エピソード「再会!?(仮)」===========================ラブレター騒ぎが終って、次の週のことである。吹利学校大学部の学食で、行き合わせた大学院生と学部学生がそれぞれ一人。東南アジア系の女性ユラと、ごく平凡な日本人青年豊中。………いや、まあ、両方とも日本国籍ではあるのだが。
- ユラ
- 「ねぇねぇ豊中、あんた、一が入院したって聞いた?」
- 豊中
- 「へ?いや、聞いてないですよ。しかしあいつのことだ、
-
- どうせまたバイトじゃないんですかね」
- ユラ
- 「それがどうやら違うみたい。拝み屋バイトの方の怪我
-
- だって」
- 豊中
- 「ふ〜ん」
興味なさそうな豊中。というよりもこの場合、カレーの中の肉をカウントするのに忙しいだけである。
- 豊中
- 「ポアソン分布………」
- ユラ
- 「あのねえ(^_^;)。見舞にでも行ってやる?」
- 豊中
- 「一の見舞? まあ、行ってもいいけど、あいつの見舞に何
-
- 持ってきます? 食い物はやめとかないと」
- ユラ
- 「甘いものは特に(笑)」
- 居候
- 『ありゃ、あのデカイのは甘いものが好きだと思っとったん
-
- だが』
- 豊中
- 『だから持っていかないんだろうが』
鬼である。ちなみに、ユラの人の悪い笑みを見れば、ユラもまた同じことを考えているのは考えを読むまでもなく分かる。
- 豊中
- 「じゃ、何にします?特製ハーブティ?」
- ユラ
- 「それもいいわね。それとやっぱり、お花じゃないの?」
- 豊中
- 「(一瞬想像してから)似合わね〜(笑)」
- 居候
- (爆笑)
- ユラ
- 「似合わないけど、ね(笑)」
- 豊中
- 「う〜ん、じゃ、ユラ、そっちは俺がどっかで買いますよ。
-
- っちゅうわけでハーブティの調合はよろしく」
- ユラ
- 「OK」
片手拝みにする豊中に、ユラはにこやかに応える。このにこやかさが、結構恐い。が、豊中はコメントを控えた。居候も、『沈黙は金』という言葉を思い出した。そして、講義終了後。一旦、吹利本町のアパートに戻った豊中は、大学に戻りがてらアニメイト吹利に立ち寄り、漫画の新刊をチェック。目当ての本がなくて手ぶらで出てきて、斜め前の小奇麗な花屋に気がついた。ウィンドウには、『FLOWER SHOP Miko』の文字。$$
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