日付は1/27、いつものようにのどかな時間の流れるベーカリー楠。
閉店までは30分、店内には珍しく常連の姿も無く、このまま穏やかに一日が終了するかと思ったのだが……。カラン、コロン
- 緑
- 「いらっしゃいませ」
- 観楠
- 「いらっしゃい尊さん」
- 琢磨呂
- 「よう。尊さんじゃねーか」
- 尊
- 「こんにちは観楠さん緑ちゃん(にこっ)、それに琢磨呂君」
- 琢磨呂
- 「なー、尊さぁーん」
- 尊
- 「なに?」
- 琢磨呂
- 「おれには「にこっ」はないの?」
- 尊
- 「欲しい?」
- 琢磨呂
- 「無料ならね」
- 尊
- 「(にこっ)」
- 琢磨呂
- 「ぐ………素直にやられると反応に困る(T_T)」
- 尊
- 「それはそうと………ね、緑ちゃん緑ちゃん」
- 緑
- 「何でしょう?」
- 尊
- 「今日バイト終わった後、暇?」
- 緑
- 「えっ?ええ、暇、ですけど……」
- 尊
- 「じゃぁさ、あたしとデートしない?」
- 観楠
- 「え………(琢磨呂の目を見る)」
- 琢磨呂
- 「げ………(観楠の目を見る)」
- 2人
- 「えぇえぇぇえぇっ!?(大汗)」
- 緑
- 「えっ……あの……その……それは」
- 尊
- 「(手を握って見つめる)ね、行こ(くすくす)」
- 緑
- 「その……あの……えっと(赤面っ)」
- 琢磨呂
- (・o・) ←目が点
- 観楠
- 「みみみみみみみ、尊さん!」
- 尊
- 「なんで観楠さんがそんなに慌てるんですか?(笑)」
- 観楠
- 「い、いや、それは……女の子同士なんて……それはちょっとま
-
- ずいんじゃ(大汗)」
- 尊
- 「そんなに慌てなくても、デートは冗談ですよ、冗談(くすくす)」
- 観楠
- 「へ?」
- 緑
- 「(ほっ)」
- 尊
- 「でも、緑ちゃんを誘いに来たのは本当よ(笑)」
- 観楠
- 「?」
- 尊
- 「ほら、これ見てください」
尊は一枚のチラシを取り出した。
チラシには「バースデーセール」の文字と「バースデープレゼント」
「スーパージャンボパフェ」の文字が躍っている。
- 観楠
- 「何々……ふうん『誕生日にご来店の方にスーパージャンボ
-
- パフェをサービス』か、駅前の喫茶店の広告ですね、尊さん
-
- 今日誕生日なんですか?」
- 尊
- 「ええ、で、そのジャンボパフェを食べに行こうと思ったん
-
- だけど、さすがに一人じゃちょっと食べきれそうに無いか
-
- ら、誰か一緒に行かないかなって、誘いに来たんです」
- 緑
- 「そんなに……凄い……量なんですか?」
- 尊
- 「そぉなの(笑)入れ物は金魚鉢」
- 緑
- 「き、金魚鉢、ですかぁ(汗)」
- 尊
- 「まず下半分はフルーツカクテルでしょ、その上にアイスク
-
- リームがバニラ、チョコ、ミントの三層に積み重なって、
-
- 更にコーンフレーク、フルーツと積み重なって、最後に抹
-
- 茶アイスを芯にした高さ20センチのクリームの塔がそび
-
- え立つの(はぁと)」
- 観楠
- 「う……なんだか……聞いてるだけで胸焼けしてきた(苦笑)」
- 尊
- 「ね、緑ちゃんも一緒に行こ」
- 緑
- 「はぁ……食べきれるか、判りませんけど」
閉店後。
- 観楠
- 「じゃ、緑ちゃんお疲れ様、食べ過ぎてお腹壊さないようにね(笑)」
- 緑
- 「お先に失礼します(ぺこり)」
- 尊
- 「じゃ、緑ちゃん行きましょ」
- 観楠
- 「ところで尊さん、誕生日って事は……おいくつになったんです?」
ぴた。(歩みが止まる)
ぎぎぎぎぎぎぎぎぃ。(振り向く擬音)
- 尊
- 「女の子の年はぁ『ひ・み・つ』です(にっこり)」
- 観楠
- 「(こっ、こわい^^;)」
カランコロン………尊と緑は何事もなかったかのように店を出ていった。
- 観楠
- 「あー恐かったー(ゼイゼイ)」
- 観楠
- 「あれ? 琢磨呂君?」
- 琢磨呂
- (・o・) ←目が点のまま硬直中
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