Act.1 瑞希がきた


目次


エピソード『瑞希襲来』=====================

Act.1 瑞希がきた

ある放課後ののどかな風景、一人の男子が血相をかえて普通科の校舎に入っていくちびで寝癖頭・愛敬たっぷりの顔立ちの男、後をおってもう一人、背が高く糸目・黒髪の男がついてくる。
  教室にたたずむ顕、突然机の下からフラナ出現。

フラナ
「せーんーぱいっ、せぇんぱいぃぃ」
「おぅなんだフラナか、おまえはどこからでてくるんだ」
フラナ
「先輩ぃぃ、たたたたいへんなんですぅぅ」
「どうした、おまえらしくない」
本宮
「先輩、気にしないでください、朝からこうなんですこい
つ」
「なにがあったんだ」
フラナ
「瑞希ねえちゃんが……瑞希ねえちゃんがくるうぅぅ」
「瑞希ねえちゃん?」
本宮
「こいつのねーちゃんです」
「姉さんがいたのか、してその人はショートヘアか」
本宮
「いえ、ロングヘアに長身で既婚者です」
「ふっ、そうか(ひゅるりらー)」
フラナ
「ああうぅぅ、こあいっ。こあいようぅ(じたばた)」
「しかし、なぜこんなに怯えるんだ」
本宮
「それは(目をそらす)わかるような気が……」
フラナ
「先輩っ、先輩も一緒に行こう、行こうっ、ねっ。(ぶん
ぶん)」
「別にいいけど、どこに行くんだ」
本宮
「新居ですよ、結婚して東京に住んでいたんですけど今度
こっちに引っ越してきたんです」
フラナ
「あうぅどうしよう、どおしようぅぅ」
「それで今度訪ねにいくと」
本宮
「そうなりますね、はぁ(溜め息)」
「なんだか凄い人なのか」
本宮
「いい人ですよ基本的に」
「基本的?」
本宮
「後はあってからですね」
佐古田
「ああ風よ木よ草よ、たとえ僕が風と共に消えても嘆かな
いでおくれ」
フラナ
「いやだあぁ」 
「なんだか心配になってきた」

その後、男三人プラス1(佐古田)は吹利大学通りから少しはいったところにある斎藤家に向かう。
 白塗りの壁、手入れされた庭。絵に描いたような新築の家である。

「ほほぅ結構いいところに住んでいるじゃないか」
フラナ
「……(顔面蒼白)」
本宮
「ほら、くるべき時がきたんだ、入るぞ(ひっぱる)」

ピンポーン

瑞希
「はーい(ガチャ) あら裕也、遅かったわね、待ってたの
よ。ああ本宮君に佐古田君、久しぶり。こちらの方は」
「あ、フラナ君の先輩の長瀬顕です」
瑞希
「そうですか、いつも裕也がお世話になってます。さ、そ
うぞあがってくださいね」
「はい、どうも」
本宮
「お邪魔します」
「(ひそひそ)なかなか感じの良いいいお姉さんじゃないか」
本宮
「(ひそひそ)まぁ初対面はそうですよ」
瑞希
「はい、お茶どうぞ」

はじめは全員緊張していたが、じょじょにお茶を飲みつつ談笑していくうちくつろいできた。

瑞希
「あ、そういえば裕也って学校ではどうですか」
「裕也君ですか、人気者ですよ、面白いから」
瑞希
「うちの親は放任主義だからあたしがしっかりしつけない
と」
「しっかりしてますね」
瑞希
「そうよねっゆーうーやっ(ぐりぐりぐり)」

頭をわしづかみにして指に力を込める、瑞希さんなりの愛情表現。

フラナ
「あうぅぅぅ」
「……」
本宮
「あのぉ、瑞希さんその辺で……」

ついであばれるフラナに見事な間接技を決める

フラナ
「ぷしうぅぅ(気絶寸前)」
佐古田
「ふふふふふ(恐怖にひきつった顔)」
「あ、あのそれがし、しつけですか?」
瑞希
「ええ、子どもにはスキンシップが必要ですよ。しっかり
かわいがってあげないと、小さい頃からずーっと鍛えてま
す」
「ずーっと」
瑞希
「教育って戦いですよ、大人と子どもの自分の意地とプラ
イドをかけたバトルです。子どもをしつけようと思ったら、
自分がまず強いことを示さないと」
本宮
「その考え方にも一理ありますけどね……」
「まぁそういえなくもないような」
瑞希
「これが私の教育方針です(キッパリ)。でも最近の子どもっ
てか弱いですね。私がもっと鍛えてあげないと」
本宮
「いや瑞希さんのしつけではちょっと」
瑞希
「ちょっと?(にっこり)」
本宮
「いえ、あのその」
瑞希
「そういえば本宮君最近どぉ」
本宮
「ふっ普通です」
瑞希
「悩み事とかあったら何でも相談にのるわよ。特に運動不
足とか。ねぇ」(悪魔の微笑)
本宮
「ひっ、ひいぃぃ」

首絞めがもとみーに炸裂、三秒待たずにもとみーダウン。

瑞希
「もぉ手応えないなぁ。鍛えなきゃだめだぞぉ」
佐古田
「(顔面蒼白)」
「(上に同じ)あの、瑞希さん」
瑞希
「はい?」
「ぶしつけですがご趣味は……」
瑞希
「ええプロレス観戦や格闘技の練習とかですね」(にこにこ)
「ははははは(乾いた笑い)」
瑞希
「そうですねぇ、例えば……あ、佐古田君ちょっと立ってね」
佐古田
「!!」

佐古田に後ろ回し蹴り(フェイント同時攻撃) 炸裂、生命力判定もむなしく
 ガー○スかい)あわれ佐古田撃沈。

瑞希
「こんな感じですね、でも私もまだまだ修行が足りないなぁ。
うまく手加減できないのがネックですね」
「……(許せ、佐古田)」
瑞希
「あれ、どうしました。お顔の色がすぐれませんよ」
「いえ、ははははははははははははははは」

趣味のいい南向きの和室、にこやかに笑う瑞希。周りには三人の男がのびている。顕はむなしく乾いた笑いを響かせていた。

「(とんでもない人と知り合いになってしまった)」

と、ゆーわけで以下次号!

後書き

久美子
「なんか瑞希がとんでもない人になってる」
久志
「いいじゃん私生活と同じで」
久美子
「ふふふふふふふふふ」
久志
「ああうぅぅぅ」
久美子
「まるでそのものじゃないよ」
久志
「自分をもとにしてるからねぇ」
久美子
「あんたもね」
久志
「はぁううう」
久美子
「実際、本宮君も実物のモデルがいるしね」
久志
「参加はしないみたいだけど。sfさんこんなエピソード
ですがどうぞよろしく」
久美子
「瑞希さんのうちは適当にきめちゃいましたが、そらじゃ
困るとかいうとこがあったらいってください。長々となり



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