エピソード519『十の受難』


目次


エピソード519『十の受難』

登場人物

一十(にのまえ・みつる)
ショートの女性至上主義者。
御影武史(みかげ・たけふみ)
人間重戦車。一十とは仕事の相棒。
小滝ユラ(こたき・ゆら)
グリーングラスの店員。一十の大学の友人。
平塚花澄(ひらつか・かすみ)
四大の加護を受けた本屋の店員。酒好き。
ビデオデッキ
アニメマニアの憑きものがついている。
豊中雅孝(とよなか・まさたか)
機械修理のアルバイト。一十の大学の友人。
小松訪雪(こまつ・ほうせつ)
骨董屋松陰堂の若主人。
キノエ
ミツルの式神。雷をあやつる。
キノト
ミツルの式神。キノエの弟。
柳直紀(やぎ・なおき)
操水術士のOL。髪はショートである。

ビデオの趣味は

ビデオ「極道の女達」完成後、数日して。次の仕事の打ち合わせに十の部屋を尋ねた御影と、テレビ&ビデオの前に座り「る゛ー」っと涙目で御影を振り返る十。

御影
「うぉっとぉ(汗) 何だ十か……わかった、事情を聞いて やるから、そのすがりつくような涙目は止めろ。気色悪くて鳥肌が立つ」
十
「ダンナ〜(目の幅血涙) 聞いてくれー直紀さんから借り たあのビデオな」
御影
「ビデオ? ……ああ、この間の『極道の女達』か」

御影を始め豪華キャスト(笑)と優秀なスタッフで作り上げた力作である。

十
「あのビデオに出てるの美人ぞろいだろ?」
御影
「ああ、確かに瑞希さんは美人だな(にや)」

ちゅどむっ! その場で自滅する十。

十
「あ、いや、それはそーなんだが(汗) お、俺が言いたい のはそういう事じゃ無くてだな(汗)」

十、何故慌てる? 。

御影
「じゃぁ何だ」
十
「と、とにかくだ。このビデオデッキに美人ぞろいのビデ オを見せたらちっとは面食いになるかと思ったんだが……思ったんだが……(瀑布涙で泣き崩れる)」
御影
「ああっ! 鬱陶しい! さっさと話せ!」
十
「(泣きながら) このデッキ、面食いにはなったんだが…… あろう事か! 『ロングヘア』の面食いになりやがった!
おかげでどの番組撮ってもロングの娘しか出てこないんだ!」
御影
「……」
ユラ
「あれどうしたの? 大の男が二人して愁嘆場?」
一
「……出やがったか」
ユラ
「……『出た』とは、なによ、人を化けものみたいに。
松陰堂さんに百味箪笥みせてもらいに来てたのよ。で? 
……ふうーん……(呆) あ、でも、直紀さんってショートじゃなかった?(ふりむいて、すぺしゃるにっこり)」
一
「えっ!? いやだからそのなんだ……(大汗)」
ユラ
「とりあえず見せて見せて(まったく聞いてない)」

きゅるきゅる、と早送りをしつつ暫く画面をみつめているが

ユラ
「(ぽむ!) そーおかぁ、和服だもんねぇ、ショートじゃ ないよね。道理だわ、確かに(爆笑)。
デッキにはヅラもオリジナルも区別のしようがないもんねぇ」
十
「な、ダンナ不幸だろ(目の幅涙)」
御影
「わし、帰るわ(呆)」
十
「ダンナ〜(涙)」

嗚呼、一十、彼の受難は続く。

教育すれども

後日。ずしゃあっとビデオデッキの前に仁王立ちの十。手には某ルートで入手した「メイキングオブ極道の女達」が燦然と輝く。

十
「今日こそ、お前の誤解を解いてやる! さあ見ろ! よ く見て、この画像を頭ん中に叩き込め!!」

問答無用でがしゃこんと、ビデオセット。きゅるきゅる早送りし、数少ないメガホンかかえて火虎左衛門らと打ち合わせしている直紀のところでストップ。一時停止を押す! 

十
「よく見ろ! この人は本当はショートなんだぁぁっ!! 
何故このキューティクルとヅラの区別がつかん! 
このまま、放置するからその姿をしっかとブラウン管に焼き付けるんだぁ」

一時間後、十が部屋に戻ると、画面はなぜか瑞希さんが御影の旦那にちょっかいだしてるシーンになっている。

十
「きぃさぁまぁぁぁ(激怒) ビデオデッキの分際で!」

再び、きゅるきゅるビデオを戻し、直紀のとこでストップ!! 

十
「これだ、これ! この姿だぁ!!  この人はロングより ショートのほうが似合うんだぁぁ!!(絶叫)」

ビデオデッキも負けてない。勝手にきゅるきゅる早送りし、今度は尊さんが髪を結い上げてる所でストップ! 

十
「ぐっ……(くそう、色っぽい)いや、負けてなるものか!  このままロング党のビデオデッキに負けてはショート党の名折れっ!(握り拳ぐぐっ)」

はてしなく続く、ビデオデッキとの死闘。そして日が暮れる。

豊中
「また、あほなことしてるな。あいつ」
訪雪
「若いっていいねえ(ずずー)」
豊中
「……これ以上、おやぢ化してどーすんです、若大家(^^;」

再度の戦い

そのまた後日。

花澄
「で、デッキに負けっぱなしなんですか?」
十
「う……」
花澄
「(汗) あ、あのですね、思うんですけど、それってデッ キに選択権を与えてるからいけないんですよ」
十
「というと?」
花澄
「『Making of 極道の女達』の、ショートの直紀さんのと ころだけ編集すればいいんです。そうすればデッキもショートを見直すと思うんですけど」
十
「……(ぽむ)」

で、次の日。

十
「ふっふっふっふっふ……(妖しい笑い)今日こそ! 
今日こそ! おまえを再教育してやる! これを見ろ! 
ばっと懐からビデオテープを取り出す)」

燦然と手に輝く以前と同じ「Makeing Of 極道の女達」……いや、今日のテープには『超絶! ショート総集編!』の文字がっ! 

十
「これにはなぁ……俺が身を削って編集した……直紀さん の……直紀さんの……(ためている)躍動美溢れるショート姿っ! がギッシリ詰められているのださぁ今こそ! その美しさをその目にしっかと焼き付け、ショートの素晴らしさに染まるのだぁぁ!」

徹夜の編集作業&興奮の余りハイ状態で自分が何を口走っているか気づいていない十。ビデオデッキを壊さんばかりの勢いでスロットにテープを叩き込む。
 がしゃこんっ!(テープセット) きゅるきゅるきゅる……(クイックサーチ中)

十
「よーし……俺の! ショートの勝利だぁぁぁっ!」

ぴた。(クイックサーチ停止)
 うぃぃぃぃぃん……がちょんっ!(テープイジェクト)

十
「……は?(汗)」

がしゃこんっ!(テープ再セット)
 うぃぃぃぃぃん……がちょんっ!(テープイジェクト)

十
「……おい?(怒)」

がしゃこんっ!(テープ再セット)
 うぃぃぃぃぃん……がちょんっ!(テープイジェクト)
 以後、数十回繰り返される、セットとイジェクト。

十
「うぉのれー! ビデオデッキの分際で〜!(泣)」

叩き壊したい衝動を拳を握り締め必死にこらえる十。がんばれ! 耐えるんだ十! 
 で、こちらは母屋。

訪雪
「ん? 十君はまた吠えてるのか……平和で結構」
豊中
「平和はいいんですけどね、うっとうしくないですか」
訪雪
「うんにゃ」

茶をすする訪雪。

訪雪
「菓子、食うかね?」
豊中
「あ、いただきます」
訪雪
「若い人には西洋の菓子の方がいいんだろうかね」
豊中
「……若大家だって二十代でしょうが(^_^;) それに、俺 はどっちかっていうと和菓子の方が好きですから」
訪雪
「それは良かった。昨日、最近見なくなった、懐かしい菓 子を手に入れてね」

奥に引っ込んだ訪雪はすぐに戻ってくる。手にした盆の上には、節一つ残して切った細い青竹2本と、古びた錐。

豊中
「それが和菓子ですか(汗)」
訪雪
「竹羊羹。昔は夜店なんかで売ってたもんだが、いまは何 処にもなくてね。京都で見つけて、つい買ってしまったよ」

竹筒の中を覗き込む豊中。

豊中
「中身はまともな水羊羹ですね。で、どうやって食べるん です」
訪雪
「まずこの錐で、節に穴を開ける」
SE
「かしゅかしゅ」
訪雪
「でもって反対側から吸い出す」
SE
「ちゅるっ」
豊中
「なんか安全面に問題のありそうな食べ方だな(汗)」
訪雪
「だから夜店から消えたんだろうなぁ……錐は洗ってあるから、 その辺は心配せずにどうぞ」
豊中
「はぁ……頂きます」
SE
「かしゅかしゅ、ちゅる」

口に竹をくわえた男が二人、向き合って座っている様はかなりシュールなものがある。

十
「ビデオデッキ風情が〜!!」

不粋な声が響く。

豊中
「あのデッキ、無料修理した方が良さそうですね(ため息)」
訪雪
「そうかね?」
豊中
「俺は、渋茶で菓子を食う時は、ゆっくり味わいたいんで すよ」

直紀来たる

直紀
「ほーせつさん、こんちはぁ! あ、おいしそーなの食べ てるー。いいな、いいなぁっ!」
訪雪
「柳さんも、どうです? ひとつ」
豊中
「ちょっと食い方にコツがいりますけどね」
直紀
「もらうですー(にっこり) こっから食べるのかな?」

ちゅるちゅると竹羊羹を食す、三人。

直紀
「(ちゅるちゅる) あ、そーだ。さっきね、ここ通りかかっ た時にすっごい声がしたよーだったんだけど?」
豊中
「(ちゅるちゅる) それって……」

豊中がいい終わる前に、遠くから

十
「くっそぉぉぉぉ!! 貴様ぁ人が下手に出ればつけあがり やがってぇぇ(ぶち切れ寸前)」
豊中
「……あんなのですか?」
直紀
「うん、あんなの。……ん? 今のって一さんの声??」
豊中
「(にやり) 柳さん、こっちこっち。面白いのが見れます ぜ(こいこい)」
直紀
「何、なにっ! 見る、見たいっ!」

とことこと、豊中の後についてゆく直紀。ついた先は言わずもがな。

十
「(はぁはぁ) も、もう我慢できん!」

一の中で何かが切れたよーだ。

十
「キノエ、キノト! 位置につけ!! 全力を持ってこいつ を排除する!!」
キノエ
「(はぁ) ま、いいけどね」
キノト
「(はぁ) もーどうでもいいか」

のろのろと位置につく。と、その時

直紀
「にっのまえさーん! 遊びに来ちゃったっ!(笑)」
豊中
「デッキ相手に何をしようとしてるんだ、おまえ(^^;」
十
「(直紀さんの声を聞いて) うわっったっっった!? なな 直紀さんどうしてこんなむさ苦しいところに?」

その言葉は、何ら誇張でも社交辞令でもなかった。万年床に、散乱するゼミ資料。昨日の晩飯はうどんだったらしく。枕元に鍋が転がっている。
 そのほか、小説一般に雑誌類が散らかり、ゴミ箱代わりのゴミ袋は溢れかえっている。

十
「キノエ、キノト足止めを頼む!」
豊中
「(苦笑)しっかり見られてから足どめしたって無駄だ、 無駄」

豊中はゼミ資料を足で除け、直紀が座れるスペースを確保。しかし……汚い。

豊中
「おい、座布団はどこだ。せっかくお越しいただいたのに 座るスペースもなしか?」
直紀
「え〜、いいですよぉ。で、一さん何してたんですか?」
十
「え〜と、まあ、その」

ささっと後ろ手に『超絶! ショート総集編!』を掴むのは忘れない。

直紀
「(きょろ) あ、この万年床を退かせば、座れるんじゃな いかな? せーっかく、いい天気なんだから干しちゃおう」

湿気を帯びた布団(たぶん)と思われる物を持つ。

十
「いや、それくらい自分でやりますから(汗)」
豊中
「(にやり) ここは、ご好意に甘えてもいいんじゃないか?」
十
「……なんだ、その『にやり』ってのはぁぁ(大汗)」
直紀
「ついでに大掃除しましょっか?(笑)」

ばさっと布団を持ち上げると、下から現れたのは古式ゆかしき昆虫、大和噛が四方に移動する。

直紀
「き……っ! っっいやぁぁぁーーー!!(ぎゅううう)」
十
「ぐ、くるし……(呼吸困難)」
豊中
「柳さん、柳さん(^^; 首にモロに入ってる(苦笑)」

15秒ほど絶叫マシーンと化す直紀。その声は母屋にも響く。

訪雪
「今のは柳さんの声か。……十君もあれでなかなか(爆)」

……何を想像した、若大家(^^;

大掃除

直紀
「(ぜーぜー)一さんっ! ぜったい大掃除しましょう!!  一さん? 寝てる場合じゃないですよっ!(ゆさゆさ)」

十がオチてしまったので豊中に頼み土蔵から引きずり出して貰い、腕まくりしつつ掃除しだす直紀。

直紀
「ここまで汚れてっと、掃除にもリキはいっちゃうわねー(笑) キノエちゃん、キノトちゃん。掃除用具ってどこー?」
キノト
「掃除機とか上等なものはないですよ?」
直紀
「ほーきとチリトリとぞーきんがあれば、まー大丈夫でしょ?  文句は言わないって(笑)」
キノト
「(ぽそっと) おねぇさんもちょっと見習ったほーが」
キノエ
「……うるさいわね(ぐりぐり)」
直紀
「むー、しかしどれを捨てていーんだか解らないなあ(^^;」

さすがに散乱してるだけはある。この中でどれが必要なのか分かるのはこの部屋の主のみ……しかし現在、主は不在だが(笑)

キノエ
「じゃ、あたし達がとりあえず入りそうなものを拾っとくっ てのはどう?」
直紀
「そーね、一さんが起きたら聞けばいーんだし」

いっぽう

十
「う……うう??」
豊中
「やっと起きたか、色男(にやり)」
十
「(がばっ!) 直紀さんはっ!?」
豊中
「あの音が聞こえんのか?(にやにや)」

土蔵の中からドタドタ走り回る音や、申しわけ程度にある窓からはひっきりなしに埃が舞っている。土蔵から、かすかにキノエ達を呼ぶ直紀の声が聞こえる。

十
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"(滝汗)」
豊中
「何だ? 柳さんに見られて困るような物でも置いてある のか(笑いを堪えている)」
十
「(はっ)そうだ、ビデオっ! ビデオは!!」
豊中
「さっき手に握ってたこれか?」
十
「(ほっ、よかった、これさえ無事なら後はなんとか……)」

ラベルを見て絶句する、十。そこには新日プロレス中継の文字が……

十
「……」
豊中
「おい、一。どーした」
居候
『何か、固まっとるぞ(^^;』
十
「だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

必死の形相で自室に戻る、十。しかし時すでに遅し!(笑)

直紀
「ねぇねぇ、キノエちゃん。これ! これ何かな??」
キノエ
「んー『夏少年』?? 何これ? どこにあったの、こんな の(^^;」
キノト
「なんか怪しいタイトル(^^;」
直紀
「床そーじしてたら、本の山んなかで見つけたの(笑)」
キノト
「それって……隠してたんじゃないかなぁ(汗)」
キノエ
「しかし……我が主ながら情けなくなってきたわ(ため息)」
直紀
「なんかAVみたいだねぇ、これ(笑)」
キノエ
「(にやり) ……直紀さん。見てみようか、これ」
直紀
「そぉうだねっ! デッキどこ? デッキー!(わくわく)」
キノト
「おねぇちゃんに直紀さん。何であんなに楽しそうなんだ ろ(^^;」

最後の戦い

十
「ちょっと、待ったぁぁああああっっっ!!」
直紀
「ん?(首を傾げてしょーどーぶつの目)」
十
「直紀さん、掃除手伝いますよ(汗) このテレビとか邪魔 ですよね(^^;」

いいながら十はキノトをこづく。気づいたキノトはキノエより早く、テレビとビデオのコンセントを抜いた。

キノエ
「ちっ」
十
「(なにがちっだ) (白々しく)いやーこんな汚いところ人 には見せられませんよ」

そういってデッキ周りのビデオを片づけつつ、必死で例のブツを探す十。

十
「おかしい、この辺においたはず……」
直紀
「『超絶! ショート総集編!』ってなんです?」

がしゃこん。きゅるるる。

十
「へ?」

モーターの駆動音に目を丸くする十。
 振り向くとそこにはキノトを尻に敷き、口にテレビとビデオのプラグをくわえたキノエの姿が(笑)

キノエ
「(ブイサイン)」
十
「お前そんな便利な芸当もってたのか!」
直紀
「あれ、これ私じゃ?」

デッキはキノエに脅されているらしい。確かに今デッキの命綱はキノエが握っている。

直紀
「十さん、私のシーンだけ?(くるっと振り向く)」
十
「あああ、その。いや(こんな馬鹿な話信じてもらえる かなぁ)」

焦ってるのか、しどろもどろ説明する、十。

直紀
「ふーん。つまりこのデッキがビデオを選り好みする訳 ね(^^;」
十
「早い話しがそういうことです」
直紀
「でも何で、あたしなの? 普通のショートの人の出てる ビデオ入れたほうがビデオの編集もしなくて楽だと思うんだけど」
十
「いやだから……あの映画のとき直紀さんかつら被ってた からデッキの誤解を解こうとですね……(滝汗)」
直紀
「ふぅん……(しょーどーぶつの目)」
十
「(うぁぁぁ、その目をなんとかしてくれーー!!)」
直紀
「(にこ) ま、いいや。しっかし豊中さんも凄いビデオを 修理したもんねぇ」

くすっと笑うとコンセントに差し込み、ちょこんとデッキの前にすわるとパンパンっと拍手を叩き、ぺこっと頭を下げる

直紀
「これからビデオいれますんで、ちゃんと映ってください」
十
「な……直紀さん??」
直紀
「あ、うちの電化製品てこーやると、結構いい確率で直るん ですよ(にこっ) まあ、見てて下さい」

おもむろにデッキに先ほどのビデオを突っ込む。

SE
「がしゃこん!」
デッキ
「きゅるるる……がしゃ(テープイジェクト)」
直紀
「む? 手強い」
SE
「がしゃこん!」
デッキ
「きゅるるるる……」
直紀
「お願い! 映って、デッキさんー!!(なでなで)」
デッキ
「きゅるるるる……ウィィィ……(テープ再生中)」
十
「(こ、こいつ! 俺のときは速攻でイジェクトした癖にっ!)」
デッキ
「……がちゃ(テープ停止) きゅるる……(再生中)」
直紀
「頑張れっ! もーちょっとだっ」
十
「(デッキが……悩んでやがる(^^;)」
デッキ
「きゅるるるる……がちゃっ(迷う) ……きゅるる」

そして、デッキと交渉すること数時間。

デッキ
「がちゃ(テープ再生) ウィィィ……」

画面には直紀が映っている。数時間の交渉でテープが磨滅したせいかすごぶる映像が悪い。

直紀
「わぁいっ! 映ったー!! デッキさん、えらいぞっ! 
すりすり)」
十
「……」
直紀
「ほらほらっ、一さん! 映ったよ、よかったねっ」
十
「え? ああ、お手数かけました(……なんだ? 目的は 達した筈なのに……何でこんなに腹が立つ)」
直紀
「どーいたしましてっ(満面笑顔)」
キノト
「(ひそ) ねえ、おねぇちゃん。ミツルさぁ……(くす)」
キノエ
「(ひそ) 面白いからしばらくこのままにしとこう」

二匹のオコジョは顔を見合わせて、くすっと笑った。

解説

エピソード498『恥ずかしいデッキ』とエピソード503『極道の女達?』の直接の続編。十と直紀のらぶらぶもの、なのかなぁ。ドタバタコメディといったほうがいいのかも知れない……。
 こういう笑える話は、マイキャラをいじめて書くのが便利です。他の参加者の心証を害しませんしね。



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