エピソード332『夏休みっ:プールへ行こう』


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エピソード332『夏休みっ:プールへ行こう』

世間ではもぅ夏休みに入っているんですね(笑)
 学校もお休み、家の中が忙しくなるなぁ……。

観楠のマンション、午前中・定休日

観楠
「やれやれ、今日も暑いなぁ……こう暑いと家事ほったら かしてプールにでも行きたいよなぁ(汗)」

掃除・洗濯・炊事、明日の用意、その他もろもろ。
 いやはや、主婦というのはまことにすごい(汗)

観楠
「(掃除機をかけながら)お昼、何が良いかなぁ……うーん 冷たい物ばっかりも良くないし、かといって今からこれだけ暑いと昼になったらもっと暑くなるだろうし、そうなったらうちのお姫様たちはナンギだからなぁ(笑)」

観楠が昼食に何を作ろうと子供たちはちゃんと食べてくれるのだが。

観楠
「温いお茶出したら怒るもんなぁ。お腹壊さないようにっ て思うんだけど……うげっ(どがしゃぁっ)」

観楠、ちゃぶ台に躓いて転倒。

観楠
「ってー……これだから夏は嫌いなんだよ、 ちきしょー めぇ(泣)」

それは夏とは関係ない。

観楠
「くー……爪先が、痛い(汗) あれ、この封筒なんだろ?
中身を取り出す) 市営プール入場券……こんなの貰ったっけ……はて?」

考えるが今一つ記憶に無い。

観楠
「誰に貰ったんだっけ……まぁいいや。あるんだから…… 使ってもいいよな。かなみちゃーん」
かなみ
「なぁに?」
観楠
「今日の宿題は終わった?」
かなみ
「あのね、あと少しなの」
観楠
「ちゃんとやってるね、えらいえらい(笑) で、今日のお 昼からかなみちゃん、何処か遊びに行くのかな?」
かなみ
「まだきめてないの」
ミか
「パパ、何処か連れてってくれるの?」
観楠
「ん、プールの券があるからさ、みんなで行こうかなって」
かなみ
「プール? かなみいきたいっ」
ミか
「ミかもっ!!」
観楠
「よし、決まりね(笑) じゃ、お昼食べたら出かけようね」
かなみ
「父様、あたらしいみずぎきてもいい?」
観楠
「もちろん。ちゃんと用意しといたげるから、かなみちゃ んは先に宿題をやっちゃおう〜〜」
かなみ
「はーい」
観楠
「さて、と。そうと決ったらさっさとすませなきゃなぁ〜 プールだプール☆ あれ、券が一枚余るなぁ」

観楠の手中には3枚の入場券が。

観楠
「ミか入れて3人……だけど、家は人間は2人だし、この 場合ミかはかなみちゃんの持ち物だから券はいらないし。誰か暇な人でも……ん?」

ポケットに入れた手が紙切れを掴み出す。
 そこには、あの番号が。

観楠
「素子ちゃん誘って……いかんいかん(汗) じゃぁ竜胆ちゃ ん誘ってみよかな?」

彼女も結構忙しいのを忘れている。

観楠
「えーと、電話番号は……短縮でよし(コール音) もしも し」
竜胆
「(音楽が流れる) はい、豊秋です。ただいまでかけてお りますので(ならべぇぇてぇ、ぴゅぅぁぁあなはぁーとぉが)
用件のある方はメッセージを入れてください☆
そのうしろで音楽が流れ続ける)」
観楠
「る、留守電に『パフィ』、さすがだ(汗) まぁうちも同 じようなもんだが……竜胆ちゃん、留守かぁ。朝……は仕事だし、大輔さん……も忙しいだろうし…… 誰もいないなぁ……」

平日に暇なやつは自営業かフリーターしかいない。

観楠
「ま、これは後回しにして。お昼作ろう……」

市営プール、昼過ぎ・快晴

観楠
「う、太陽が……(汗)」
かなみ
「父様、もう泳いでもいい?」
観楠
「ちゃんと準備運動したら泳いでもいいよ。ここで待って るからいっといで」
かなみ
「はーい!(ちゃぽ、ざぶ、ん……ぶくぶく……ざばっ) 父様、うきわいるのっ」
観楠
「う、浮き輪って。かなみちゃん泳げなかった?(汗)」
かなみ
「あしがつかないのっ」
観楠
「じゃぁあっちの小さいプールで泳ぐのは?」
かなみ
「ちいさいほうはせまいもん! だからおおきいほうでお よぐのっ」
観楠
「なるほど(汗)  ちょっと待ってね、すぐ空気入れるか ら……あ、ポンプ忘れた(大汗) 仕方ない」

観楠、口で浮き輪を完成させる(汗)

かなみ
「父様ありがとっ!」
観楠
「はい、いってらっしゃい(笑)  ……ほ、ほっぺたが痛 いぃ……」
素子
「大変ですね(笑)」
観楠
「……素子ちゃん」
素子
「ご苦労様(笑)」
観楠
「まぁ、親だからね(笑)……素子ちゃん、今日は、その…… ごめんね、いきなり誘ったりして」
素子
「いえ、いいんです。あたしもその……こういう暑い日は どこかで泳ぎたいなぁって、思ってましたから(笑)」
観楠
「迷惑……じゃなかった? その、何て言うか……」
素子
「そんなことないですっ!」
観楠
「そ、そぅ?(汗) そりゃ……良かった(笑)」
素子
「受験生だって、暑いのは暑いんです(笑)」
観楠
「受験……かぁ。夏が終わって、秋、冬、春まで?」
素子
「推薦受かればもう少し早く終わるんですけど……」
観楠
「……やっぱり、長いなぁ……長いよ(苦笑)」
素子
「……」
観楠
「素子ちゃんにあんな事言った手前、頑張らなきゃって思っ たんだけど……もうちょっとこらえ性あると思ったのに……だめだな(苦笑)」
素子
「……」
観楠
「こないだ会ってから、押さえるのが結構辛くて……」
素子
「あたしは……嬉しかったです」
観楠
「……嬉しい?」
素子
「今日店長に会えたのも、ベルに連絡入ったのも(微笑) あれ渡したとき、すごく不安だったんです」
観楠
「えーと……僕が電話するかどうか?」
素子
「店長って一つの事に集中すると周り見えなくなるタイプ だし、なのに変に気を使ってくれるところありますから」
観楠
「そ……そう、か、なぁ?」
素子
「ええ。おかげでこっちは振り回されてばっかり(笑)」
観楠
「ご、ごめんね(汗)」
素子
「でも、ね?」
観楠
「?」
素子
「店長が……あたしは店長のそういうところも好きなんで す。仕事してる時も、みんなで騒いでるときも、ちょっと格好悪いときも、お父さんしてるときも……」
観楠
「……それって」
素子
「あたしは店長……ううん、湊川観楠って人が好きなんで す」
観楠
「素子ちゃん……」
素子
「(くすっ)あーあ、言っちゃった。ほんとは来年のつもり だったのに……あたしも我慢できない方なのかなぁ(笑)」
観楠
「……」
素子
「3月から数えて……約4ヶ月。これだけ待てば充分です よね……きゃっ」

観楠、素子の肩を抱く

素子
「て、てんちょう(赤)」
観楠
「……ありがとう」

素子、観楠の肩に体を預ける

素子
「お礼なんて……なんだか変です(くすっ) でも」
観楠
「うん……(照)」
かなみ
「父様ぁ、いっしょにおよいでっ」
ミか
「パパ〜〜」
観楠
「(ぎくっ)
素子
「(どきっ)」
かなみ
「ねぇ父様っ。あ、素子姉様!」
ミか
「こんにちわっ」
かなみ
「姉様、いつきたのっ?」
素子
「んーと、ちょっと前かな? 店長が誘ってくれたの」
ミか
「ふーん……パパ何も言わなかったよ」
観楠
「そ、それはそれっ(汗) いや、2人をびっくりさせよう と思ってっ(焦)」
素子
「そうそう(苦笑) 店長ったら(笑)」
かなみ
「素子姉様、およごっ」
素子
「そうね、行きましょうか」
かなみ
「父様もおよぐのっ!」
観楠
「僕も?(笑) 荷物大丈夫かなぁ?」
ミか
「だいじょーぶよぉ☆」
観楠
「……不安だなぁ(苦笑) ま、しばらくなら大丈夫だろ。 んじゃ、いこっか(笑)」



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