エピソード492『お好み焼きぱぁてぃ!?』


目次


エピソード492『お好み焼きぱぁてぃ!?』

登場人物

斎藤瑞希
ぱわふりゃあでアバウトで豪快なお姉さん
富良名裕也
お気楽極楽少年、瑞希の弟
本宮和久
不幸な後始末人
佐古田真一
ギターで語らう男

本編

ある日、学校帰りのいつものスナフキン愛好会三人組。
 そこへ……突然

瑞希
「(ぶんぶん) おーい、そこな三人っ」
本宮
「! この声は……」
フラナ
「瑞希ねえちゃん!」
佐古田
「ジャジャジャァァァン」

そのとおり、フラナの結婚した姉、瑞希参上である。

瑞希
「いたいたぁ、あんたらやぁっと、見つけた」
フラナ
「な、な、なに、なんか用? 瑞希ねえちゃん」
瑞希
「それよりさぁ、あんた達。今日暇?」
フラナ
「え……一応暇だけど……」
本宮
「な……なんでしょう?」
瑞希
「よかったらウチでご飯食べてかない」
フラナ
「姉ちゃん家……旦那さんも一緒で?」
瑞希
「今日は出張でいないのよ、一人で食べるのもなんだしね だからさ、あんた達も来なさいよ」
フラナ
「へぇそーなんだ、じゃ行くぅ! ねっもとみー」
本宮
「え、ああ、じゃお言葉に甘えて」
佐古田
「じゃぁぁん(食べる!)」

そして、そんなこんなで、斎藤宅。

瑞希
「さぁって、と。なんにしよっかなぁっと」
本宮
「あ、俺も手伝いますよ」
瑞希
「お、さんきゅ、よし決めた! お好み焼きにしよう。冷 蔵庫にキャベツあるからそいつ刻んで」
本宮
「(がさがさ) これですね……」
フラナ
「わぁいっお好み焼きぃだぁ(わくわく)」
佐古田
「じゃじゃじゃあああん(わーいの音色)」
本宮
「騒ぐなよおまえら……。それで、瑞希さん中身になんに します?」
瑞希
「んー個人的に、餅チーズ焼きが食べたいな」
本宮
「え、でも(冷蔵庫を見て)お餅ないですよ」
瑞希
「あ、お餅あるわよ(戸棚がさがさ) ほら、これこれ」

ででんと置かれたのは真空パックの鏡餅。

本宮
「これ……って量、多くないですか」
瑞希
「いいじゃない、片付かなくって場所とってたし、ちょう どいいわよ」
フラナ
「結構でかいよ……瑞希ねえちゃん」
瑞希
「だーいじょーぶ、あまっても困るし、食べちゃいましょ
どさっ)」
本宮
「なんか……いやな予感がする……」

そして……予感的中! というより……予期すべき展開。

本宮
「だぁぁっ! こいつはっ」
瑞希
「いやぁ……困ったもんねぇ」

へらを片手に吠える本宮、一筋汗を流しつつ鉄板を見つめる瑞希。
 鉄板の上にはいくつかの不定形な「もの」が散らばっている。
 無論、お好み焼きであるはずのもの……だが……形になってない。
 熱で餅が柔らかくなってしまい、動かせば動かすほど崩壊する
 ひっくり返せば最後、てんでばらばらに散らばってしまう。
 なんとかへらで破片をせっせとよせ集め形を作る……が

フラナ
「粘土細工みたい……」
本宮
「……これ……もうめちゃくちゃですよ……」
瑞希
「うーん、まぁ、ねぇ、切る手間が省けたと考えればそれ でよし」
本宮
「……そーいう考え方もありますか……」
瑞希
「いいのいいの、気合でカバーっ」
フラナ
「どーやって……」
瑞希
「焼けてればおっけい、生じゃなきゃいいのさっ」
本宮
「なんか……すっごくアバウトですね……」
瑞希
「おいしければ結果オーライなのっ」
フラナ
「むーおいしい匂いはする……けど見た目が……ねぇ(おっ かなびっくりはしをのばす)」
本宮
「待て、そっちの破片は、まだ焼けてないからこっちにし とけ」
フラナ
「うん、わーい! お好み焼き伸びる伸びるぅ」
本宮
「遊ぶなよ……お前」
佐古田
「……(無言で食べる)」

しかし、このお好み焼き見てくれは……最悪だったが……おいしかった。いや、本当に。

フラナ
「ごちそうさまぁ」
本宮
「はぁ……なんだか……すごく疲れた……」
瑞希
「でも、おいしかったでしょ。瑞希特製お好み焼き」
本宮
(……半分……俺が作ってたような気がするけど……)
フラナ
「でも……本当にお好み焼きかなぁ……あれ」
瑞希
「じゃ、変形もんじゃ焼きと考えればいいじゃない」
フラナ
「もんじゃ焼きともかけ離れてたけど……」
佐古田
「(ぼそ) お好み焼き風味焼き餅……」
本宮
「それは言うな……佐古田……」
瑞希
「ん? なんか言った?」
本宮
「(慌てて佐古田の口を塞ぐ) なんでもないです」

こうして、斎藤家におけるお好み焼き(?)ぱぁてぃは幕を閉じた。



連絡先 / ディレクトリルートに戻る / TRPGと創作のTRPGと創作“語り部”総本部