からんころん
- 花澄
- 「こんにちは」
- 観楠
- 「あ、こんにちは……?」
花澄、後生大事に一升瓶を抱えている。
(どうして袋かなんかに入れないのだ?)
- 花澄
- 「ええと、食パン一斤下さい……あ」
からんころん
- フラナ
- 「あ、花澄さん、こんにちはっ!」
- 花澄
- 「こんにちは(にこにこ)。学校の帰りですか?」
- フラナ
- 「うん、そうだけど……花澄さん?」
- 花澄
- 「はい?」
- フラナ
- 「その一升瓶って……」
- 花澄
- 「あ、これ? 丁度季節もいいし、飲みたいなって思って」
- フラナ
- 「もしかして、強い……?」
- 花澄
- 「うーん……女の子としか飲んだこと無いけど、毎度、洗
い物担当になるくらいには強い、かな?」
- 観楠
- 「洗い物担当、ですか?」
- 花澄
- 「最後に生き残ったのが、グラス集めて、お皿片付けて、
皆に布団をかけてまわるんです(笑)」
- 観楠
- 「あ、成程」
- 花澄
- 「あら? フラナ君……それ、夕食?」
- フラナ
- 「うん。うち両親とも共働きだし」
- 花澄
- 「(少々考えて)もし良かったら、家に食べに来ます?」
- フラナ
- 「え、いいんですか?」
- 花澄
- 「ええ、勿論。酒の肴なんて作りすぎても困るから、食べ
て下さる人がいるとこっちも助かるし」
- フラナ
- 「御馳走になりまーす!」
- 花澄
- 「未成年にお酒薦めるわけにはいかないけど(苦笑)」
- 夏和流
- (羨ましそうに見てる)
- みのる
- 「なにをしているんだ?」
- 夏和流
- 「えっ? ……ああ……(少し寂しそう)」
- みのる
- 「……」
- 夏和流
- 「(花澄たちには聞こえないように)最近家も共働きになっ
ちゃってさ。誰かと一緒に食べるのにあこがれちゃって。なはは、17にもなって情けない(笑)」
- みのる
- 「なんなら、俺の家に来るか」
- 夏和流
- 「……いいの?」
- みのる
- 「一食200円だがな」
- 夏和流
- 「だぁっ、みのるはしっかりしているなぁ(笑)」
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