いつものベーカリー、店内には本宮、夏和流、みのるがくつろいでいる。
本宮はテーブルに向かい、何やら書きものをしている。
- 本宮
- 「うーん……今年度、クラス委員委員長に就任しました、
本宮和久です。クラス委員として各生徒の皆さんが楽しく、充実した学校生活を送っていけるよう、努力していきたいと思います……月並みかなぁ」
- 夏和流
- 「もとみーくん、何書いてんの?」
- 本宮
- 「あ、こんにちは夏和流先輩。今度の生徒総会で各新任委
員長のスピーチがあるんで、その原稿書いてるんです。なかなか思い付かなくて」
- 夏和流
- 「スピーチかぁ、たいへんだね」
- 本宮
- 「なんか、ありがちな言い回しになっちゃって……いまい
ち……」
- 夏和流
- 「内容がないよ〜なーんて」
- 夏和流
- 「『ありがち』なほうが、『ありがちぃ(あちがたい)』、
なんちって」
- 本宮・みのる
- 「……(ぴき)」
みのるが剣を抜くより一瞬早く本宮がコップを手に動いてた。
- 夏和流
- 「ひょえええぇぇぇ(小さくなっていく悲鳴)」
数秒後……夏和流はガラスコップの中に『片付けられて』いた。
何事もなかったかのように、パンをほおばるみのる。汗を一筋浮かべる観楠。夏和流を『片付けた』コップに本でふたをし溜め息をつく本宮。
- 本宮
- 「みのる先輩……」
- みのる
- 「なんだ」
- 本宮
- 「しばらく、片付けておいていいですか」
- みのる
- 「一生しまっといていい」
- 本宮
- 「……先輩……苦労してますね」
- みのる
- 「まあな」
- 夏和流
- (むぎゅううう)
そして、一同はそれぞれほんの一時の静けさを味わっていた。
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