ある晴れた日、植物園。
荒れた花壇の手入れに、教授から学生までがかりだされている。
このあいだ植えたチューリップの花が終ってひと月になろうというのに、誰一人手をだそうともしなかったため、花壇はいまやすっかりドクダミに占領されている。
- 教授
- 「あ、そのドクダミ、丁寧に抜くんだぞー。あとで、和漢
薬作ってるところに売るんだから」
- ユラ
- 「え、そうなんですか?」
- 院生1
- 「あ、ユラ、おまえ実は使おうと思ってただろう?」
- ユラ
- 「なんで私がそんなことを」
- 院生2
- 「おい、使うにしても頼むからクッキーにこれ入れるのだ
けはやめろよ」
- 院生1
- 「あ、からあげに入れるのもなしだぞ」
- ユラ
- 「いつ私がそんなことしたんですか。確かにハーブクッキー
は作りましたけど」
- 院生1
- 「ああ、あれは旨かった。また作れな」
- ユラ
- 「フリッターの衣にドライハーブとかスパイスとか入れた
のも私でしたけど」
- 院生2
- 「うん、あれもなかなかだった。また作るんだよな」
- ユラ
- 「それじゃ何も問題ないじゃないですかー!!」
- 院生1&2
- 「だってドクダミに和漢薬って聞いたとたん、目がひかっ
てたぞー!!」
- ユラ
- 「はあ……(うるさいなあ、そんなに言うなら、お茶にド
クダミのしぼり汁しこんでやろうか……)」
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