エピソード506『ドクダミ』


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エピソード506『ドクダミ』

ある晴れた日、植物園。
 荒れた花壇の手入れに、教授から学生までがかりだされている。
 このあいだ植えたチューリップの花が終ってひと月になろうというのに、誰一人手をだそうともしなかったため、花壇はいまやすっかりドクダミに占領されている。

教授
「あ、そのドクダミ、丁寧に抜くんだぞー。あとで、和漢 薬作ってるところに売るんだから」
ユラ
「え、そうなんですか?」
院生1
「あ、ユラ、おまえ実は使おうと思ってただろう?」
ユラ
「なんで私がそんなことを」
院生2
「おい、使うにしても頼むからクッキーにこれ入れるのだ けはやめろよ」
院生1
「あ、からあげに入れるのもなしだぞ」
ユラ
「いつ私がそんなことしたんですか。確かにハーブクッキー は作りましたけど」
院生1
「ああ、あれは旨かった。また作れな」
ユラ
「フリッターの衣にドライハーブとかスパイスとか入れた のも私でしたけど」
院生2
「うん、あれもなかなかだった。また作るんだよな」
ユラ
「それじゃ何も問題ないじゃないですかー!!」
院生1&2
「だってドクダミに和漢薬って聞いたとたん、目がひかっ てたぞー!!」
ユラ
「はあ……(うるさいなあ、そんなに言うなら、お茶にド クダミのしぼり汁しこんでやろうか……)」



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