エピソード393『盗聴機ってそんなに長いこと動くもの?』


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エピソード393『盗聴機ってそんなに長いこと動くもの?』

「わたし、盗聴とか、ああいった”インケン”なこと嫌い なんですよねー」
竜胆
「そうよね、ああいうことするのって最低よねー」
観楠
(聞き耳モード)

後日……

観楠
「尊さんの写真なら、頼めば撮らせてくれるんじゃないか なぁ……尊さん、盗聴とかあんな陰湿なやつ嫌いだって言ってたよ?」
琢磨呂
「むぅ……本人に嫌われては、もともこも無いなぁ。どう したものか」
観楠
「素直に盗聴機はずせば?」
琢磨呂
「いや……付けたことは付けたけど、もう動かん」
観楠
「は?」
琢磨呂
「引越しのときに、引越し屋のバイトを買収して付けた物 だ。リチウム電池といえどもそう長く持つものではない。電源直結型はばれやすいし、引越しのバイトごときに簡単に付けられるものじゃない」
観楠
「じゃぁ……」
琢磨呂
「見つかったらまずいよなぁー。何とかして家に入れても らえる方法を考えないと……」
観楠
(苦悩するなら最初からやめときゃ良いのに……)
琢磨呂
「てんちょー、なんか言った?」
観楠
「え、いや、そんなにリスクが有るなら止めておけば……」
琢磨呂
「5秒だけ、俺の手のひらを凝視せよ」
観楠
「は?」
琢磨呂
「(謎の写真を出す)」
観楠
「(絶句)」
琢磨呂
「とまぁ、ある程度行動パターンが分かったら、こういっ た写真を撮るのもさほど難しいものではないということだ。さて……麗衣子が怒りそうだし、本気で嫉妬されたくないし、さっさとネガを売ってしまおう」
観楠
「(まだ赤面中) そ、そんなすぐに売っちゃうのに、それ だけのリスクを……」
琢磨呂
「何、壁は破りにくいからこそ破りたくなるもの……って 言うこった。趣味だよ、趣味。安心してくれ、店長。このネガで尊さんに迷惑はかけねぇよ。まさか、俺がこんなちゃちいもので脅しやゆすりをかけるような人間にもみえんだろ?」
観楠
「……」
琢磨呂
「おいおい、ここで沈黙されたら俺の立場ねーだろが(笑)」
観楠
「……」
琢磨呂
「どーした店長、下痢か?」
観楠
「琢磨呂君、そのプリント一枚くれない?」



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