エピソード454『春の端末争奪戦』


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エピソード454『春の端末争奪戦』

春だ、人事異動の季節、結婚の季節だ。また設備投資の季節でもある……
 瑞希の勤める、○○会社にて、毎年恒例「端末争奪戦・春の陣」が始まった。
 端末争奪戦とは……自分の使う端末(この場合はパソコン)の環境をより良くするために……異動や設備投資であまった端末・部品を奪い合う……弱肉強食の戦いである……。

同僚1
「取った! このボードもらうぞ!」
同僚2
「よっしゃ! 増設ハードディスクもらいっ」
同僚3
「おーい、メモリもってくからなっ」

まるで獲物に群がるハイエナである……また、ぶんどった品々を自分の端末につなげる方もバトルである……

同僚1
「これ……型が合わないんじゃないか?」
同僚2
「かまわん、むりやりつなぐ」
同僚3
「ケーブルはずれるぞ」
同僚2
「ガムテープ巻いとけばいい」
同僚1
「それよりボンドで固定したほうがいいんじゃないか」
同僚2
「要は使えりゃいいんだ」

空恐ろしい状況が繰り広げられている……
 一方その頃、瑞希も瑞希で……

瑞希
「ねぇ、この端末ちょうだいね、ね。私が一番に目ぇつけ たんだからっ」
三本柱
「そーですね、瑞希さんの端末もう古いし……」
瑞希
「よぉぉし、この子は私の! 決めた」
三本柱
「決めたって……まだ正式には……」
瑞希
「だーめっ私のだもんっ、のう決まりなの!」
三本柱
「やれやれ……」

そして午後……瑞希指定の端末に張り紙が一枚。
 内容……この端末、5月より謎の新入社員X使用予定。

瑞希
「ちょっと……なによ……これ……」
三本柱
「えー、瑞希さん……そのぉ……端末なんですけど、急に 新人の子に使わせることになって……あの……」
瑞希
「な……な……なんでぇっ! ひっどぉい、私ずーっと前 から目ぇつけてたのにぃ。後から入ってきて、脇からかっさらうなんてそんなのあり?」
三本柱
「しょうがないんですよ、ついさっき決まったんだから……」
瑞希
「ひどいわ、差別よっ、アルバイトだからって扱いがぞん ざいずぎるわっ。なによぉ新人のくせにぃ、私の端末なんかCD-ROMもついてないのよぉ! システム開発会社にもあるまじき環境だわっ」
三本柱
「瑞希さん……落ち着いてくださいよ……」
瑞希
「おのれぇ謎の新入社員Xっ。配属されたらぜぇぇったい にいぢめてやるんだからぁっ(握り拳ぎゅっ)」
三本柱
「あーあ……(かわいそうに……謎の新入社員X……配属 前から瑞希さんに目ぇつけられて……)

ああ、謎の新入社員Xの運命やいかに……。



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