〜登場人物〜
大門喬(だいもん・たかし) しがない会社員
炎野火虎左衛門(えんの・ひこざえもん) 特撮好きの大学生
吹利のとあるゲーセンで……
ウォーザードの1P台でパスワードを入力する大門喬。
- 喬
- 「ああっ、何故にレベル8? 私のレベル30の
-
- ムクロはぁぁぁぁぁ!!」
- 火虎左衛門
- 「パスワードをミスりやがったか(くっくっく)」
- 喬
- 「爆龍昇が出ないぃ(泣)
-
- 勿体無いから一応遊んどきますが……(しくしく)」
- 火虎左衛門
- 「俺、ダイナマイト刑事やってくる」
10分後……
- 喬
- 「うう…… よりにもよってハウザーで散るとは(泣)」
- 火虎左衛門
- 「ああ、あの時パンチさえ押していれば……(泣)」
- 喬
- 「もう帰りますか?(脱力)」
- 火虎左衛門
- 「その前に…… アレ、何だ?」
火虎左衛門が指差す先にある対戦台。
あまり人気がないのかデモが延々と流れ続けている。
- 喬
- 「ああ、ストリートファイターEXですか。
-
- ここにも入荷されたんですねぇ」
- 火虎左衛門
- 「そうじゃないっ!! あのガイコツ野郎だ」
- 喬
- 「スカロマニアっていうキャラです。
-
- 悪の戦闘員みたいですが、正義の味方なんですよ。
-
- ……遊んでみます?」
- 火虎左衛門
- 「無論だ」
2分もしないうちにステージ1で散る火虎左衛門。
おもむろに出したスカロスライダーをガードされては、
投げられまくっていたのだ。
- 火虎左衛門
- 「ちょっと待てーい!!
-
- 難しすぎやせんか、おい!!」
- 喬
- 「下手ですねぇ、ちょいと私に貸してみなさい。
-
- いいものを見せて差し上げますから」
火虎左衛門をどかせて、コインを投入する喬。
趣味なのかキックカラーの赤スカロマニアを選択。
小パンチ*2 レバー前 小キック 大パンチ
拳を光らせ敵に突っ込むスカロマニア。
敵に接触するや否や次々に現れる特撮物のようなヒットシーン。
そして敵に背を向け「悪は滅びろ!」と決めポーズを取る。
その一連の動作は火虎左衛門のハートを鷲づかみにするのに
十分すぎるインパクトであった。
- 火虎左衛門
- 「うおぅ、なんだこの必殺技はっ? カッコ良すぎる。
-
- 今までにない乱舞技だな、オイ。
-
- しかも決めポーズのオマケ付き! くぅ〜っ!!」
- 喬
- (うう…… いちいち叫ぶなよぅ、恥ずかしいな(汗))
-
- 「でもって……」
次々と見せ技を披露する喬。
それに徹したためか、全力なのか、結局はステージ4で力尽きる。
で、その帰り道……
- 火虎左衛門
- 「いやあ、期待以上のキャラだったな。
-
- あれくらいの衣装だったら簡単に縫えるし」
- 喬
- 「は?(汗)」
- 火虎左衛門
- 「必殺技だって、やって出来ないこともないしな」
- 喬
- 「お、おい。ちょっと待ちなさいオマエ。
-
- アレのコスプレでもするつもりですか?(大汗)」
- 火虎左衛門
- 「ヘッド、クラッシャー、スライダーはいいとして、
-
- スカロダイブは烈火翔の推進力で方向転換できるし、
-
- 問題はスカロトカチェフか……
-
- 機械体操部やってた頃ならなぁ」
- 喬
- 「って、食らう方がオマエの遠心力を支えきれませんよ。
-
- それに一つお願いしますが……」
- 火虎左衛門
- 「なんだ?」
- 喬
- 「そのカッコをしたとき、私に声かけないでくださいね。
-
- 絶対に、ですよ」
烈火翔【れっか・しょう】《術》
炎野流操炎術の一。
炎を爆発力に変え、それを推進力にして空中ダッシュをする技。
因みに烈火翔とは火虎左衛門の命名。
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