夜。花澄の部屋。
ぱたんと扉が開く。
- 花澄
- 「はー疲れた」
肩に背負った木霊入りの袋を降ろし、溜息を吐く。
- 花澄
- 「さてっと」
てるるるるる……袋の口を押し開けて飛び出してくる木霊より一歩先に、花澄は受話器を取った。
- 花澄
- 「もしもし?」
- ??
- 「……先輩っ! 生きてたんですねっ」
- 花澄
- 「え?!」
- ??
- 「……私の声、忘れたんですか? ひどいわっ(うるるっ)」
- 花澄
- 「え、ええーと、……あ、Y!?」
- 友人Y
- 「そうですよぉっ」
- 花澄
- 「でもよく、ここ分かったわね」
- 友人Y
- 「……(しーん)」
- 花澄
- 「もしもし?」
- 友人Y
- 「どーして、日本に帰っているならいると、連絡くれない
んです(恨)」
- 花澄
- 「う(や、薮蛇……)」
- 友人Y
- 「手紙を書いても書いても返事が来ないし。あの国のどっ
かでのたれ死んだかと思いましたよっ」
- 花澄
- 「うっ(汗)」
- 友人Y
- 「ご実家に連絡したら、日本にいる、って言われるし。どー
して連絡くれないんです(怒)」
- 花澄
- 「ご、御免……」
- 友人Y
- 「ほんっとに先輩って、三でぶなんだからっ」
- 花澄
- 「さ、さんでぶって」
- 友人Y
- 「出不精、筆不精、電話不精、で、三でぶ、ですっ」
- 花澄
- 「ううっ(言い返す言葉も無い)」
- 友人Y
- 「とにかく、こちらの住所は……ですから。ちゃんと連絡
するんですよ」
- 花澄
- 「……はい」
- 友人Y
- 「今度、うちの子見に来て下さいね。じゃ、また」
ちん。
- 花澄
- 「(溜息)……ごはんつくろ」
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