エピソード321『民法二部』


目次


エピソード321『民法二部』

とうじょうじんぶつしょうかい

豊秋竜胆(とよあき・りんどう)
紅雀院大法学部三回生
金村雅火狐(かなむら・まさひこ)
同上

本編

法学部の大教室が集中している建物の前

竜胆
「ちーっす、金村くん」
雅火狐
「おう、おはよう……」
竜胆
「勉強した?」
雅火狐
「いや、それが寝てもうてな(汗)」
竜胆
「所有権はしらみつぶしって言ってたのに」
雅火狐
「んん〜。寝てもうたんやから仕方ないやないか」
竜胆
「はいはい。でね、あたし思ったんだけど……昨日ちょっ と勉強して」
雅火狐
「おう」
竜胆
「所有権って出ないんじゃないかなぁ……だって、こんだ けしか分量ないし」
雅火狐
「……となると、何処が出る?」
竜胆
「物権変動じゃないかなぁ」
雅火狐
「そーか……」

で、肝心の試験の問題は! 


 問一	三つの中から一問選択して答えよ
	一	忘れた(笑)
	二	@@における所有権移転の時期
	三	取得時効と登記
 問二	以下の用語を説明せよ
	一	忘れた(^^;)
	二	登記請求権
	三	忘れた(^^;)
	四	囲繞地通行権


竜胆
「(……取得時効にヤマ張ってよかった〜)」
雅火狐
「(……わからん!)」

かりかりかりかりかりかりかりかり
 と、拘束時間の三十分が過ぎた。

竜胆
「(一個わからんけど、まあ大丈夫☆)」
雅火狐
「(く〜っ、こんなんわかるかぃ!)」
竜胆
「どーだった?」
雅火狐
「……駄目や、落した(汗)」
竜胆
「あたしも自己採点60点だから……かろうじてって感じ」
雅火狐
「調子よかったやん?」
竜胆
「肝心な事書くの忘れて……(汗)」
雅火狐
「……そっか」
竜胆
「減点法で採点するなら70点はあるんだけどね(笑)」
雅火狐
「……まあ、辛い状況ではあるわな」
竜胆
「そーいうこってす」



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