エピソード370『刃、風に抱かれて眠れ』


目次


エピソード370『刃、風に抱かれて眠れ』

主要人物
 今のところ西山みのると神山圭介。本編
 はじまり、はじまり(笑)

同級生1
「わかったか!」
同級生2
「わかったら謝れ。膝ついて謝れ」
圭介
「ふざけんなよ……誰がおまえらみたいな奴らに……」
同級生3
「コイツ……!」

場所は吹利学院近くの土手。夕暮れ迫る刻。
 一人の吹利学院の制服を着た男が、同じ吹利学院の生徒らしき5〜6人に囲まれて
 暴行を受けている。
 暴行を受けている方の男の名前は神山圭介。吹利学院1年3組である。

同級生2
「黒田サン。どうしますコイツ」
圭介
「また……そうやって、強いヤツに頼る……のか……よ」
同級生2
「黙れ!(圭介の腹めがけて蹴る)」
圭介
「ぐっ……」
同級生1
「へっ、口だけの野郎が!(圭介の腹を蹴る)」
圭介
「く、くそ野郎が……」
同級生3
「なんだその目は!」
黒田
「その辺でやめとけ」
同級生3
「で、でもコイツは……」
黒田
「なんならオレが神山と変わってやってもいいんだぜ」
同級生3
「ハ、ハイ……」
黒田
「神山よぉ。オレはおまえが無理な事を頼んでるわけじゃない。 おまえの事を信用して頼んでるんだぜ。おまえなら『出来る』だろうってな。だからだ……」
同級生1
「黒田サン、あっちから人が来てますよ」
黒田
「わかった。明日にはいい返事を期待してるぜ。おい、行くぞ!」

みのる登場。

みのる
「……? どうした?」
圭介
「ちょっと転んだんだよ……」
みのる
「……そうか。これを飲め。傷によく効く薬だ」
圭介
「……なんか……不味そうだぜ、これ?」
みのる
「傷には効く」
圭介
「(恐る恐る飲む)まじい……」
みのる
「そうか」
圭介
「一応、礼を言っておくよ。ありがとな。ところであんた :何組だ?」
みのる
「三組だ」
圭介
「? 俺も三組だけれど、見たことないぜ? 一年だろ?」
みのる
「二年だ」
圭介
「え、1年上だったんですか……てっきり同学年かと……」
みのる
「そうか」
圭介
「俺、一年三組の神山圭介って言います」
みのる
「そうか。じゃあ気をつけて帰れよ」
圭介
「ハイ!」

あ、陽子は妹の名前です。こういう場合は「圭介の妹」とした方が
 いいのかな。今後こいつら出番なさそーだし(オイ
 圭介宅にて

圭介
「ただいま」
陽子
「おかえり。晩御飯できてるよ」
圭介
「後で食べるよ」
陽子
「お兄ちゃん、そう言っていつも食べないでしょ。ほら 早く、早く」
圭介
「……わかったよ。荷物を置いて下りてくるから」
陽子
「早くね」
圭介
「(鞄をベッドの上に放り投げる)……なんだかなぁ」
圭介
(言葉になんないだよな、なんかうまく。しいて言えば もやもやしたものが頭の隅をグルグルに回っていて、それを追い払いたいけどその方法がわからないっつーか)」
圭介
「こーんな状況になったのはなんでだろーな」
圭介
(まただ。また疼く。頭の隅のもやもやが。誰か叫んで いるような気もするけれど、何を言っているのかは分からない)
圭介
「そーいう目止めろ」
圭介
(悔しい。そうか? 本当にそうか? 俺はそう思って いるのか?)
圭介
「気にいらない奴がいるんだよ」
圭介
(繭の中にいた方が守られていて安心だ、って思ってい ないのか?)
圭介
「明日、また会おう……か」
圭介
(内心安心してたりしてな)
圭介
「いい返事期待してるぜ」
圭介
(違う! そうじゃない! そうじゃないんだ!)
陽子
「おにいちゃーん、早くぅ」
圭介
「今降りるよ」
圭介
(そうじゃないんだよ、そうじゃ)
圭介
「なんだかなぁ」

圭介はすっかり冷めた御飯と怒る妹の顔が迎える食卓へと、降りていった。
 「刃、風に抱かれて眠れ」の予告編(笑)

圭介
「先輩には分からないんですよ」
みのる
「……」
圭介
「僕にはこの力が必要なんです! だから……だからお願い です! ここを通して下さい!」
みのる
「おまえにはおまえの言い分があるんだろうが、人様に 迷惑をかけるというのなら放ってはおけない」
圭介
「先輩……残念ですよ。ここでお別れでですね」
みのる
「だろうな」
圭介
「できればこんな手段は取りたくなかった……でもそれも 運命なのかもしれまんねっ!」

圭介の発動させた銀の光がみのるの喉元目がけて飛ぶ。
 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

みのる
「俺に勝ちたかったら目の前の闘いに全力を投じる事が できてからにしろ」

☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

圭介
「……先輩……」
みのる
「なんだ?」
圭介
「僕は間違っていたんでしょうか?」
みのる
「そいつはおまえがこれから確かめるんだ。生きてな」
圭介
「生きる……冗談は止めて下さいよ。こんな姿になってま で生きていられませんよ。妹の事もあるし」
みのる
「罪は死んでも補えんぞ。妹に対する罪を負い目に感じ ているならば、それを補え。死ぬのはそれからだ」
圭介
「……前に先輩が言ってた意味がなんとなくわかったよう な気がします」

そう言ってふらふらと立ち上がると、圭介は胸のポケットからくしゃくしゃになった煙草を取り出し火をつけた。

圭介
「先輩、止めないんですか?」

みのる少し笑って答える。

みのる
「今日は無礼講だ。俺も1本頂こう」

☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

クラスの男子1
「圭介の奴さぁ、転校しちゃうんだって」
クラスの男子2
「何かあったのかなぁ」
クラスの女子1
「何でも噂によると妹をね……」

☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

圭介
「今からあんたを殺しにいく」
黒川
「ヤツらをやったのもおまえか」
圭介
「10分後だ。どこへ逃げても無駄だぞ。必ず殺す。必 ずだ」

☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

黒川
「そこっ! 気合いが入ってないぞ!」
柔道部員
「オスッ!」
黒川
「あとグランド3週っ!」
柔道部員
「オスッ!」
黒川
「……」
正美
「どうしたんです? ボーっとしたりして」
黒川
「マネージャーか。いやちょっとな。神山の事を思い出 していたのさ」
正美
「転校したんですってね」
黒川
「ああ」
正美
「転校した理由って噂によると……」

何か言っていたような気もするが、それ以降の台詞は覚えていない。ただ俺が覚えていたのは赤い飛行船が溶けていった空がやけに綺麗だったということだけだ。
 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

みのるの祖父
「おいみのる。手紙が届いとるぞ」
みのる
「俺に?」
みのるの祖父
「そうじゃ。宛先人の名前はシンザンケイスケだったか のぅ」
みのる
「わざと間違えなくてもいいよ。じいちゃん」
夏和流
「もっと鋭いツッコミを期待してるぞ、じーさんは」
みのる
「うるさい」

手紙を読み始めるみのる。

みのる
(……あいつ……『らしくない』な)
夏和流
「なんだよそれ」
みのる
「何でもないさ。それより新しいギャグを公開するんだ ろ? 早く見せてみろよ」
夏和流
「これは店長さんにも受けがよかったんぞ」

☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆
 拝啓 西山みのる 様
              元気です。
                            圭介
 てな感じ。大体こんな構想になってたわけです。
 よくありがちな終わり方ですけど(笑)感じを掴んでいただければ幸いかと。



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