エピソード466『最後の日』


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エピソード466『最後の日』

4月のベーカリー。

「あの、それじゃぁ店長さん」
観楠
「うん、受験。がんばってね」
「はい、がんばります(にこ)」
観楠
「緑ちゃんが居なくなると、また店が寂しくなるなぁ」
「でも、素子さんが戻ってくるんじゃありません?」
観楠
「え? あ、うん、たぶんね」
「あの、店長さん?」
観楠
「ん、なにかな?」
「受験が終わったら……また雇ってもらえますか?」
観楠
「……ああ、雇ってあげるよ」
「ありがとうこざいますぅ。それでは(にこ)」
観楠
「それじゃぁ、ね」

からんころん

観楠
「ふぅ、明日から一人で切り盛りするのかぁ」

そして翌日。

夏和流
「こんちわー」
みのる
「失礼します」
観楠
「いらっしゃい」
夏和流
「……?」
観楠
「どうしたの?」
夏和流
「……足りない……」
観楠
「えっ?」
夏和流
「『いらっしゃいませ』が一人分足りない!」
観楠
「ああ、緑ちゃんは、昨日でやめちゃったんだ」
夏和流
「えぇぇ? やめちゃったんですかぁ?」
観楠
「うん。まあ緑ちゃんも、もう受験生だからね」
夏和流
「(かすかに)……が……」
観楠
「え?」
夏和流
「美人が……一人いなくなってしまった……(T_T)」
観楠
「それはまあ……気持ちは分からなくもないけれど(でも、 そこまで悲しいものかな? それに、夏和流くんには彼女がいたんじゃ……?)」
夏和流
「あああ、悲しいぃぃぃぃ!」
みのる
「少しだまっていろ(ざくっ)」
夏和流
「はぅ……(ばたっ)」



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