エピソード402『君の名は……?』


目次


エピソード402『君の名は……?』

〜予告〜
 (予告編のテーマ)

テロップ
「あの夏和流君に恋人!?」
女の子
「ね、あたしとつきあってみない?」
夏和流
「……はぁ!?(汗)」
テロップ
「今回こそ彼に春は訪れるのだろうか?」
テロップ
「恋の裏には嫉妬と涙!」
「うぉのれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!(怒)」
テロップ
「燃え上がる三角関係!(笑)」
みのる
「……なにか違う」
NA
「次回! 狭間さまよえるもの達−吹利奇譚−。
『君の名は……?』をみんなで読もう!」
女の子
「女にはヒミツが多いものヨ☆」

〜本編〜
 ある日の休日

みのる
「……おぃ」
夏和流
「なに?」
みのる
「たまの休日だからってんでつきあってやってるんだが
 ……俺はなにやってるんだ?」
夏和流
「僕の手伝い」
みのる
「ほほぅ……」
夏和流
「もうすぐ新学年だし、そろそろ彼女の一人くらいいて
 も良いと思うんだ」
みのる
「……で?」
夏和流
「やっぱり、待ってるだけで彼女ができるーなんてのは
 漫画だからね。自分から行動しないと(燃)」
みのる
「その結果が……ここで女性に声かけまくってるという
 わけか?(怒)」
夏和流
「出会いが多いなら確率も高くなる!!(燃)」
みのる
「……なら、なんで俺がいる必要があるんだ!?」
夏和流
「一人だと心細いじゃないかぁ」
みのる
「……わかった、好きにしろ。俺は帰るからな」
夏和流
「みのるぅ〜〜(汗)」
「いいかげんにしてよっ!!(怒)」
夏和流
「そんな、怒らなくても……」
みのる
「俺じゃない」

首をめぐらせると、2人連れの男女が言争いながらこちらへやってくる

「あんたなんかキライだって言ってんの!!」
声2
「だから、ちょっと待てって!」
みのる
「カップルの言い争いか。あんまり見るもんじゃない」
夏和流
「……あの女の子、同い年くらいかなぁ」
みのる
「こっちに来るな。よけてろ」
夏和流
「結構可愛いと思わない?」
女の子
「いい? 金輪際あたしにつきまとわないでよね!」
「ちょっ……待てったら!(汗)」

(どんっ)

女の子
「きゃっ(驚)」
夏和流
「うわっ(汗)」
女の子
「ちょっと、何処見て歩いてんの!」
夏和流
「ぶ、ぶつかってきたのはそっち……(汗)」
みのる
「だから言ったろうが……」
「おい、大丈夫か?」
女の子
「うるっさいわねぇ……(夏和流と目が合う)」
みのる
「ほら、行くぞ夏和流」
女の子
「……ちょっと、何処行くのよ!」
みのる
「なんだ?」
女の子
「遅いじゃない、ずっと待ってたのよ!?」
夏和流
「待ってた……って?」
女の子
「あなたよ。他にいないじゃない」
夏和流
「他に、といわれましても……(汗)」
「おいお前……なんだよ?」
夏和流
「何って……(汗)」
女の子
「あたしの彼氏よ(きっぱり)」
夏和流
「……だそうです……って、えぇえ!?(動揺)」
「そ、そんな嘘ついてんじゃ……」
女の子
「あら、ホントよ。ね?にこっ)」
「じゃぁ、そいつの名前言ってみろよっ(怒)」
女の子
「あんたに言ってもしょうがないでしょ! ねぇ、行き
 ましょっ(夏和流の腕を取り歩き出す)」
みのる
「……おい、どうなってるんだ」
夏和流
「さぁ……僕にはなにがなんだか(汗)」
女の子
「(小声)いいから、黙って歩く! ねぇ、これから
 何処連れてってくれるの?」
夏和流
「ど、何処が……」
女の子
「(小声)話合わせて! とりあえず、いつものところ
 いかない?」
夏和流
「(小声)うん、わかった……。
 そーだね、そうしようか(内心汗)」
女の子
「あそこの紅茶、美味しいのよねぇ」
夏和流
「そーだね、そうしようか(内心汗)」

夏和流、女の子に引きずられるように去っていく。

みのる
「……なんだったんだ」
「こ、こんな馬鹿な話が……(呆然)」

喫茶店にて

女の子
「……(紅茶を飲んでいる)」
夏和流
「……」
女の子
「……(紅茶をのんでいる)」
夏和流
「あの……」
女の子
「あーっ、やっぱりここの紅茶が一番ね(笑)」
夏和流
「……」
女の子
「さて、落ち着いた所で……あなた、誰?」
夏和流
「だ、誰って(汗)」
女の子
「なんてね、冗談よ冗談(笑)」
夏和流
「あまり笑えない……」
女の子
「ごめんね、なんか巻き込んじゃって」
夏和流
「……あの、聞いていいですか?」
女の子
「なに?」
夏和流
「あの男の人は……その」
女の子
「あぁ、いいのいいのあんなやつ(笑) はっきり言って
 メイワクだったのよね……嫌いだって言ってんのにしつ
こくつきまとうんだもの」
夏和流
「はぁ……」
女の子
「……ねぇ、あなた名前は?」
夏和流
「あ、か、夏和流。三河夏和流」
女の子
「カワル、変わった名前ねー……どんな字書くの?」
夏和流
「夏、和やかに流れる」
女の子
「ふぅん……それでカワル君か(微笑)」
夏和流
「(この子、笑うとかわいいな……)」
女の子
「……唐突だけど」
夏和流
「?」
女の子
「あたしとつきあってくれない?」
夏和流
「はぁ……で、でもいきなりそんな見ず知らずの人と
 つきあうだなんて(汗)」
女の子
「じゃぁ、いまから知り合えばいいじゃない(笑)」
夏和流
「そりゃそーだけど(汗)」
女の子
「ね、年は?」
夏和流
「16。もーすぐ17」
女の子
「じゃ、あたしと同年ね(笑) 今度2年でしょ?」
夏和流
「ということは……」
女の子
「あたしもよ(笑)」
夏和流
「学校は?」
女の子
「西生駒高校よ。三河君は?」
夏和流
「吹利学校……高等部」
女の子
「へー……けっこ良いとこじゃない(感心)」

その後しばらく、表面上は普通のカップルと変わらない会話が続き
 やがて。

女の子
「さてと。どう三河君? お互いの情報も交換したし
 あたしとつきあってくれるかしら?」
夏和流
「それは……」
女の子
「なによ……まだ不満があるの?」
夏和流
「やっぱりヘンだよ。今日いきなりあって、なりゆき
 まかせでつきあおうなんて。お互いを充分しってから
 の方が……」
女の子
「なら、いまからそうすればいいじゃない。おためし
 期間ってやつで。気にいらなければ別れればいいんだ
 から」
夏和流
「それは……そうかも知れないけど!」
女の子
「じゃ、そういうことで(笑) 今度の休みにまた会っ
 もらえる?」
夏和流
「い、いいけど……」
女の子
「まだなにか?」
夏和流
「名前……まだ聞いてない」
女の子
「あ、そーいえば(笑) はやく言えばいいのに(笑)」
夏和流
「(なかなか聞けなかったんだい)」
女の子
「アヤ、スズキアヤ。これでOK?」
夏和流
「う、うん……」
アヤ
「じゃ、私用があるからこれで……また今度の休みに」
夏和流
「うん……」

その夜・電話にて

夏和流
「……とまぁ、そういうわけなんだ」
みのる
『それで、おまえはどうなんだ?』
夏和流
「どうって言われても……」
みのる
『なにか違う、とか思ったんだろ?』
夏和流
「うん……」
みのる
『でもまぁ、考え様によっちゃ、お前の目的は達成
されたんじゃないか』
夏和流
「……それもそーか」
みのる
『いいじゃないか。前向きに考えろ。じゃぁな』
夏和流
「あ、おぃ、みのるぅ!……切られた(汗)」

しばらく悩む……

夏和流
「スズキ……アヤさんかぁ……あ、どんな字書くのか
 聞いてなかった」



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