エピソード「Yakami Atsusi incoming!」


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エピソード「Yakami Atsusi incoming!」

琢磨呂
「あつい、あつすぎる…………」
慎也
「梅雨入りしたからなぁ。まじで、蒸し暑いわ」
琢磨呂
「むぅ」
慎也
「そうは言っても、気温自体はどんどんあがっていくねんし
なぁ」
琢磨呂
「言うな。熱くなる」
慎也
「今25度だって。8月には30超えるやもんなぁ………」
琢磨呂
「うがあああああああああ!」
慎也
「あばれるなっつーの(なだめる)」
琢磨呂
「むぅ。とにかく俺は学校にいってくる」
慎也
「俺は予備校っと………。じゃ」
琢磨呂
「ラジャ」
所かわって大学キャンパスにて。

琢磨呂
「この糞暑い中わざわざここまでやってきたからには少なか
らずの分けがあるってもんだ………ったく」
琢磨呂はベンチに腰を下ろすと、生協で購入したスナック菓子を食べ始めた。

琢磨呂
「いつもながら上層部の連中の考えることはわからんが、待
ち合わせ場所が大学だってことだけは評価してやろう。この
前の連絡員との待ち合わせ場所なんざ、深夜の公園だったか
らなぁ………妖しいったりゃありゃしねぇぜ」
琢磨呂は、とある方面からの連絡を受けここで人を待っているのだ。授業が終わったのか、建物のほうからわらわらと人が出てくる。老けているやつ、必要以上にわかづくりしているやつ、教職員関係、学内の店舗関連の人間。この人込みに連絡員が紛れている等と誰も考えないであろうし、よしんばそれがわかったとしても外見や雰囲気で特徴だった人など、大学のキャンパス内には五万といるのだから。

琢磨呂
「暑くなって、一つだけ喜ぶべきことがあるな」
道行く女の子の胸と足を眺める琢磨呂。

琢磨呂
「スカート人口率20〜25%、ブラ透け率15%か。
うーーーーーーーむ。高校時代はスカート率100%ブラ透
け率75%だったからなぁ………ちと残念。白色のYシャツ
以外はほとんど透けないからな…………」
取るに足らないことを真剣に考える琢磨呂の隣のベンチに、男が一人座る。何の変哲もない大学生という形容がぴったりくる。

琢磨呂
「あれじゃないだろうしなぁ…………こんな糞暑いベンチに
長いこと座ってるのは酔狂な恋人だけだっての………さっさ
と現れやがれ畜生」
向かいに座った大学生風の男は、ゆっくりとPHSを懐から取り出すとダイヤルを始めた。

琢磨呂
「お」
バイブレーション着信に設定してあった琢磨呂のPHSが懐中で振るえ始めた。

琢磨呂
「はいもしもしウォーレン大尉」
『もしもーし』
琢磨呂
「やけに明るい連絡員だことで。今どこにいるんだ?遅れる
なんて言い訳は通用しねーからそのつもりでいろよ」
『噂に聞く通りやなぁ、まったく』
琢磨呂
「(カチン)てめー!俺のポリシーに文句付ける気か(ベン
チだというのを忘れて叫ぶ)」
「(背後から)文句じゃない、率直な感想ってやつだな」
琢磨呂
「なっ!(ナイフを抜いて突きつける)貴様何奴だっ」
「連絡員代行の八神敦ってもんだ。」
琢磨呂
「聞いてないぞおい………」
「そりゃそーだろ、言ってねーもん。いろいろ事情があって
な、俺が直接届にきたんだ」
琢磨呂
「………それは信用してやるがさっきの感想ってのは」
「ささやかな社交辞令ってとこよ。よろしく(手を出す)」
琢磨呂
「………実行員のWarrenこと岩沙琢磨呂だ(思いっきり手を
握る)」
「いででででででででで!」
「こ、こいつはぁ…………」
琢磨呂
「わーははは、あーすっきりした。しかし暑いなぁ」
「(なんて話題転換の早い男だ)」
琢磨呂
「どうした?黙っちまって」
「あんたが連絡を受けた人間だという確証がほしい」
琢磨呂
「用心深いことはいいことだ。ちょっと来い」
敦を物陰に連れ込む琢磨呂

「おいおい、男としっぽりする趣味は………」
チャキッ………敦の鼻先に突き付けられるベレッタM93R。

琢磨呂
「俺の名は琢磨呂。IDコードC−85−WA。85cmのC
カップと覚えておいてくれ」
「俺は詳しいことは聞いていないが、その数字だけは記憶
している。間違いないね」
琢磨呂
「さて本題だが………」
「ああ、きちんと持ってきたよ、例のものは。教授がWarren
によろしくだって」
琢磨呂
「了解した」
「一応説明して置こう(赤い小箱を開く)」
「この弾頭は、ミスリル…シルバーと呼ばれる部類の特殊金
属を加工、分子レベルで退魔紋を刻み込んだものだ。今君が
使っている、対妖魔弾頭とは、一発あたりの性能が段違いだ。
ま、コストも段違いだがね。取り扱い上の注意としては、決
して他の金属といっしょに保存しないこと。表面が非常にデ
リケートだから」
琢磨呂
「分子レベルで呪紋………か。凄まじいな」
「現代科学と非科学の融合による新しい技術。今君が使って
るナイフにも使われている技術だ」
琢磨呂
「まったく………よくやるよ、あのおやじさんも」
「君の行動力は人に言えた物じゃない………らしい。教授か
らの伝言」
琢磨呂
「あんたの理解不能な脳味噌よかぁマシだって伝えといてく
れ。それはそうと、八神だったか。ここの学生か?」
「おうよ」
琢磨呂
「授業は今日はもう終わりか?」
「終わりじゃないがもう上がりだ」
琢磨呂
「わははははははは!俺もだ」
「ぐわははははは!」
琢磨呂
「お互い悪よのぉ〜」
「お代官様ほどでは………」
琢磨呂
「飯でも食いにいくかぁ?」



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