かつかつかつ
もうすっかり夜、ヒールの音を響かせながら、帰宅途中の瑞希。
- 瑞希
- 「あうぅ、遅くなっちゃったな……」
そこへ……
- 不良1
- 「ねーちゃんよぉ」
- 不良2
- 「なぁ、待ってくれよぉ」
- 不良3
- 「遊んでこーぜ」
- 瑞希
- 「およよ?」
何時の間にか、高校二〜三年くらいの不良三人が目の前に立ちはだかってる、これはまずい。
しかし、そこは天下無敵の瑞希姉ちゃん。
開口一番……
- 瑞希
- 「んー? なぁんだ、三流量産型不良君達か(どキッパリ)」
ずでででっ!
こける不良一同。
ひでぇ……これはひどい
- 不良1
- 「な……な……なんだとぉ(怒)」
- 不良2
- 「い、言うに事欠いて!」
- 不良3
- 「三流だとぉ」
怒り狂う不良三人、無理も無い。
- 瑞希
- 「なんだぁ、ついてないなぁ。よりによって三流不良に声
かけられるとは」
- 不良1
- 「このぉ、てめぇ聞いてんのかっ」
- 瑞希
- 「これが花咲き乱れる美少年ならまだ救われたのに……」
- 不良2
- 「美少年ならいいんか……あんた……」
- 瑞希
- 「そうねぇ……美少年だったら、快くお茶とケーキおごら
せてバイバ〜イするくらいしてもいいかな(問題発言)」
- 不良3
- 「なんちゅー自己中心な……」
じゃ、お前らはなんなんだ……三流不良……
- 不良1
- 「と、とにかくよぉ。ねーちゃん、俺達暇なんだよ、遊ん
でこうぜ」
- 不良2
- 「よく見りゃきれーな顔してんじゃん、俺達とお似合いだ
よなぁ」
にやにやといやらしい目ですごむ不良達。しかし……
- 瑞希
- 「はぁ? じょおだんっ! あたしの男の基準はエベレス
トより高いのよ、あんたら三流不良じゃ、砂場の山にもならないわよ(どキッパリ)」
ぐさぁっ!
なんちゅー容赦ない言葉! これは痛い、痛すぎる
- 不良一同
- 「う……」
あまりの言葉に一瞬絶句してしまう三流不良達。
- 瑞希
- 「悪いけど他あたってよ、じゃねっ」
- 不良1
- 「……て……てめぇ、馬鹿にしやがって、待ちやがれ!」
なんとか立ち直った不良1、歩き出そうとした瑞希の肩をつかむ……がぱしっ!
- 瑞希
- 「気安く女の体触んな! 三流!(めちゃくちゃドスのき
いた声)」
- 不良1
- 「……ひっ……」
- 瑞希
- 「あんたねぇ……マナーってもん知らないの?」
ずいっと不良にすごむ瑞希。
- 瑞希
- 「あのね……いっぱしの男として見てほしかったら」
くいっと不良1のあごを三つ指でつかむ。
- 瑞希
- 「(きりっと真顔になって) もっと、中身を磨いといで」
- 不良1
- 「あ……わ……」
すいっと顔を近づける。
- 瑞希
- 「そしたら、お茶くらいおごらせたげるわよ、ね」
くすっといたずらっぽく笑う。
- 不良1
- 「は……い……(真っ赤)」
不良1をはなし、さっきとうって変って子供のような笑みになる瑞希。
- 瑞希
- 「ふふ、そこで照れるようじゃ、まだまだ子供だぞぉ〜」
つんつん、と不良1の鼻を人差し指で軽くつつく。
- 不良1
- 「え……あ……は……はい……(耳まで真っ赤)」
- 瑞希
- 「じゃね、ばいばいボーヤっ! ちゅっ」
- 不良達
- 「え、え、え(真っ赤)」
投げキッスひとつ、呆然とした不良達を残して、その場を去っていく瑞希。
悪女だ……
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