ベーカリー楠、まだお昼前。
からんころん
- 観楠
- 「あ、いらっしゃい」
- 孝雄
- 「む、コーヒーを頼む」
- 観楠
- 「(水島さんが来るなんて珍しいなぁ)はい、どうぞ」
- 孝雄
- 「む、ありがとう(ぶつぶつ)」
なにやら孝雄はテーブルの上に置いた紙の束に目を通してぶつぶつ言ってる様子……。
- 孝雄
- 「うー(ぶつぶつ)」
- 観楠
- 「(な、なんかいつもとは雰囲気が違うなぁ)」
- 孝雄
- 「観楠殿?」
- 観楠
- 「え? あ、はいはい」
- 孝雄
- 「コーヒーのおかわりを……」
- 観楠
- 「あ、すみません(こぽこぽ) どうぞ」
コーヒーを差し出すと孝雄の呟きが聞こえてしまうんだなこれが。
- 孝雄
- 「動力は、緑の反対があったから小型ジェットタービンに
するとして……後は主武装か……やっぱり20mmバルカン砲ははずせんなぁ(ぶつぶつ)」
- 観楠
- 「あの……水島さん?」
- 孝雄
- 「ん? なにか?」
- 観楠
- 「兵器メーカーにお勤めでしたっけ?」
- 孝雄
- 「いんや、私はただの科学者だが……」
- 観楠
- 「バルカン砲っていったい……」
- 孝雄
- 「ああ、これか。実は言ってはならん事なんだがな(ごにょ
ごにょ)」
- 観楠
- 「……それって法律に触れるんじゃ」
- 孝雄
- 「ふっ、すべては科学のためじゃ」
- 観楠
- 「それでさっきから何に悩んでたんですか?」
- 孝雄
- 「いやなに、緑にどう言ってこれを着けさせようかなんだ
が」
- 観楠
- 「緑ちゃんの気持ちが分かったような気がする……」
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