エピソード488『当代大学生食糧事情』


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エピソード488『当代大学生食糧事情』

ベーカリー楠。昼下がり。大学生が数名たむろしているところに。
 からころん
 花澄が珍しく飛び込んでくる。

花澄
「こんにちは。食パン二斤、それとサンドイッチふた…… いえ、三つ下さい(早口)」
観楠
「はい。……どうしたんですか、そんなに急いで」
花澄
「ええ、ちょっと……まったく、最近の大学生ときたら」
観楠
「はい?」
花澄
「いえ……(苦笑) すみません、さっき友人から電話があっ て話してたら食事のことになって」

回想

花澄
「忙しいって……まさか何も食べてないんじゃ」
友人N
「まさかっ! ちゃんと食べてるよ!」
花澄
「じゃ、昨日何食べたか言える?」
友人N
「もやし」
花澄
「……もやし? まさか、それだけってことは」
友人N
「ないよ」
花澄
「そうだよね、いくらなんでも(安堵)」
友人N
「ちゃんと、ごま、かけたもん(大威張り)」
花澄
「全く、情けないったら。一人暮らしなんて結局どこかで 人に迷惑かけるんですから、せめて心配くらいさせないでほしいですよね」
観楠
「それで、差し入れですか(苦笑)」
花澄
「取りあえず。後は向こうで作ろうと思って」
「……(汗)」
豊中
「……何か言われてるぞ」
花澄
「そう思いません、一さん、豊中さん?」

くるっと振り向きざま、の攻撃である。

「え、あ、あ、そうですね(汗)」
花澄
「(じーっ)…… 一さん、ちゃんと食べてます?」
「え、そりゃ、ちゃんと食べてますよ(乾いた笑い)」
花澄
「なら、いいんですけど……ごめんなさい、変なこと聞い て(ぺこり)」

からんころん

豊中
「妙な見栄を張らなくても……」
「うう……」



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