いつも賑やかなベーカリー楠。
その賑やかさを消し去ってしまう、恐怖のしらけギャグ男が現れた。
- 夏和流
- 「あ、いたいた、せんせー」
- 竜胆
- 「おや少年久しぶり」
- 夏和流
- 「今日は相方を連れてきたんです。ほら」
- みのる
- 「……おい」
- 竜胆
- 「それはよかったね。精進したまえよ」
- 夏和流
- 「はい、先生。それでは、見て下さい。
隣の家に囲いができたってねぇ、かっこ……」
- みのる
- 「(パンチ一発)」
- 夏和流
- 「……どぶでじょお……ずごぐいだいでずげど……」
- 竜胆
- 「そうね、相手役の感想としては……」
- みのる
- 「の、前に、どうして俺が貴様の相手役にならなければな
らんのか理由が聞きたいのだがな」
- 夏和流
- 「物語に怪我人なし(傷を治す)だって、一番面白くなりそ
うだから」
- 竜胆
- 「そうそう、その精神は大事ね」
- 夏和流
- 「大事といえば……」
- みのる
- 「(キック一発)」
- 夏和流
- 「さっきからぼけてないのにつっこみがはいる」
- みのる
- 「俺はくだらないギャグを聞いて生きられるほど強くはな
いんでな。先手を打たせてもらった。これも俺の命を救うためだ、我慢しろ」
- 夏和流
- 「そんな大げさな……。でも我ん慢る(頑張る)」
- みのる
- 「(ぴきっ)」
べきばきどかぐしゃ、ぼきっぐちゅっ。
- 夏和流
- 「……いくらなんでも痛すぎ……」
- みのる
- 「安心しろ、殺すつもりでやっている」
- 夏和流
- 「そ、それって熱い木、ヒート杉(ひどすぎ)」
ざくどむずむすぱっ。
- 夏和流
- 「い、いつの間に刀なんて……」
- みのる
- 「まだ死なないか。次は弓矢か槍か」
- 夏和流
- 「弓矢屋の娘さんはゆみちゃん」
ひゅんひゅんひゅんっ。ざくさくぎゅむっ。
すたすた。
- 夏和流
- 「三本同時に放つなんて……刺さる方の身にもなってくれ
よ」
どんばんがん!
- 夏和流
- 「い、いまのはギャグじゃなくて……」
ぐきげきごぎっ
- 夏和流
- 「そ、それも違う……」
ざばっめきょっぐにょっ
- 夏和流
- 「ひあ、さすがにこれ以上は……」
じょぎゅぐぁぁぁぁ!
- 夏和流
- 「ぁぁぁぁぁ、って、あれ? みのるがいない? じゃあ
今までのは……」
- 竜胆
- 「あたしが代わりにやってたの☆ みのる君の足音があっ
たでしょ? あそこからあたしがやってたのよ☆」
- 夏和流
- 「……うあぁぁ、先生がいぢめるぅぅぅぅぅ(泣)」
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