ベーカリーにて。
- 観楠
- 「……うーん……(考え中)」
からんころん
- 十
- 「こんにちはぁ。店長さん、パンの耳ありますか?」
- 観楠
- 「え、あぁ? あぁ一さん、いらっしゃい(汗)」
- 十
- 「……なにかあったんですか?」
- 観楠
- 「いやその……あ、一さん。御影さんの顔って知ってます?」
- 十
- 「はぁ、顔ですか?」
- 観楠
- 「そう」
- 十
- 「ダンナならいつも来てるから店長さんも見たことあるは
ずですよ。ほら、背広着てサングラスかけて見た目がいかつい人物ですが」
- 観楠
- 「あ、そうじゃなくて。御影さんの素顔、見たこと無いか
なって思ったんだけど」
- 十
- 「ダンナの、素顔……ねぇ」
- 観楠
- 「見たこと無い?」
- 十
- 「まさか。見たことくらい……あれ、無いぞ?(汗)」
- 観楠
- 「そーなの?(汗)」
- 十
- 「あれ〜〜……っかしいな(汗) 何回か見たような……で
も、ダンナの素顔って、うーん(悩)」
- 観楠
- 「一さんもみたことないのか……」
からんころん
- 琢磨呂
- 「ちわ〜〜」
- 観楠
- 「あ、岩沙君」
- 琢磨呂
- 「てんちょー、いつものやつ頼むぜ」
- 観楠
- 「うん、ちょっと待ってね。あ、岩沙君」
- 琢磨呂
- 「あー?」
- 観楠
- 「御影さんって知ってるよね?」
- 琢磨呂
- 「あのヤクザ風のいかついにーちゃんがどーかしたのか?」
- 観楠
- 「いや、その御影さんの素顔って見たことある?」
- 琢磨呂
- 「……ん……ない、か? いや、無いけど?」
- 観楠
- 「そっか。ありがと」
からんころん
- 尊
- 「こんにちはぁ〜〜」
- 観楠
- 「あ、いらっしゃい」
- 尊
- 「ちょっと時間があいたんで、お茶いただきに(にこっ)」
- 十
- 「店長さん、尊さんなら知ってるんじゃないですか?」
- 観楠
- 「そーかなぁ」
- 十
- 「ダンナと縁が深いっての、彼女もそうだし」
- 観楠
- 「なるほど……」
- 尊
- 「……なんですか?(怪訝)」
- 観楠
- 「あー……尊さん」
- 尊
- 「はい?」
- 観楠
- 「つかぬことをお聞きしますが、御影さんの素顔って、ご
存知ですか?」
- 尊
- 「ミカゲって、あの御影さんの、ですか?」
- 観楠
- 「そーですが」
- 尊
- 「……(考え中)……(考え中)……(考え中)……」
- 観楠
- 「どーですか?」
- 尊
- 「うーん……あたしも見たことは無いですね……」
- 琢磨呂
- 「なぁ、てんちょー」
- 観楠
- 「なに?」
- 琢磨呂
- 「なんであのにーちゃんの顔が気になるんだ?」
- 観楠
- 「なんでってそりゃ、その……だ、だって気になるじゃな
いかぁ(苦笑)」
- 琢磨呂
- 「一度気になり出すと止まらないってか? まぁわからん
でもないがな(笑)」
- 十
- 「で、ダンナってどんな顔してるんでしょうねぇ?」
- 観楠
- 「よくあるパターンだと『メガネをとったらすごい美少女』
だった! ってのが(笑)」
- 琢磨呂
- 「……ありゃどーみても男だぜ?」
- 観楠
- 「もののたとえだってば(汗) だからさぁ」
- 琢磨呂
- 「グラサンとったら美形だったってか?」
- 観楠
- 「うん」
- 十
- 「それよりも」
- 尊
- 「なに?」
- 十
- 「『実はもっと恐くなる』ってのはどうです?(笑)」
- 観楠
- 「あ、あれ……って、あれからさらに恐くなるの?(汗)」
- 琢磨呂
- 「可能性としては無視できんか(笑)」
- 尊
- 「あのねぇ。御影さん、見かけは恐いかも知れないけど全っ
然そんなことないんだからねっ!」
- 琢磨呂
- 「……ねーちゃん、なにムキになってんだ(笑)」
- 尊
- 「むっ、ムキになんかなってないわよっ(照)」
- 観楠
- 「あ、こーいうのはどうかな?(笑) 御影さんがサングラ
スとると」
- 琢磨呂
- 「グラサンとったら?」
- 観楠
- 「『つぶらなヒトミがとってもぷりちー☆』(笑)」
- 十
- 「ぷ、ぷりちー……あっはっはっはっは(大笑)」
- 観楠
- 「絵で描くと……こんな感じ……あははっ(笑)」
- 琢磨呂
- 「な、なんだそりゃ……(ぎゃはははははは)」
からんころん
- 御影
- 「なんや、えらい騒がしいのう」
- 尊
- 「あ、御影さんっ……」
- 御影
- 「おぉ、尊さんやないか……なんかあったんか?」
- 尊
- 「あの3人、ひどいんですよー。ねぇちょっと! 本人来
たから聞いてみたらっ」
- 観楠
- 「え? あ、御影さんいらっしゃい……(笑)」
- 御影
- 「わしになんか用か?」
- 十
- 「ダンナ、ダンナ」
- 御影
- 「一もおったんか」
- 十
- 「あのですね。ちょっとお願いがあるんですが」
- 御影
- 「わしに?」
- 琢磨呂
- 「にーちゃんのそのグラサン、ちょっととってくれねー?」
- 観楠
- 「いやね、今御影さんの素顔ってどんなかなって話してた
とこなんですよ(笑)」
- 尊
- 「みんな勝手なことばっかり言って笑ってるんです」
- 御影
- 「……顔見せるくらいかまへんけど、別にたいしたことあ
らへんで?」
一同の視線が御影の顔に集中する。
サングラスを外したその素顔は……!!
- 御影
- 「……な、たいしたことないやろ……って、みんなどない
してん?(汗)」
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