- 御影
- 「げ……、やられた……」
ひさしぶりの、遅い土曜の朝のことである。
御影の視線の先には、飼猫のゲロにまみれたスニーカーが……。
- 御影
- 「……洗うか。天気いいし」
庭先で靴を洗う御影。
- 御影
- 「(ごしごしごしごし)
-
- しかし、よりによってお気に入りのアップテンポに吐く
か……。ご丁寧に外側だけでなくて、中にまで吐いてるしなぁ」
- 妹1号
- 「おにーちゃんおにーちゃん、わたしのも洗って」
- 父親
- 「終わったらわしの靴磨いといて」
- 御影
- 「自分でしなさい」
- 妹1号
- 「これからおとーさんと出かけるから。帰ってくるまでに
やっといてな〜(てってけて〜)」
- 御影
- 「ちょっと待てぇっ!」
しばらくして、妹2号が外出から帰ってくる。
- 妹2号
- 「……おにーちゃん、なにそれ」
- 御影
- 「(靴を磨きながら) 見てのとおり」
段ボールの切れ端にマジックで書かれた文字いわく、
- 段ボール
- 「靴洗い、靴磨き、1足500円」
- 妹2号
- 「今月苦しいの?」
- 御影
- 「違うっ」
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