エピソード367『弾き語り通信倶楽部、ミニオフ』


目次


エピソード367『弾き語り通信倶楽部、ミニオフ』

本日は弾き語り通信倶楽部のオフである……とは言っても、ミニマムサイズなのであった。参加者はたったの五人である(笑)
 注:文中の『茉郷(MASATO)』とは、麗衣子の兄である。

待ち合わせ場所にて

10
00
 難波駅のホームに立ちすくむ二人。
茉郷
「……早すぎたな」
麗衣子
「どうするん、30分も?」
茉郷
「ジュンクも覗きに行きたいけど時間が足らんし、高島屋 にある本屋に行くぞ! それぐらいしかする事がない」
10
28
 茉郷と麗衣子は待ち合わせ場所の東端で琢磨呂を待つ……
茉郷 :「待ち合わせ10
30やろ?」
麗衣子
「……先輩は、むうううっちゃギリギリに来るからねぇ」
10
28
 同じ頃観楠は西端で琢磨呂を待つ。
観楠
「琢磨呂君、まだ来ないのかなぁ(時計ちらり)」
10
30分20秒
観楠
「これは……琢磨呂君、遅刻かな?」
琢磨呂
「(観楠の正面から歩いてくる)」

観楠と琢磨呂がすれ違おうとしたその瞬間……

琢磨呂
「おはよう、やまとの諸君!」
観楠
「うおっ!」
琢磨呂
「……チッ……30秒ほど遅刻だな」
観楠
「ま、いいんじゃない?ところで麗衣子さん達は……」
琢磨呂
「奴等は早く着くタイプだからその辺にいると思うんだけ ど……ちょっと探しに行こうか」
10
32分
琢磨呂
「よっ、れいひい」
麗衣子
「あ、おはよー」
茉郷
「こんにちわー」
琢磨呂
「……ット、そうそう茉郷さん、この人が観楠さん」
茉郷
「あ、はじめまして茉郷ですm(__)m」
観楠
「パパです」
琢磨呂
「……なぁ、てんちょー?」
観楠
「エ?」
琢磨呂
「もちっと気の利いた自己紹介すりゃいいのに。たったの 四文字だぜ、四文字」
麗衣子
「でも、よく解って良いと思いますけど……」
観楠
「開き直りも肝心……ってね」
麗衣子
「そうそう先輩、昨日20分もかけてハリセンを手直しして たんですよ! 見て見て、これ」
琢磨呂
「……どうせ叩かれるのは俺なんだろ?」
麗衣子
「ピンポーン。あとね、タングステンカーヴァイトの付け 爪の方なんだけど、普通に付けてても違和感ないように、表面をエナメル塗料でコーティングしたのっ(チャキン)」
琢磨呂
「わーーったった……アブナイからその爪を振り回すなっ ての」
麗衣子
「えーっ(爪をチャキチャキ(笑))」
琢磨呂
「……いーかげんに」
麗衣子
「え?」
琢磨呂
「せんかぁぁぁぁっ!(ジャキン)」

爪を揺らす麗衣子の目の前に、45口径の銃口が微動だにせず据え付けられた。

麗衣子
「きゃ……」
琢磨呂
「左胸が膨らんでいないからって、安心しただろう。そこ、 が大きな落とし穴だ。シングルカァラムマガジンのガバメントは薄い。ズボンの後ろに差す事ぐらい造作ない事だ……」
観楠
「琢磨呂君! 公衆の面前で……(保護者ですっ! な目 つき)」
琢磨呂
「運が良いよな、麗衣子は(銃をしまう)」
観楠
「ところでみなさん、おしゃべりはその辺にして、電車乗 りましょうよ」
琢磨呂
「てんちょー、誰か忘れてねーか?」
観楠
「エ?」
麗衣子
「くすくす」
琢磨呂
「とある電気街の丼屋で女の子に間違えられたり、女装が 似合ったり、身長が……」
慎也
「女装がどうしたんやて? 琢磨呂」
琢磨呂
「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
慎也
「いきなりうるさい! なんか俺の噂してへんかったか?」
琢磨呂
「ふん……遅刻者のことなぞ知った事か」
慎也
「一時間に一本しか電車がない奴に向かってそれは余りに も酷いやんけ」
琢磨呂
「ふむ……地理的、交通条件的な不可抗力として、我が前 発言を抹消する事とす」
慎也
「了解」
琢磨呂
「……改めておはおう」
慎也
「うむ…… あ、レイちゃん、観楠さん、茉郷さん、おは よーございますm(__)m」
琢磨呂
「なぁ……シン」
慎也
「ん?」
琢磨呂
「俺に礼はないのか?」
慎也
「あると思うか?」
琢磨呂
「いや、思わん」
慎也
「ならいいじゃん」
琢磨呂
「だがこの場合、不可抗力とは言え団体行動の足並みを乱 す遅刻と言う重大犯罪を……」
観楠
「……あのさぁ……そろそろ電車のらない?」
琢磨呂
「うっ……」
慎也
「にやり」
麗衣子
「ほら行くよ、先輩(付け爪を光らせる(説得技能値13))」
琢磨呂
「へーへー、わかりやんした」

IN ATC

琢磨呂
「うーむ……ATC、ATC」
観楠
「どうしたの、琢磨呂君?」
琢磨呂
「オート・トラッキング……」
観楠
「アジアしこまりました(さっきと同じくお茶を持ってく る)」
一同
「ますます謎や……」
観楠
「てきとーに席取っといて」
琢磨呂
「了解!」
茉郷
「麗衣子さんはどれにする?」
麗衣子
「じゃあ、キッズミール」
茉郷
「あっ、いっちゃった。ラヴラヴだねぇ(ため息)」
慎也
「でもキッズミールのおもちゃ、ってどれにするの?」
茉郷
「少なくとも、鎧のはずれる人形ってのはいらんやろ?」
慎也
「これがいいなぁ」

車輪がまわると先端のドリルが回るというお約束のモノを指差した。

茉郷
「こ、こりは! 空想科学読本に載っていた……」
慎也
「実用性のないマシン! この後ろにコンテナが……」
観楠
「これにしてもらえますか?」
店員
「かしこまりました」
茉郷
「キャップが異様にでかいペンとは! 妥当すぎる」
慎也
「ドリルがよかったなぁ」
店員
「どうも、ありがとうございましたぁ」
茉郷
「はい、何も言わなかったから、これになったぞ」
麗衣子
「う〜ん……」
慎也
「やっぱりアレの方が」
観楠&茉郷
「よくない、って」
麗衣子
「あっ、そうだ!(ポンッ)」
琢磨呂
「どうした、れいひい?」
麗衣子
「店長、これ、かなみちゃんにどうぞ(ハァト)」
観楠
(感涙)
琢磨呂
「何を感動してんだよ、店長(笑)」
麗衣子
「ところで店長、かなみちゃんは今日どうしてるんですか? まさかお家に放ってきたとか……」
観楠
「そんなことするハズが無いじゃないでしょ。今日は小学 校の友達と遊びにいってるんだよ」

この後美術展を見て、ゲームセンターへ。
 そしてナンバへと戻ってくるのである。

IN ナンバ

ボウリング場にて

琢磨呂
「ふむ……やっと『バトル』ができるな」
茉郷
「ボウリングなんて、一年振りとちゃうかなー」
慎也
「最低スコアをマークしそうやわ」
麗衣子
「先輩、負けませんからね」
琢磨呂
「ふっ……それこそ俺の台詞だ」
麗衣子
「一度も勝てたことがないくせに……」
琢磨呂
「う・る・さ・い!」

金を払って、戦闘体制

麗衣子
「行くわよッ!(ばりっ)」
琢磨呂
「なっ……」

麗衣子、ボウリングに使う爪だけ、付け爪を剥がす。

琢磨呂
(やばい……コイツは本気だ)

結果、琢磨呂は惨敗、総合得点で最下位に終わった。

観楠
「ふー疲れた」
琢磨呂
「くそぅ! なんかやり切れねーぜ! もう一戦でも……」
茉郷
「そやけど、三ゲーム目ともなったら指先の感覚がねぇ」
観楠
「(うなずく) それじゃーこれで終わりにしましょう」
琢磨呂
「……くそ……くそ……くそぉぉぉぉ……」

靴を返却して、清算。

琢磨呂
「てんちょー、みんなでエアホッケーのトーナメントやら ない?」
観楠
「エアホッケー?」
麗衣子
「面白そうね。まとも一緒にやろ!」
茉郷
「お、おれもぉぉぉ?」

ということでエアホッケー大会突入


琢磨呂------+
	    |
慎也----+   |
	+---+----
麗衣子--+	 |
		: +---優勝
茉郷----+	 |
	+--------
観楠----+



 慎也VS麗衣子 → 慎也の辛勝
 観楠VS茉郷 → 観楠の圧勝

琢磨呂
「ふっ……シンよ、ボウリングの屈辱、ボウリングの屈辱、 ボウリングの屈辱ぅ!」

琢磨呂VS慎也 → 琢磨呂の圧勝

観楠
「それじゃーいきますか」
琢磨呂
「ボウリングの屈辱、ボウリングの屈辱……(ぶつぶつ)」

琢磨呂VS観楠(決勝)→琢磨呂の圧勝

琢磨呂
「わははははははははははははははははははははははは。 ボウリングの恨み、晴らしたぞ!」
観楠
「強いねぇ〜」
琢磨呂
「何ならもういっぺんやりますか?」
観楠
「え……あ……」

チャリン……
 結果……またも琢磨呂圧勝。

琢磨呂
「あいあむ、ちゃんぴおーーーーん!」
観楠
「ガクッ……つ、疲れた……」
麗衣子
「執念の勝利だね……」

しゃぶしゃぶ食べ放題

但し慎也は私用で帰宅
琢磨呂
「んじゃ、お茶だけど、乾杯!」
一同
「乾杯ぁ〜い (チャリーン)」

SCENE-1

琢磨呂
「肉、肉、肉、肉ぅぅぅぅう!」
麗衣子
「野菜も食べなさい、野菜、やさい!」
琢磨呂
「肉入れるぜ?」
麗衣子
「野菜が全部上がるまで待ちなさいってば」
琢磨呂
(ぼーッと虚空を見つめてる)
麗衣子
「どしたの?」
琢磨呂
「野菜が上がるまで、待ってるの……(ぼーっ)」

SCENE-3

琢磨呂
「すいませーーん! ニク、肉〜」
ウェイトレス
(肉が載った巨大な皿を、三皿も持ってくる)
琢磨呂
「んなに(テーブルの上に) 乗るかぁぁぁあ」
茉郷
「でも、二皿置いていったな」
琢磨呂
「うりゃあぁ」
ものすごい勢いで肉を入れる)
ウェイトレス
(残った一皿を何気なく追加)
琢磨呂
「……できる」

SCENE-2

茉郷
「お水ください」
ウェイトレス
(茶を持ってくる)
一同
「……謎や」

数分後

琢磨呂
「お茶下さい」
ウェイトレス
「えーと、烏龍茶の追加注文でございますか?」
琢磨呂
「……いや、水だ、水くれる?」
ウェイトレス
「かしこまりました(さっきと同じくお茶を持ってくる)」
一同
「ますます謎や……」

数分後

観楠
「水下さい(観楠のコップには少し茶が残っている)」
ウェイトレス
「はい」
観楠
(コップを差し出す)
ウェイトレス
「え……こちらのコップにお入れして宜しいのでしょうか?」
観楠
「え? どど、どういう……」
ウェイトレス
「えーと、これ、ビールじゃないですよね?」
観楠
「ええ、あ、ここに入れてください」
ウェイトレス
「いや、たまにあるんですよ、お茶を追加したら、実はそ のコップに入ってたのはビールだったって言うのが……」
一同
(大爆笑)

数分後

茉郷
「水下さい」
琢磨呂
「何が出てくるか賭けようぜ?」
ウェイトレス
「おまたせしました(茶がなみなみと入ったボトルを持っ てくる)」
一同
「予想外だった……」

SCENE-4

観楠
「もうおなかいっぱいやわ」
麗衣子
「あたしも。良く食べたわ」
琢磨呂
「野菜屋がギブアップして、これからやで(笑)」
茉郷
「まだまだやなぁ〜(笑)」
麗衣子
「こ……こいつらいったいどんな胃袋してるんや(^^;」
琢磨呂
「言わずもがな、アイアンストマックだ」

SCENE-5

琢磨呂
「ふぅー……もうあかん」
麗衣子
「良く食べたね、ほんとに」
観楠
(うとうとしてる)
茉郷
「あれ? 岩沙君、うどん食べへんの?」
琢磨呂
「う……」
麗衣子
「ダメやって、そんなに食べさせようとしたら。先輩もう お腹いっぱいやって言ってんねんから」
琢磨呂
(カチャカチャ……)
麗衣子
「?」
琢磨呂
「(ベルトを外して)リミッターカット、翼端タンク補給開 始」
麗衣子&観楠
「こいつらいったい……」

SCENE-6

一同
「ごっそさん。よう食べた」
観楠
「ところで、琢磨呂君?」
琢磨呂
「ん? どーしたい、急に畏まって」
観楠
「これさ、高校生組の皆に渡しといてくれないかな?」

観楠、大量のお守りを取出す

観楠
「受験頑張ってね……ってね(照れ)」
琢磨呂
「……店長……ありがとな。ちゃんと渡しとくぜ」
観楠
「あと、麗衣子ちゃんには受験は未だ早いから、ちょっと 別の奴だけど」
麗衣子
「あ、ありがとうございます!」
観楠
「みんな、頑張ってね」

SCENE-7

琢磨呂
「そろそろ出ますか」
観楠
「そーやね」
一同
「ごちそうさまッ! ……っと」
麗衣子
「(琢磨呂の方を向いて)さて、これから夜の町へ消えると しますか」
観楠&茉郷
「さぁ〜て、俺らはお邪魔みたいやし。それじゃー二人で 仲良くねぇ(手を振る)」
琢磨呂
「コラコラコラぁ! 麗衣子もややこしいことを言うんじゃ ないっ(赤面)」
麗衣子
「だってぇ〜」
琢磨呂
「だってもDAT(デジタルオーディオディスク)もない!」

こうして夜は更けてゆく。



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