エピソード420『《道具》の管理者、西山みのるの朝』


目次


エピソード420『《道具》の管理者、西山みのるの朝』

西山みのるの朝は早い。五時半にはきちんと目が覚めていなければならない。

太郎(祖父)
「今日もいい天気じゃのお、みのる」
みのる
「……土砂降りの雨の日がですか、師匠?」
太郎
「自然ならば皆よい日じゃ、ふぉっふぉっふぉ」
みのる
「……。それでは、稽古を始めましょう」
太郎
「うむ」

西山みのるの剣の稽古は祖父につけてもらっている。山田太郎という、とても安直な名だが、剣の腕は非凡である。本人によればかなり衰えたという事だが、それでもみのるより数段上で、未だ一本たりともとったことはない。

太郎
「ふむ。では、今日はここまでにしておこうかの」
みのる
「……はい」
涼子
「ご飯、できました」

西山家には、現在三人住んでいる。現当主西山みのると、その祖父山田太郎。そして、とある事件でみのると知り合った女性、上田涼子である。

太郎
「うむ、涼子さんのスープは今日も最高じゃ」
涼子
「(照れ)ありがとうございます」
太郎
「今からでも遅うない、涼子さん、わしと結婚しようでは ないか」
みのる
「(箸を置き)……師匠」
太郎
「冗談じゃ、ふぉっふぉっふぉ」

上田涼子は、霊を呼びやすい体質のため、現在西山家で修行中である。
 とても強力な結界であるみのるの家で、少しずつ体質改善しているのだ。

夏和流
「(外から大声で) おーいっ、みぃのぉるぅ〜」
涼子
「(時計を見て) 今日は、少し早いですね」
みのる
「ああ。……では師匠、学校へ行って来ます」
太郎
「うむ」
涼子
「お弁当です。はい」
みのる
「(玄関まで行き) いってきます」
涼子
「(見送って) いってらっしゃーい」
みのる
「待たせたな」
夏和流
「ん、おはよ。……今日も涼子さんは綺麗だなぁ〜」
みのる
「……」
夏和流
「あはは、お願いだから静かに睨むのやめて(^^;;;」
みのる
「ふん。いくぞ」

こうして、日常はすぎていく……。



連絡先 / ディレクトリルートに戻る / TRPGと創作のTRPGと創作“語り部”総本部