エピソード404『お誕生日はじゃんぼぱふぇで』


目次


エピソード404『お誕生日はじゃんぼぱふぇで』

日付は1/27、いつものようにのどかな時間の流れるベーカリー楠。
 閉店までは30分、店内には珍しく常連の姿も無く、このまま穏やかに一日が終了するかと思ったのだが……。カラン、コロン

「いらっしゃいませ」
観楠
「いらっしゃい尊さん」
琢磨呂
「よう。尊さんじゃねーか」
「こんにちは観楠さん緑ちゃん(にこっ)、それに琢磨呂君」
琢磨呂
「なー、尊さぁーん」
「なに?」
琢磨呂
「おれには「にこっ」はないの?」
「欲しい?」
琢磨呂
「無料ならね」
「(にこっ)」
琢磨呂
「ぐ………素直にやられると反応に困る(T_T)」
「それはそうと………ね、緑ちゃん緑ちゃん」
「何でしょう?」
「今日バイト終わった後、暇?」
「えっ?ええ、暇、ですけど……」
「じゃぁさ、あたしとデートしない?」
観楠
「え………(琢磨呂の目を見る)」
琢磨呂
「げ………(観楠の目を見る)」
2人
「えぇえぇぇえぇっ!?(大汗)」
「えっ……あの……その……それは」
「(手を握って見つめる)ね、行こ(くすくす)」
「その……あの……えっと(赤面っ)」
琢磨呂
(・o・) ←目が点
観楠
「みみみみみみみ、尊さん!」
「なんで観楠さんがそんなに慌てるんですか?(笑)」
観楠
「い、いや、それは……女の子同士なんて……それはちょっとま
 ずいんじゃ(大汗)」
「そんなに慌てなくても、デートは冗談ですよ、冗談(くすくす)」
観楠
「へ?」
「(ほっ)」
「でも、緑ちゃんを誘いに来たのは本当よ(笑)」
観楠
「?」
「ほら、これ見てください」

尊は一枚のチラシを取り出した。
 チラシには「バースデーセール」の文字と「バースデープレゼント」
 「スーパージャンボパフェ」の文字が躍っている。

観楠
「何々……ふうん『誕生日にご来店の方にスーパージャンボ
 パフェをサービス』か、駅前の喫茶店の広告ですね、尊さん
 今日誕生日なんですか?」
「ええ、で、そのジャンボパフェを食べに行こうと思ったん
 だけど、さすがに一人じゃちょっと食べきれそうに無いか
 ら、誰か一緒に行かないかなって、誘いに来たんです」
「そんなに……凄い……量なんですか?」
「そぉなの(笑)入れ物は金魚鉢」
「き、金魚鉢、ですかぁ(汗)」
「まず下半分はフルーツカクテルでしょ、その上にアイスク
 リームがバニラ、チョコ、ミントの三層に積み重なって、
 更にコーンフレーク、フルーツと積み重なって、最後に抹
 茶アイスを芯にした高さ20センチのクリームの塔がそび
 え立つの(はぁと)」
観楠
「う……なんだか……聞いてるだけで胸焼けしてきた(苦笑)」
「ね、緑ちゃんも一緒に行こ」
「はぁ……食べきれるか、判りませんけど」

閉店後。

観楠
「じゃ、緑ちゃんお疲れ様、食べ過ぎてお腹壊さないようにね(笑)」
「お先に失礼します(ぺこり)」
「じゃ、緑ちゃん行きましょ」
観楠
「ところで尊さん、誕生日って事は……おいくつになったんです?」

ぴた。(歩みが止まる)
 ぎぎぎぎぎぎぎぎぃ。(振り向く擬音)

「女の子の年はぁ『ひ・み・つ』です(にっこり)」
観楠
「(こっ、こわい^^;)」
カランコロン………尊と緑は何事もなかったかのように店を出ていった。

観楠
「あー恐かったー(ゼイゼイ)」
観楠
「あれ? 琢磨呂君?」
琢磨呂
(・o・) ←目が点のまま硬直中



連絡先 / ディレクトリルートに戻る / TRPGと創作のTRPGと創作“語り部”総本部