エピソード527『彼の素顔』


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エピソード527『彼の素顔』

ベーカリーにて。

観楠
「……うーん……(考え中)」

からんころん

「こんにちはぁ。店長さん、パンの耳ありますか?」
観楠
「え、あぁ? あぁ一さん、いらっしゃい(汗)」
「……なにかあったんですか?」
観楠
「いやその……あ、一さん。御影さんの顔って知ってます?」
「はぁ、顔ですか?」
観楠
「そう」
「ダンナならいつも来てるから店長さんも見たことあるは ずですよ。ほら、背広着てサングラスかけて見た目がいかつい人物ですが」
観楠
「あ、そうじゃなくて。御影さんの素顔、見たこと無いか なって思ったんだけど」
「ダンナの、素顔……ねぇ」
観楠
「見たこと無い?」
「まさか。見たことくらい……あれ、無いぞ?(汗)」
観楠
「そーなの?(汗)」
「あれ〜〜……っかしいな(汗) 何回か見たような……で も、ダンナの素顔って、うーん(悩)」
観楠
「一さんもみたことないのか……」

からんころん

琢磨呂
「ちわ〜〜」
観楠
「あ、岩沙君」
琢磨呂
「てんちょー、いつものやつ頼むぜ」
観楠
「うん、ちょっと待ってね。あ、岩沙君」
琢磨呂
「あー?」
観楠
「御影さんって知ってるよね?」
琢磨呂
「あのヤクザ風のいかついにーちゃんがどーかしたのか?」
観楠
「いや、その御影さんの素顔って見たことある?」
琢磨呂
「……ん……ない、か? いや、無いけど?」
観楠
「そっか。ありがと」

からんころん

「こんにちはぁ〜〜」
観楠
「あ、いらっしゃい」
「ちょっと時間があいたんで、お茶いただきに(にこっ)」
「店長さん、尊さんなら知ってるんじゃないですか?」
観楠
「そーかなぁ」
「ダンナと縁が深いっての、彼女もそうだし」
観楠
「なるほど……」
「……なんですか?(怪訝)」
観楠
「あー……尊さん」
「はい?」
観楠
「つかぬことをお聞きしますが、御影さんの素顔って、ご 存知ですか?」
「ミカゲって、あの御影さんの、ですか?」
観楠
「そーですが」
「……(考え中)……(考え中)……(考え中)……」
観楠
「どーですか?」
「うーん……あたしも見たことは無いですね……」
琢磨呂
「なぁ、てんちょー」
観楠
「なに?」
琢磨呂
「なんであのにーちゃんの顔が気になるんだ?」
観楠
「なんでってそりゃ、その……だ、だって気になるじゃな いかぁ(苦笑)」
琢磨呂
「一度気になり出すと止まらないってか? まぁわからん でもないがな(笑)」
「で、ダンナってどんな顔してるんでしょうねぇ?」
観楠
「よくあるパターンだと『メガネをとったらすごい美少女』 だった! ってのが(笑)」
琢磨呂
「……ありゃどーみても男だぜ?」
観楠
「もののたとえだってば(汗) だからさぁ」
琢磨呂
「グラサンとったら美形だったってか?」
観楠
「うん」
「それよりも」
「なに?」
「『実はもっと恐くなる』ってのはどうです?(笑)」
観楠
「あ、あれ……って、あれからさらに恐くなるの?(汗)」
琢磨呂
「可能性としては無視できんか(笑)」
「あのねぇ。御影さん、見かけは恐いかも知れないけど全っ 然そんなことないんだからねっ!」
琢磨呂
「……ねーちゃん、なにムキになってんだ(笑)」
「むっ、ムキになんかなってないわよっ(照)」
観楠
「あ、こーいうのはどうかな?(笑) 御影さんがサングラ スとると」
琢磨呂
「グラサンとったら?」
観楠
「『つぶらなヒトミがとってもぷりちー☆』(笑)」
「ぷ、ぷりちー……あっはっはっはっは(大笑)」
観楠
「絵で描くと……こんな感じ……あははっ(笑)」
琢磨呂
「な、なんだそりゃ……(ぎゃはははははは)」

からんころん

御影
「なんや、えらい騒がしいのう」
「あ、御影さんっ……」
御影
「おぉ、尊さんやないか……なんかあったんか?」
「あの3人、ひどいんですよー。ねぇちょっと! 本人来 たから聞いてみたらっ」
観楠
「え? あ、御影さんいらっしゃい……(笑)」
御影
「わしになんか用か?」
「ダンナ、ダンナ」
御影
「一もおったんか」
「あのですね。ちょっとお願いがあるんですが」
御影
「わしに?」
琢磨呂
「にーちゃんのそのグラサン、ちょっととってくれねー?」
観楠
「いやね、今御影さんの素顔ってどんなかなって話してた とこなんですよ(笑)」
「みんな勝手なことばっかり言って笑ってるんです」
御影
「……顔見せるくらいかまへんけど、別にたいしたことあ らへんで?」

一同の視線が御影の顔に集中する。
 サングラスを外したその素顔は……!! 

御影
「……な、たいしたことないやろ……って、みんなどない してん?(汗)」



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