エピソード528『猫耳こわい』


目次


エピソード528『猫耳こわい』

町中にて

瑞希
「あ、御影さんだ。おーいおーい(ぶんぶん)」
御影
「瑞希さん……アタマ、なにつけてるんです?(汗)」
瑞希
「猫耳〜〜。可愛い?(にこっ)」
御影
「可愛い、というか、なんというか……まぁ」
瑞希
「まぁ、なに?」
御影
「似合てる、思います」
瑞希
「ふふっ、ありがと☆」
直紀
「おふたりさん、こんちわっ」
瑞希
「あら」
御影
「柳さんも……そのアタマ?」
直紀
「へへ〜〜(笑) 似合う?」
御影
「似合てます」
瑞希
「ところで、御影さんは?」
御影
「は?」
瑞希
「御影さんの猫耳、どこにあるんです?」
御影
「わ、わしのっ!?(汗)」
直紀
「そーいえば御影さん、つけてないね」
御影
「つけるて、そんな(汗)」
瑞希
「外出時には男女とも猫耳を着用することって、こないだ 法律ができたでしょ?」
直紀
「知りませんでした?」
御影
「ないない、そんなアホな法律(汗)」
瑞希
「でも、できちゃったし」
直紀
「あ、ないならあたしの猫耳貸したげます☆」
御影
「(汗)」

瑞希と直紀、じりじりと御影に迫る(笑)

御影
「(う……なんかこないだから女運悪いな。今月女難とか? 猫耳……シャレにならん)」
瑞希
「御影さんってどんなの似合うかなぁ?」
直紀
「やっぱり『黒』! あ、虎縞もいいかもっ!」
御影
「あの、わしやっぱり……遠慮さしてもらいます!」

御影、走って逃げ出す(笑)

御影
「猫耳つけるぅ? やめてほしいぞ、冗談抜きに(汗)」

ベーカリー楠

走って走って、行き着く先はベーカリー。
 かららかここころんんっっっ!! 

観楠
「いらっしゃいま……あぁ、御影さんですか」
御影
「て、店長。み、みず……」
観楠
「……ど、どうしたんです、息切らせて?(汗)」
御影
「いや、ちょっとな……」
観楠
「はぁ……あ、水お待たせしました」
御影
「すまん(ごくごくごく〜〜)ふぅ」
観楠
「……御影さんでも息切れするような目に遭うんですねぇ ……あ、ちょっとすいません」

観楠、カウンターの中に入っていく。
 中でなにか探しているのか、ごそごそしているようだ。

御影
「まぁな……」
観楠
「御影さん、一体何があったんです?」
御影
「いや、それが……(汗) いまそこで瑞希さんと直紀さん に会ったのはいいんだが、2人とも変でな」
観楠
「はぁ、変ですか」
御影
「2人とも猫耳つけててん」
観楠
「猫耳、というと……マンガとかによく出て来る、あれで すか?」
御影
「そう」
観楠
「はぁ〜〜……でも、お2人とも似合ってそうな気がする なぁ(笑) きっと可愛いと思うんですけどねぇ(笑)」
御影
「それはまぁそうだが……、いやそーゆー問題じゃなくて」
観楠
「何が問題なんです?」
御影
「2人してわしにも猫耳つけろって迫ってきてな(汗) 断っ たら法律が出来たとかゆーし(大汗)」
観楠
「法律ねぇ」
御影
「思わず逃げてきた。……店長はなんともないよな(笑)」
観楠
「……ねぇ、御影さん」
御影
「あぁ?」
観楠
「瑞希さんと直紀さんがつけてた猫耳って……こ〜〜んな 耳じゃありませんでしたか?」

再びカウンターから顔を出した観楠の頭には茶色い猫耳が!(笑)

御影
「げぇっ!(汗)」
観楠
「法律かどうかは知りませんけど、この場所ではちゃんと 猫耳つけないとだめなんですよ〜〜(笑)」
御影
「……嘘つけっ(汗)」
観楠
「あぁ、お持ちでないなら貸出用がありますんで……どん なのがいいですか?(笑)」
御影
「どれもいらんっ!」

御影、慌ててベーカリーを立ち去ろうとするが(笑)

「こんにちは……あら御影さん、猫耳は?」
ユラ
「尊さんの耳、白くてきれいですねぇ(笑)」
「ダンナ、こんちわ……って、耳はどうしたんです?」
御影
「だぁっ! 来るなぁっ!」
琢磨呂
「よう、にーちゃん! 見てくれよこの耳! 都市迷彩に なってんだぜ!(笑)」
「あら、なかなかじゃない(笑)」
琢磨呂
「だろ? いやー、白黒斑ってヘタすりゃ牛だからな(笑) この手のペイントはおまかせだぜ!」
夏和流
「ふっふっふ〜〜、やっぱり黒が一番!(笑)」
みのる
「……(頭には灰色の猫耳が(笑))」
花澄
「こげ茶って、やっぱり地味だったかしら……」
訪雪
「いやいや、上品な雰囲気がなかなか(笑)」
フラナ
「あ、御影さんこんちわっ! ねぇ見てみてこれっ!」
佐古田
「ジャンじゃかジャん〜〜(俺の猫耳どう? の音色)」
本宮
「なんで俺達お揃いをつけなきゃいけないんだ……(悩)」
豊中
「まぁ、わかりやすくていいってことだろ?(笑) ダンナ は何故つけないんですか?」
御影
「お前ら……そんなんつけてなんとも思わんのか?」
瑞希
「だってねぇ」
直紀
「法律で決まってるんだしぃ」
一同
「可愛いじゃない!!(笑)」
御影
「う、う、うぅぅ……うぅ〜〜(悩)」

さらにベーカリー楠

御影
「(がばっ!)ん! はぁ……あ、あぁ!?」
観楠
「ど、どーしたんです? なんかうなされてましたよっ!」
御影
「店長……耳は?」
観楠
「耳? 耳がどうかしましたか?(心配)」
御影
「いや……なんでもない。すまん、夢の話や」
観楠
「はぁ……あ、お茶お待たせです」
御影
「ん(なんや、ろくでもない夢やったな……)」

からんころん☆

かなみ
「とうさまっ!」
観楠
「あ、おかえり、かなみちゃん(笑)」
かなみ
「とうさまあのね、さっきね、裕也お兄ちゃんのおねえさ んにこれもらったの!」
観楠
「あー……今度お礼しなきゃなぁ。あ、御影さんちょっと 見てくださいよ(笑)」
御影
「な?」
観楠
「ほら、かなみちゃんの頭……可愛いでしょ?(幸せ笑顔)」
かなみ
「かなみ、かわいい?」

かなみちゃんの頭にはピンクの猫耳が! 

御影
「あ、あぅぅ〜〜(爆沈)」
観楠
「うーむ、可愛い(笑) そだ、かなみちゃん。写真撮ろう うん、そうしよう!(笑)」
かなみ
「んと、みかげさんといっしょにうつるの!」
観楠
「うんうん(笑) あ、御影さんすいませんが……」
御影
「もー……好きにして……(轟沈)」

年貢を納める

ことの起こりは、ベーカリーの常連たち全員が猫耳を装着していたという夢を、御影が見てしまったことだ。
 何かのひょうしに、そのことを喋ってしまったらしい。気がつけば一部の女性陣から「御影さんの猫耳が見たい」という声があがり、それは日増しに大きくなっていった。
 もちろん御影は拒否した。拒否しつづけた。猫は好きだが猫耳は別である。だが……

「あら、御影さん。どうしたんです? そんなにあわてて」
御影
「尊さん、頼む。かくまってくれ」
「はい?」
御影
「いや、実は……」
「(くすくす) いいですよ。じゃぁ、このテーブルの下に 隠れててくださいね」
御影
「悪いっ、助かるっ!」

そのガタイを窮屈に折りたたんでテーブルの下にもぐりこむ御影。御影がその狭い空間になんとか体を押し込んだ直後、砂煙をあげて驀進してくる直紀と瑞希。瑞希の手には灰色の猫耳があり、直紀はキジトラの猫耳を握りしめていた。

直紀
「尊おねーさんっ、御影さん知らないっ?」
「あら、直紀さん。御影さんなら、さっき駅のほうに向かっ たみたいですけど……」
直紀
「ありがとーですーっ!(ぴうーっ)」
瑞希
「それじゃみこちゃん、また来るね(にっこり)」
「いってらっしゃ〜い」

にこやかに手を振る尊。しばらくして……

「御影さん、もう大丈夫ですよ」
御影
「ふぅ、助かった」

よっこらせと這いだしてくる御影の頭に、ぽそっ、と……

御影
「(ものすごく嫌な予感が……) み、尊さん……」
「なんですか?(くすくす)」
御影
「いま……アタマに……何のっけた?」
「ね・こ・み・み(はぁと)」
直紀
「わぁい! 作戦せいこぉーっ!」
瑞希
「おーっほっほっほっほ! びくとりぃっ!」
「御影さん、ごめんなさいね(はぁと)」
瑞希
「うん、やっぱり黒が似合うよね」
直紀
「もぉ、ばっちり(笑)」
瑞希
「だいじょーぶよ御影さん。写真に撮ったりしないから」
御影
「あ……あのなぁ……(撃沈)」



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