エピソード515『三でぶ?!』


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エピソード515『三でぶ?!』

夜。花澄の部屋。
 ぱたんと扉が開く。

花澄
「はー疲れた」

肩に背負った木霊入りの袋を降ろし、溜息を吐く。

花澄
「さてっと」

てるるるるる……袋の口を押し開けて飛び出してくる木霊より一歩先に、花澄は受話器を取った。

花澄
「もしもし?」
??
「……先輩っ! 生きてたんですねっ」
花澄
「え?!」
??
「……私の声、忘れたんですか? ひどいわっ(うるるっ)」
花澄
「え、ええーと、……あ、Y!?」
友人Y
「そうですよぉっ」
花澄
「でもよく、ここ分かったわね」
友人Y
「……(しーん)」
花澄
「もしもし?」
友人Y
「どーして、日本に帰っているならいると、連絡くれない んです(恨)」
花澄
「う(や、薮蛇……)」
友人Y
「手紙を書いても書いても返事が来ないし。あの国のどっ かでのたれ死んだかと思いましたよっ」
花澄
「うっ(汗)」
友人Y
「ご実家に連絡したら、日本にいる、って言われるし。どー して連絡くれないんです(怒)」
花澄
「ご、御免……」
友人Y
「ほんっとに先輩って、三でぶなんだからっ」
花澄
「さ、さんでぶって」
友人Y
「出不精、筆不精、電話不精、で、三でぶ、ですっ」
花澄
「ううっ(言い返す言葉も無い)」
友人Y
「とにかく、こちらの住所は……ですから。ちゃんと連絡 するんですよ」
花澄
「……はい」
友人Y
「今度、うちの子見に来て下さいね。じゃ、また」

ちん。

花澄
「(溜息)……ごはんつくろ」



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