- 夏和流
- 「あのぉ……パソコン通信って、どうやるんですか?」
琢磨呂、夏和流を無言で山奥に連れ込む。
- 琢磨呂
- 「よし……まずこれを背負うんだ」
- 夏和流
- 「なんです……これ?むっちゃ重い……」
- 琢磨呂
- 「PANCER-2000Vだ」
- 夏和流
- 「えっ?」
- 琢磨呂
- 「コレを使って、NETにアクセスしてパソコン通信する。
いいな?」
- 夏和流
- 「でも、こんな山の中で……これがモデムとか言う奴です
か?」
- 琢磨呂
- 「近いけど、少し違うな」
- 夏和流
- 「携帯電話ですか?」
- 琢磨呂
- 「こんなくそ重い携帯電話があるかぁぁぁぁ!(4.5キログ
ラム)」
- 夏和流
- 「うわぁぁぁ! いきなり怒らないでくださいよ……」
- 琢磨呂
- 「……おこったものの、実はかなり近い答えだ。正解は、
『VHF野戦用無線機』だ」
- 夏和流
- (唖然)
- 琢磨呂
- 「対電子妨害機能付きの最新型無線だ。ナント、3120チャ
ンネルもの通信周波数、一秒間に100回コレを自動的に切り替えて、逆探知を防ぐのだ。周波数ホッピングと言う機能だ」
- 夏和流
- 「なんかわから無いけど、一秒間に100回とか、すごそう
ですね。で、どうやってパソコンン通信するんですか?」
- 琢磨呂
- 「実は、パンサー2000無線機はMS-DOSで動いてるんだ」
- 夏和流
- 「また冗談を……」
- 琢磨呂
- 「(ぽちっ)良く見ろ、ここを!」
- 画面
- 「Starting MS-DOS System ....」
- 夏和流
- (唖然)
- 琢磨呂
- 「ココのROMにWTERMをぶち込む。WTERMというのは通信ソ
フトと言って……(真面目に説明を始める)」
- 夏和流
- 「ふむふむ……」
数時間後……。
- 琢磨呂
- 「と、言う訳で、ここでリターンキーを押せば電話……も
とい、無線がかかってアクセスが出来る訳だ。OK?」
- 夏和流
- 「もうカンペキですよ。早速やってみますね……」
- 琢磨呂
- 「待て」
- 夏和流
- 「え?」
- 琢磨呂
- 「リターンキー……コードを入力してはいかん」
- 夏和流
- 「えーっ!? あれだけ説明されたら僕にだって出来ますよ」
- 琢磨呂
- 「いや、お前だけじゃない、俺にも出来ないんだ」
- 夏和流
- 「は……はぁ?」
- 琢磨呂
- 「出来ないのではなく、やってはいけない事なんだ……」
- 夏和流
- 「(唾を飲む) なんか、危険な香りがする……と言う奴で
すか?」
- 琢磨呂
- 「戯けぇ! 誰がそんな事言った! 使えるけど、使っちゃ
いけないって言ってンだよ」
- 夏和流
- 「だからなんでなんですか? 理由説明してもらわないと
納得行きませんよ」
- 琢磨呂
- 「じゃぁ、説明してやる。無線使うにはな、免許が要るん
だよ、免許が!」
- 夏和流
- 「……じゃぁ、琢磨呂さんは……」
- 琢磨呂
- 「(大威張り) うむ、もっとらんぞ」
- 夏和流
- (ぶっ飛ぶ)
- 夏和流
- 「うう……だれか、本当に教えてくれませんか?(泣)」
ベーカリー楠にて……
- 夏和流
- 「と、いうようなことがあったんですよぉ(T_T)」
- 観楠
- 「ははは、災難だったね(笑)」
- 郁代
- 「無線か……。懐かしいな(遠い目)」
- 夏和流
- 「あれ? 郁代さんって免許持っているのですか?」
- 郁代
- 「電話級……今じゃ4級かな? まぁ、いっちゃん下の級
だね。でも、無線局の免許状は持ってないから私にもリターンキーは押せないけど(笑)」
- 観楠
- 「そう言えば郁代さんもパソ通してましたね」
- 夏和流
- 「ほ、本当ですか?」
- 郁代
- 「あっ、でも私のは特殊な環境だから……最近では。だか
らあまり参考にならないと思うよ」
- 夏和流
- 「結構です!! 是非にでも」
- 郁代
- 「言っとくけど、私のマシンはX68000だよ。ウインドウズ
とかとは「無縁」の世界だよ(ニヤリ)」
(ヤバそうな雰囲気)
- 夏和流
- 「……けっこうです。ハイ」
- 観楠
- 「ところで、パソコンの本体は何を持っているの?」
- 夏和流
- 「姉のお古を貰ったんですけれど……確か、P〇-88とかい
う名前だったと……」
- 一同
- (全員こける)
- 観楠
- 「は……はちはち……」
- 夏和流
- 「なにか?」
- 観楠
- 「悪いけれど、あきらめた方がいいと思うよ(^^;」
#補足。88でパソコン通信を行なっていた人間はニ年前までは確認している。
#別にできないわけではない。
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