エピソード449『まいふぇいばりっと☆ミ』


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エピソード449『まいふぇいばりっと☆ミ』

某月某日・ゲームセンターにて

竜胆
「おーほほほほほほ! うかしほーだいやりほーだい☆
……ほーら、防御がなってないわよっ☆ミ」
対戦相手
「つ、強ぇ……強すぎるぞこの姉ちゃん(汗)」
竜胆
「女だと思って甘く見てるから負けちゃうのよ。出直しと いでっ! おーほほほほほほほほ☆」
剽夜
「……なに笑ってるんだか」
竜胆
「あ、更ちゃん」
剽夜
「お楽しみの所悪いが、そろそろ帰る時間だ」
竜胆
「もう? 今良い所なのに……」

画面隅に表示された勝利回数は50を越えていた。

剽夜
「……それだけ遊べば十分だろう(汗)」
竜胆
「それもそーねー……じゃ、もうちょっと待ってね。ぱっ ぱとCPU終わらせるから」

☆☆☆☆☆

竜胆
「あー、遊んだ遊んだ☆ ¥100で一時間潰れるなんて、 すんごく経済的だと思わない?」
剽夜
「それはあきりんに限って言えることだな(汗)」
竜胆
「あ、キャッチャーの景品変わってる」
剽夜
「……人に話し振っといて……」
竜胆
「ポケモンのぬいぐるみになったのね……てことは! えー と、えーとっ! あ、あった!」
剽夜
「なにが?」
竜胆
「UFO番長の名にかけて! 『ピカチュウ』、君に決めた☆ミ
びしぃっ)」
剽夜
「『ピカチュウ』?」
竜胆
「ほら、あの丸い山吹色のっ。まっててねー、すーぐに取っ たげるからねぇ〜〜」

しかし、アームは極悪設定だった。

竜胆
「あと少しなのに〜〜お金がぁ(泣)」
剽夜
「全く、無駄遣いして。どれ、私がやってみよう」
竜胆
「ムリよぉ……バネ入ってないわよ、これ」
剽夜
「まぁまぁ……お、獲れたぞ」
竜胆
「……ウソ(汗)」
剽夜
「こんなものに目の色変えてるとは……ほれ」
竜胆
「きゃーっ、更ちゃんありがとっ☆ミ」

しかし(笑)

竜胆
「更ちゃん……これ違う〜〜(泣)」
剽夜
「何が? ちゃんと山吹色で丸いぞ?」
竜胆
「これ『リザードン』じゃなぃぃ(泣) しかも丸いってア タマのてっぺんだけ〜〜(泣)」
剽夜
「山吹で丸いじゃないかっ」
竜胆
「『ピカチュウ』〜〜(泣)」
剽夜
「えーい、泣くなっ(汗) わかった、あれだなっ……と思っ たが、私も資金が底を突いた。あきらめるんだな」
竜胆
「あたしの『ピカチュウ』〜〜(泣)」
剽夜
「明日もう一度来ればいいんだっ!!(汗)」

竜胆宅にて

剽夜
「……夕飯終わってすぐ部屋にこもって……あきりんはな にをやってるんだ?」
ビィ
「あぎゃ」
シロ
「みゃぁぅ」

がらっ

竜胆
「ビィ、ちょっとおいで」
ビィ
「あぎゃっ?」
剽夜
「なにをやってたんだ?」
竜胆
「ちょっとね。ビィ、これ着てみて」
剽夜
「あきりんが……ビィにプレゼント?(大汗) 雪でも降る んじゃないだろうな」
竜胆
「どー言う意味よ。あたしだって女の子なんですからねぇ」
剽夜
「しかし、相手がビィと言うのが……」
竜胆
「……もしかして妬いてる?」
剽夜
「違うっ」
竜胆
「ふふーん(笑) で、ビィ。どぉ?」
ビィ
「あぎゃ……ぁ(悩)」
剽夜
「……これは?」
竜胆
「『ピカチュウ』っ!」
剽夜
「なるほど、ビィなら大きさも同じような物だし……着ぐ るみとは考えたな(汗)」
ビィ
「あぎゃぁ……」
竜胆
「おいで〜〜あたしのピカチュウ☆」
ビィ
「……」
竜胆
「……」
ビィ
「……?」
竜胆
「……可愛くない」
ビィ
「(がーん)」
竜胆
「違う、こんなのピカチュウじゃないぃぃ(泣)」
剽夜
「自分でやっといて言うか……(汗)」
ビィ
「あ、あぎゃぁっ(泣)」
剽夜
「あー、わかったわかった、ビィは何にも悪くないぞ」
竜胆
「ふぇぇぇぇ(泣)」
剽夜
「ぬいぐるみは明日ゲーセンで獲るんだな。それしかない だろう」
シロ
「みゃぁぅ」

(次の日)

竜胆
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ、あたしの『ピカチュウ』が いなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!(泣)」

まさにお約束(苦笑)

ベーカリーにて

からんころん

観楠
「いらっしゃ……やぁ、竜胆ちゃん。いらっしゃい(笑)」
竜胆
「どーもぉ……(どよーん)」
観楠
「ど、どーしたの?(汗)」
竜胆
「……ちょっと人生について悩みが……はぁ(溜息)」
観楠
「(う、これは根が深そう……まさかまた男にふられて落ち 込んでるとかじゃないだろーな) ま、立ってないでかけてよ。何か入れるからさ」
竜胆
「はぁ……」

なんとなく店内を見回す。
 レジのところに目が釘付けになる。

観楠
「お待たせ……コーヒーでよかったっけ?」
竜胆
「てんちょさん、あれ……は?」
観楠
「あれって、レジのとこの? あぁ、昨日帰りがけにゲー センよって、キャッチャーで獲ってきた景品(笑)
けっこ可愛いから時計抱かせて飾ってんの(笑)」

レジのわきで小さな目覚し時計を抱いて座っているのはまぎれもなく。

竜胆
「ピカチュウ〜〜(泣)」
観楠
「ど、どーしたのっ(汗)」
竜胆
「てんちょさんっ!!」
観楠
「は、はぃぃっ(汗)」
竜胆
「この子、あたしにくださぃぃぃぃぃぃぃ(泣)」
観楠
「な……なにがあったの一体(苦笑)」
竜胆
「うんって言ってくださぃぃぃぃぃぃぃぃ(泣)」
観楠
「わ、わかった、あげるあげるっ(汗)」
竜胆
「ほんとですかっ☆」
観楠
「ほんとほんと(苦笑)」
竜胆
「ありがとうございますぅ(泣)……ふふっ☆」



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