西山みのるの朝は早い。五時半にはきちんと目が覚めていなければならない。
- 太郎(祖父)
- 「今日もいい天気じゃのお、みのる」
- みのる
- 「……土砂降りの雨の日がですか、師匠?」
- 太郎
- 「自然ならば皆よい日じゃ、ふぉっふぉっふぉ」
- みのる
- 「……。それでは、稽古を始めましょう」
- 太郎
- 「うむ」
西山みのるの剣の稽古は祖父につけてもらっている。山田太郎という、とても安直な名だが、剣の腕は非凡である。本人によればかなり衰えたという事だが、それでもみのるより数段上で、未だ一本たりともとったことはない。
- 太郎
- 「ふむ。では、今日はここまでにしておこうかの」
- みのる
- 「……はい」
- 涼子
- 「ご飯、できました」
西山家には、現在三人住んでいる。現当主西山みのると、その祖父山田太郎。そして、とある事件でみのると知り合った女性、上田涼子である。
- 太郎
- 「うむ、涼子さんのスープは今日も最高じゃ」
- 涼子
- 「(照れ)ありがとうございます」
- 太郎
- 「今からでも遅うない、涼子さん、わしと結婚しようでは
ないか」
- みのる
- 「(箸を置き)……師匠」
- 太郎
- 「冗談じゃ、ふぉっふぉっふぉ」
上田涼子は、霊を呼びやすい体質のため、現在西山家で修行中である。
とても強力な結界であるみのるの家で、少しずつ体質改善しているのだ。
- 夏和流
- 「(外から大声で) おーいっ、みぃのぉるぅ〜」
- 涼子
- 「(時計を見て) 今日は、少し早いですね」
- みのる
- 「ああ。……では師匠、学校へ行って来ます」
- 太郎
- 「うむ」
- 涼子
- 「お弁当です。はい」
- みのる
- 「(玄関まで行き) いってきます」
- 涼子
- 「(見送って) いってらっしゃーい」
- みのる
- 「待たせたな」
- 夏和流
- 「ん、おはよ。……今日も涼子さんは綺麗だなぁ〜」
- みのる
- 「……」
- 夏和流
- 「あはは、お願いだから静かに睨むのやめて(^^;;;」
- みのる
- 「ふん。いくぞ」
こうして、日常はすぎていく……。
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