エピソード468『戦闘しちゃうぞ』


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エピソード468『戦闘しちゃうぞ』

バタバタバタ

直紀
「し、しつっこい〜っ! なんなのよ、あいつらぁ(怒)」
男A
「おい、そっちいったぞ!」
男B
「この先は……屋上だな。追い詰めたぞ!!」
バタンッと屋上への扉を開ける。オフィスビルの屋上には幸い先客の姿は無く息つく暇もなく追手はやってくる。

直紀
「(はぁはぁ) ちょっと……あたしに何の用よ! いきな り追いかけ回すってのは、ゴーインすぎるぞ(怒)」
男A
「さ……さんざん手間ぁ掛けさせやがって……!(ぜいぜぃ)」
男B
「まぁ、いいじゃないか。ここじゃ逃げられ様もないだろ」

たしかに……小さい屋上は周りをフェンスで囲まれていて、フェンスを越えたとしても隣のビルとは高低差があり、とてもじゃないが飛び移れない

男B
「さて……我々とご一緒して貰いましょうか? 柳さん」
直紀
「名前は知ってるワケね。ってことは……あんまり楽しい お誘いじゃないだろーな(はぁ)」
男A
「さっさと来いってんだよ!(手首を掴む)」
直紀
「いっ、痛いじゃないのよっ!」

ぱぁんっとあいた手で平手をかます。小気味良い音が響いた。
 男は攻撃に出るとは思わなかったのか、手を離す。

男B
「あまり手間を掛けさせないで貰いたいな。なるべく無傷 で連れていきたいんですよね、私としては」
直紀
「ワケのわかんない事で手荒なまねされたら、しょーがな いじゃないの!」
男A
「ここ……この女ぁぁぁっ!! 早くかっぱっちまおーぜ!
少々傷物になったってしょーがねーよっこの女じゃ(怒)
懐から刃物を取り出す)」
男B
「まあそう怒るな。問題の能力も使える状態じゃないしな、 可愛い抵抗じゃないか……」
男A
「(にやっ) そぉーだよな、あの能力の持ち主って聞いて たからどんな奴かと思ったけど……こぉんな小娘だもんなぁ」
直紀
「……ふんっ(くぅ〜っ!! くそうっ! こんな事ならお 昼にエビアン飲まなきゃ良かったわよ。でも……どーしよう)」
男B
「さて、一緒に来て貰いましょうか」
男A
「(にやにや) 今素直に来れば、傷物だけはカンベンして やるぜ」
直紀
「(や、野郎ぉ!!)……そう、ね」

その言葉を肯定と取ったのか、じりじり近づいてくる。

男B
「素直にいうことを聞いていただけて嬉しいですよ」
男A
「(刃物を手のなかで弄びながら) けっ、最初からそーす りゃいーんだよ!」
直紀
「(もう……少し)」

サッと刃物を掴むと、急いで距離をとる。

男B
「……何をする気です? 刃物を取っただけで勝ったと思 うのは少し早計ですよ」
男A
「ぜんぜんド素人だな。構えがスキだらけだぜ」
直紀
「あんた達がどれだけあたしの事調べたかしんないけど、 今からこの刃物でどーすると思う?」
男B
「なにをしようと無駄ですよ。おとなしく一緒に来るのが 身のためですよ」
男A
「さっさと来いって言ってんだよ!(ずいっと前にでる)」
直紀
「刃物を取ったのはね……こーするためよっ!」

ザスッっと刃先を腕にあて横に引く。そこから流れ落ちるはずの血液は重力に逆らって空中に停止している。

直紀
「(い……いったぁ) これだって水なんだからね……いっ くぞぉー!!」
男B
「まずい! 離れろ」
男A
「う、うわぁぁっ!!(焦)」
直紀
「(ズキズキ) こちとら、元手が掛かってんだからねっ!」

血液が散弾状に相手につき刺さる。先端が尖ってはいないので殺傷能力はないが、至近距離で食らえばひとたまりもない。

男A
「ぐっ……がぁっ!!」
男B
「ゲホッ……ぐっ……!」
直紀
「(するすると血液が傷口に戻ってゆく) 死んでないよねぇ ……うん、大丈夫みたい。しっかし何だっつーのよ。この人達」



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