エピソード561『日差しの強い午後に』


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エピソード561『日差しの強い午後に』

かららん

直紀
「こんちは! あっついですねぇ」
紘一郎
「こ、こんにちは……(げっそり)」
観楠
「いらっしゃい、……凄い荷物だね、紘一郎君(^^; 買い 物の帰り?」
直紀
「そーですー、ウヴァまだあります? アイスミルクにし よっとミ☆ そだ、こーいちろーは何にする?」
紘一郎
「ストレートで一気に飲みたい気分だ……」
直紀
「ふつーのストレートね、おっけー! 観楠さん、厨房借 りるねっ」

ぱたぱた厨房に入り、馴れた手つきで煎れ始める

観楠
「ああ、はいはい。しっかし……凄いね、これ」
紘一郎
「はぁぁぁぁーーーーーーっっ」
観楠
「ど……どうしたの。ため息なんかついて(^^;)」

どよよーんとした顔を上げ普段より低い声でうめく

紘一郎
「観楠さん、今日から三日間何があるか知ってますか?」
観楠
「今日から? (……何かあったっけ? ええと、祭日は再 来週だし商店街の連絡網にも特になにもなかったよーな)
いや、知らないけど?」
紘一郎
「バーゲンなんです(ぼそっと)」
観楠
「は?」
紘一郎
「今日から三日間、大手デパートがこぞってバーゲンを開 始するんですよ! しかも家には手の掛かるのがもう一人いるし……あああああ、考えるだけで頭が痛い(T_T)」
観楠
「こ、紘一郎君。落ち着いて(汗)」

かららん

瑞希
「こんにっちはー」
フラナ
「わ、わぁ……前が見えないぃ(よたよた)」
本宮
「フラナ、荷物を落とすなよ。 (ぼそっと)後がこわい」
佐古田
「……(荷物がじゃまでギターに届かない)」
観楠
「いらっしゃ……み、瑞希さん。それは……(汗)」
瑞希
「今日からバーゲンなんです。ほらっ、これなんて『にー きゅっぱ』なんですよおっ(嬉)」
直紀
「おまたせーってありゃ? 瑞希ねーさん。こんちはっ! あーその袋、バーゲン行って来たんですねっ。なに買いました?」

グラスをカウンターに置き、ぱたぱた瑞希のほうへ寄ってくる。

瑞希
「ふふん。まずまずの戦績よっ! まずはこれ、限定15品 のうち三着しか販売されてない夏物スゥーーーーーツ!!」
直紀
「おおっ! さては開店前に並んでたクチですねっ! ア イスブルーのスーツなら、あたしもゲットしましたよぉ(嬉)」
瑞希
「むぅ、アイスブルーかぁ。ちょっと狙ってたのよねーあ れ。なかなかやるわね、直ちゃん!」

男性陣そっちのけで、きゃあきゃあ話し合う二人

観楠
「いやー女の子のああいう姿って、なんか可愛いねえ(にこ にこ) そう思わない……って」

ふりむくと、じーっと対峙する紘一郎とフラナ達。それぞれ、まだそこにある荷物の山を見やり

本宮
「紘一郎さん……その荷物」
紘一郎
「いうな! もとみー。いやさ同士よ!!」
本宮
「紘一郎さん!!」
紘一郎
「もとみー!!」

がしっと熱く交わす手のひら。嗚呼、漢(おとこ) の友情!!(爆)

フラナ
「よかったぁ、こんなことに時間を使うのって僕らだけじゃ なかったんだぁ」
佐古田
「じゃかじゃーん!!(でも、明日もかり出されるー)」
観楠
「なんだかなぁ(^^;)」
琢磨呂
「……」
観楠
「どしたの、琢磨呂君」
琢磨呂
「フラナや紘一郎さんに助けられたな……」
観楠
「え?」
琢磨呂
「(ブーツの紐を締め始める)」
竜胆
「お久しぶり、店長さーん!」
琢磨呂
「(店長、ツケといてくれ!)」

とっさにカウンターの内側に転がり込んで勝手口から脱出する琢磨呂。

琢磨呂
「……ふぅ。やばかっ……」

そういえば今日からバーゲンだよね。と言う視線を投げ掛けつつ微笑む女性が約一名、通りで琢磨呂に向かって手を振っていた。

琢磨呂
「……受験生でしょうに……何てコメントは、バーゲンの 前にもろくも崩れさるんだな……」
麗衣子
「あ、先輩、日の丸のバーゲン行くの。一緒にきてくれる?」

数時間後

琢磨呂
「店長、さっきの紅茶代払いにきたぜ」
観楠
「どしたの、その荷物!」
琢磨呂
「これに捕まった」
麗衣子
「人を『これ』呼ばわりしないのっ!(耳をつねる)」
琢磨呂
「いででででででで!」
観楠
(苦笑中)

こうして一日は過ぎてゆく。



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