夕方の彼方邸。彼方が何物かの調理をしている。
美樹は彼方のパソコンに向かって書き物をしている。
- 美樹
- 「そーいえば」
- 彼方
- 「なんですか?」
- 美樹
- 「総入れ歯。じゃ、なくて」
- 彼方
- 「……なんでしょう?」
- 美樹
- 「いや、そろそろ試験ですねぇと思いまして」
- 彼方
- 「そう言えばそんな様な物もあったような気がしますね」
- 美樹
- 「あぁ、今週末試験だなぁ」
天井を仰ぎ見る美樹。
天井には女の子がたくさん描かれたポスターが貼られている。
- 美樹
- 「寒いねぇ」
- 彼方
- 「大気温が低下していますからね」
- 美樹
- 「士堂君はまだ炬燵を出さないんですか」
- 彼方
- 「タイマーが狂いますから」
- 美樹
- 「炬燵は麻薬だからねぇ。授業にでなくなるもんねぇ」
キーボードを打つ手を休めて、息を吹きかける。
手がかじかんでいるのが判る。
- 彼方
- 「明日は雪だそうですよ」
- 美樹
- 「そっかぁ。実家の方じゃもう雪は積もっているって言っ
てたしなぁ」
- 彼方
- 「あ、食糧が余るんですけど、要ります?」
- 美樹
- 「有り難く頂かせて頂きます」
今日も彼方邸は平和である……
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