エピソード363『よくわかる? パソコン通信講座』


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エピソード363『よくわかる? パソコン通信講座』

夏和流
「あのぉ……パソコン通信って、どうやるんですか?」

琢磨呂、夏和流を無言で山奥に連れ込む。

琢磨呂
「よし……まずこれを背負うんだ」
夏和流
「なんです……これ?むっちゃ重い……」
琢磨呂
「PANCER-2000Vだ」
夏和流
「えっ?」
琢磨呂
「コレを使って、NETにアクセスしてパソコン通信する。 いいな?」
夏和流
「でも、こんな山の中で……これがモデムとか言う奴です か?」
琢磨呂
「近いけど、少し違うな」
夏和流
「携帯電話ですか?」
琢磨呂
「こんなくそ重い携帯電話があるかぁぁぁぁ!(4.5キログ ラム)」
夏和流
「うわぁぁぁ! いきなり怒らないでくださいよ……」
琢磨呂
「……おこったものの、実はかなり近い答えだ。正解は、 『VHF野戦用無線機』だ」
夏和流
(唖然)
琢磨呂
「対電子妨害機能付きの最新型無線だ。ナント、3120チャ ンネルもの通信周波数、一秒間に100回コレを自動的に切り替えて、逆探知を防ぐのだ。周波数ホッピングと言う機能だ」
夏和流
「なんかわから無いけど、一秒間に100回とか、すごそう ですね。で、どうやってパソコンン通信するんですか?」
琢磨呂
「実は、パンサー2000無線機はMS-DOSで動いてるんだ」
夏和流
「また冗談を……」
琢磨呂
「(ぽちっ)良く見ろ、ここを!」
画面
「Starting MS-DOS System ....」
夏和流
(唖然)
琢磨呂
「ココのROMにWTERMをぶち込む。WTERMというのは通信ソ フトと言って……(真面目に説明を始める)」
夏和流
「ふむふむ……」

数時間後……。

琢磨呂
「と、言う訳で、ここでリターンキーを押せば電話……も とい、無線がかかってアクセスが出来る訳だ。OK?」
夏和流
「もうカンペキですよ。早速やってみますね……」
琢磨呂
「待て」
夏和流
「え?」
琢磨呂
「リターンキー……コードを入力してはいかん」
夏和流
「えーっ!? あれだけ説明されたら僕にだって出来ますよ」
琢磨呂
「いや、お前だけじゃない、俺にも出来ないんだ」
夏和流
「は……はぁ?」
琢磨呂
「出来ないのではなく、やってはいけない事なんだ……」
夏和流
「(唾を飲む) なんか、危険な香りがする……と言う奴で すか?」
琢磨呂
「戯けぇ! 誰がそんな事言った! 使えるけど、使っちゃ いけないって言ってンだよ」
夏和流
「だからなんでなんですか? 理由説明してもらわないと 納得行きませんよ」
琢磨呂
「じゃぁ、説明してやる。無線使うにはな、免許が要るん だよ、免許が!」
夏和流
「……じゃぁ、琢磨呂さんは……」
琢磨呂
「(大威張り) うむ、もっとらんぞ」
夏和流
(ぶっ飛ぶ)
夏和流
「うう……だれか、本当に教えてくれませんか?(泣)」

ベーカリー楠にて……

夏和流
「と、いうようなことがあったんですよぉ(T_T)」
観楠
「ははは、災難だったね(笑)」
郁代
「無線か……。懐かしいな(遠い目)」
夏和流
「あれ? 郁代さんって免許持っているのですか?」
郁代
「電話級……今じゃ4級かな? まぁ、いっちゃん下の級 だね。でも、無線局の免許状は持ってないから私にもリターンキーは押せないけど(笑)」
観楠
「そう言えば郁代さんもパソ通してましたね」
夏和流
「ほ、本当ですか?」
郁代
「あっ、でも私のは特殊な環境だから……最近では。だか らあまり参考にならないと思うよ」
夏和流
「結構です!! 是非にでも」
郁代
「言っとくけど、私のマシンはX68000だよ。ウインドウズ とかとは「無縁」の世界だよ(ニヤリ)」

(ヤバそうな雰囲気)

夏和流
「……けっこうです。ハイ」
観楠
「ところで、パソコンの本体は何を持っているの?」
夏和流
「姉のお古を貰ったんですけれど……確か、P〇-88とかい う名前だったと……」
一同
(全員こける)
観楠
「は……はちはち……」
夏和流
「なにか?」
観楠
「悪いけれど、あきらめた方がいいと思うよ(^^;」

#補足。88でパソコン通信を行なっていた人間はニ年前までは確認している。
 #別にできないわけではない。



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