ここはベーカリー楠、そろそろ緑が来る時間だったりする。
からんころん
- 緑
- 「こんにちわ」
- 観楠
- 「お、緑ちゃん……ってあれ? 切ったの?」
- 緑
- 「はぁ、うっとおしかったんで……ばっさりと……いっち
ゃいました」
- 観楠
- 「……(ああ、慎也君ってロングが好みじゃなかったかなぁ)」
- 緑
- 「あの……やっぱり……似合いませんよね?」
- 観楠
- 「あ、いや。いいんじゃないかな? うん、すっきりし
てて……緑ちゃんショートも似合うね(笑)」
- 緑
- 「そうですか……すぐに入りますね」
- 観楠
- 「あ、よろしく」
からんからん
- 観楠
- 「いらっしゃい。……あれ?」
- 夏和流
- 「どうしました?」
- 観楠
- 「……君も、頭を切ったんだ?」
- 夏和流
- 「『頭を切る』?」
- 観楠
- 「……あ、いや頭じゃなくて、かみ……」
- 夏和流
- 「その通りですが?」
- 観楠
- 「……え?」
- 夏和流
- 「さっきみのるの奴にばっさりと頭を切られました」
- 観楠
- 「あ……そ……」
- 夏和流
- 「それがなにか?」
- 観楠
- 「あ……いや、きみも髪の毛も切ったんだなー、と思った
のだけれど……」
- 夏和流
- 「……は? 僕が髪を切った??」
- 観楠
- 「え……違うの?」
- 夏和流
- 「……?」
- 観楠
- 「……」
- 夏和流
- 「(ぽん)あ、そっか。僕、髪の毛切ったんだっけ。忘れて
ました」
- 観楠
- 「……」
- 緑
- 「くす……面白い人……ですね。夏和流さんって」
- 夏和流
- 「(水島さんって笑うんだなぁ) え、そうかなぁ」
- 緑
- 「御注文はどうします?」
- 夏和流
- 「水下さい」
- 緑
- 「……え……?」
- 夏和流
- 「水、お願いします」
- 緑
- 「あの……パンは……?」
- 夏和流
- 「いやぁ、節約しないといけませんし(笑)」
- 緑
- 「はいっ、お水です(にこ)」
- 夏和流
- 「(水島さんって、笑うと綺麗だな……)」
- 緑
- 「……あの……?」
- 夏和流
- 「あ、いやなんでもありません……」
からんころん
- 琢磨呂
- 「てんちょーっ! ……え……? ……も、もしかして……
みどり……ちゃん……なのかっ?」
- 緑
- 「え……あ、はい。似合いませんか、先輩?」
- 琢磨呂
- 「のおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!(琢
磨呂、店を飛び出す)」
無理もない、ベーカリーでは数少ないロングの人物だったのだから……(T_T)
- 観楠
- 「た、琢磨呂君……(そりゃー、「ロングだ! ロングが
一番だ! 推進対策向上委員会」って言っていつも叫んでるぐらいだもんなぁ〜、よっぽどショックだったんだろう)」
- 緑
- 「あの、私の髪の毛、そんなに変ですか?」
- 観楠
- 「いや、結構似合ってると……」
突然亡霊のように観楠の背後に琢磨呂出現。
- 琢磨呂
- 「似合わない」
- 緑
- 「え? きゃぁっ! 先輩、どこから……」
- 琢磨呂
- 「似合わないと言ったろう」
- 緑
- 「そ……」
- 琢磨呂
- 「似合わんと言ったら似合わんのだっ!」
- 緑
- 「うっ……」
- 琢磨呂
- 「ぜえええええったいショートなんか似合わん!」
- 観楠
- 「そこまで言わなくったって良いじゃ……」
- 琢磨呂
- 「(大声で)いいや! 似合わん! 駄目だ、ロングだ、ロ
ングが一番だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……うわぁぁぁぁぁっ!」
琢磨呂、その場から消滅する。
- 竜胆
- 「……アレ、岩沙の怨念よ、店長さん。霊体の一部があま
りにもつよい思考として噴出し、形骸化したもの」
- 観楠&緑
- 「(ぞぉ〜っ)の、呪われそう……」
- 竜胆
- 「あながち有り得ない話しではないですよ。憑かれるって
のと定義は同じですから」
- 観楠
- 「でも竜胆ちゃんは……」
- 竜胆
- 「あたしは彼と出会った時からずっとショートですからね。
緑ちゃんほどのロング少女がばっさりと行ってしまったら……
……そりゃぁあれだけ言われても無理ないかもね。あの琢磨呂だし……」
- 緑
- 「はぁ……。でも、冬の間は部活ありませんし……私、髪
伸びるの早いから……すぐ元に戻るかと……」
- 夏和流
- 「髪の伸びが……はやい?」
- 緑
- 「え、ええ……」
- 夏和流
- (……まあ、髪の伸びが早ければすけべなんて、迷信だな)
- 琢磨呂(怨念)
- 「俺は早いぞ!文句あるか!ベッドの上で早くなければ良い
んだっ!」
- 夏和流
- 「(な、何言ってるんだろう琢磨呂さん……)」
- 緑
- 「はぁ……(慎也さんなんていうかなぁ……)」
なんていう所に慎也登場。
- 慎也
- 「(ぶつぶつ)……しっかしなぁ、科目少ないって言っても
英語がなあ、うーん、なんだかなあ……(からんころん) : あ、ちゃーす」
- 緑
- 「いらっ……し、慎也さん……」
緑、かなり動揺してます(笑) そうとも知らず、慎也、ぶつぶつ言いながらカウンターに座る。
まだなんか考えごとしてるらしい……。まったくねえ?(笑)
- 緑
- 「あの……、慎也さん?」
- 慎也
- 「(でもまあ、何とかなるかなあ?) あ、緑ちゃん、いつ
-
- ものね」
- 緑
- 「は、はいっ」
- 慎也
- 「(えーと、数学の問題集はっと……)……ん?
(何か違うことに気づく)……(緑の方を見る)
……(考えてみる)……えっ? ……(もう一度緑を見る)
わぁおぅっ!(ブロッサム、ジョーイ兄さん風)」
- 竜胆
- 「ようやく気づいたのね、鈍感シンちゃん。(笑)」
慎也君も、かなり動揺の模様……(笑)
その後。
- 美々
- 「あれ? 緑ちゃん、首の後ろに……」
- 緑
- 「あ、えーと……これ BCG 注射の跡なんですぅ(汗)」
- 美々
- 「なーんや、そうなんかぁ……って、アレって首の後ろに
ぶち込んだっけ?」
- 緑
- (汗)
コネクタの存在を忘れていたようで。
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