エピソード513『悪女? 参上』


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エピソード513『悪女? 参上』

かつかつかつ
 もうすっかり夜、ヒールの音を響かせながら、帰宅途中の瑞希。

瑞希
「あうぅ、遅くなっちゃったな……」

そこへ……

不良1
「ねーちゃんよぉ」
不良2
「なぁ、待ってくれよぉ」
不良3
「遊んでこーぜ」
瑞希
「およよ?」

何時の間にか、高校二〜三年くらいの不良三人が目の前に立ちはだかってる、これはまずい。
 しかし、そこは天下無敵の瑞希姉ちゃん。
 開口一番……

瑞希
「んー? なぁんだ、三流量産型不良君達か(どキッパリ)」

ずでででっ! 
 こける不良一同。
 ひでぇ……これはひどい

不良1
「な……な……なんだとぉ(怒)」
不良2
「い、言うに事欠いて!」
不良3
「三流だとぉ」

怒り狂う不良三人、無理も無い。

瑞希
「なんだぁ、ついてないなぁ。よりによって三流不良に声 かけられるとは」
不良1
「このぉ、てめぇ聞いてんのかっ」
瑞希
「これが花咲き乱れる美少年ならまだ救われたのに……」
不良2
「美少年ならいいんか……あんた……」
瑞希
「そうねぇ……美少年だったら、快くお茶とケーキおごら せてバイバ〜イするくらいしてもいいかな(問題発言)」
不良3
「なんちゅー自己中心な……」

じゃ、お前らはなんなんだ……三流不良……

不良1
「と、とにかくよぉ。ねーちゃん、俺達暇なんだよ、遊ん でこうぜ」
不良2
「よく見りゃきれーな顔してんじゃん、俺達とお似合いだ よなぁ」

にやにやといやらしい目ですごむ不良達。しかし……

瑞希
「はぁ? じょおだんっ! あたしの男の基準はエベレス トより高いのよ、あんたら三流不良じゃ、砂場の山にもならないわよ(どキッパリ)」

ぐさぁっ! 
 なんちゅー容赦ない言葉! これは痛い、痛すぎる

不良一同
「う……」

あまりの言葉に一瞬絶句してしまう三流不良達。

瑞希
「悪いけど他あたってよ、じゃねっ」
不良1
「……て……てめぇ、馬鹿にしやがって、待ちやがれ!」

なんとか立ち直った不良1、歩き出そうとした瑞希の肩をつかむ……がぱしっ! 

瑞希
「気安く女の体触んな! 三流!(めちゃくちゃドスのき いた声)」
不良1
「……ひっ……」
瑞希
「あんたねぇ……マナーってもん知らないの?」

ずいっと不良にすごむ瑞希。

瑞希
「あのね……いっぱしの男として見てほしかったら」

くいっと不良1のあごを三つ指でつかむ。

瑞希
「(きりっと真顔になって) もっと、中身を磨いといで」
不良1
「あ……わ……」

すいっと顔を近づける。

瑞希
「そしたら、お茶くらいおごらせたげるわよ、ね」

くすっといたずらっぽく笑う。

不良1
「は……い……(真っ赤)」

不良1をはなし、さっきとうって変って子供のような笑みになる瑞希。

瑞希
「ふふ、そこで照れるようじゃ、まだまだ子供だぞぉ〜」

つんつん、と不良1の鼻を人差し指で軽くつつく。

不良1
「え……あ……は……はい……(耳まで真っ赤)」
瑞希
「じゃね、ばいばいボーヤっ! ちゅっ」
不良達
「え、え、え(真っ赤)」

投げキッスひとつ、呆然とした不良達を残して、その場を去っていく瑞希。
 悪女だ……



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