 紫擾
- 「ヘンって?」
- 竜胆
- 「そ、そりは……その……」
- 紫擾
- 「まったく、あきりんってば赤くなって可愛い(笑)」
- 竜胆
- 「か、からかわないでよっ」
さて、紫擾くんの巧み(笑) な話術によって、竜胆はうかつにも(笑)、紫擾くんにまで弱みを握られてしまった。ちなみに他に握ってるのは噂の渦中にある理系妖人間、更毬剽夜である。
- 紫擾
- 「まあまあ、ここだけの話、誰にも言ったりしないから」
- 竜胆
- 「あったりまえじゃない!」
- 紫擾
- 「しかし、ここじゃふと誰かに聞かれる可能性もなきにし
もあらずだ。私の車で話さない?」
- 竜胆
- 「話すって何をよぅ?」
- 紫擾
- 「あら奥さん、あたしの口からいわせますのぅ?」
- 竜胆
- 「(むきーっ) わかったわよ!」
- 紫擾
- 「で、ほんとのところはどーなん?」
- 竜胆
- 「どーって……別に……ねぇ」
- 紫擾
- 「何にもないの?」
- 竜胆
- 「う、うんうん(汗)」
- 紫擾
- 「あきりん。嘘がつけないタチだねぇ」
- 竜胆
- 「う……」
- 紫擾
- 「まあ、それ以上は邪推しないけどさぁ。でもさぁ、気持
ちははっきりさせといた方がいいと思うんだぁ」
- 竜胆
- 「……珍しくまともなこと言ってる」
- 紫擾
- 「私だってたまにはまともなことを言うのだよ。で、どー
なん? 私が記憶してる限りじゃ、更毬さんと今みたいに仲良くなったのって、一回の春合宿以来だと思うんだけど」
- 竜胆
- 「よ、よく覚えてるわね」
- 紫擾
- 「傍から見てたら一目瞭然ってやつぅ? それから数え
て……一年と四ヶ月くらいかな?」
- 竜胆
- 「そーなるかな……」
- 紫擾
- 「これは友達としての忠告だけど、やっぱりはっきりさせ
といた方がいいと思うんだぁ。今みたいな関係も理想的と言えば理想的だけどさぁ」
- 竜胆
- 「だったら、それでいいと思うんだけど」
- 紫擾
- 「そりゃ、あきりんはそれでいいかも知れないし、更毬さ
んだってそれでいいかも知れない。でも、仮に他に誰か、もうあきりんのことを愛しちゃってどーしよーもない、夜も眠れない、あきりんと付き合えるんなら、魂を悪魔にささげてもいいっていうよーな人間がいたとしたら、その人はちょっとかわいそうだよね」
- 竜胆
- 「……」
- 紫擾
- 「まあ、今のあきりんと更毬さんは、一見したらすっごく
らぶらぶだから、普通はそーまでしないと想うけどね〜。
それに、その人はあきらめが悪いタチかも知れないしぃ」
- 竜胆
- 「コワイこと言わないでよぅ」
- 紫擾
- 「職業柄、そーいう感情の機微には詳しいんだぁ、私って
ば。で、どーなん?」
- 竜胆
- 「……言わなきゃ、駄目かな?」
- 紫擾
- 「それはあきりん次第。私はぜひ聞きたいけど」
- 竜胆
- 「……わかんないんだ……」
- 紫擾
- 「揺れ動いてる?」
- 竜胆
- 「(うなずく)」
- 紫擾
- 「まあ、無理もないかなぁ。今みたいな状況でも、どっち
かに決まらないんだから、よっぽど両方好きなんだねぇ」
- 竜胆
- 「その……好きかどーかってのが、わかんないの」
- 紫擾
- 「へ?」
- 竜胆
- 「そりゃ、更ちゃんが来てくれると、寂しいの紛れるし、
かと言って、岩沙とどたばたしてるのも楽しいし……それが、どーいう好きなのかわかんない……今まで、人を好きになったことないから」
- 紫擾
- 「……たぶん、友達としての好きじゃないと思うよ。おん
なじどたばたでも、私に対するのとでは違うやろ?」
- 竜胆
- 「うん(きっぱり)」
- 紫擾
- 「私だって、あきりんとどたばたしてるのと、めぐみとど
たばたしてるんじゃ、感覚が違うし」
- 竜胆
- 「うん……」
- 紫擾
- 「まあ、話はそれだけだけどね」
- 竜胆
- 「うん……」
- 紫擾
- 「ついでだから送ってあげるよ。近いしね」
- 竜胆
- 「うん……」
- 紫擾
- 「そー言わずに乗ってみておくれよお嬢さん」
- 竜胆
- 「ヤ〜よ。だって、止まらないんだもん」
- 紫擾
- 「大丈夫。ちゃんと止まれるようにABSがついてるから」
- 竜胆
- 「普通のABSでしょ? スポーツなんとかヘリカルなんとか
じゃないやつ」
- 紫擾
- 「そんなのスピード出さないと変わらないって。それに、
ヘリカルなんとかはLSDだよ」
- 竜胆
- 「え〜い、わかったわかった。乗りゃいーんでしょ」
- 紫擾
- 「へい毎度。一名さんごあんな〜い☆」
数十分後。無意味に急制動をくりかえす紫擾カレンの姿があった(笑)
- 竜胆
- 「ホントだ。止まるわ」
- 紫擾
- 「あきり〜ん、タイヤが減るからそれくらいに〜(T_T)」
- 竜胆
- 「う〜ん、ほしい〜。紫擾くん、売って☆」
- 紫擾
- 「さ、三百万円出すなら」
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