エピソード568『卵150円』


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エピソード568『卵150円』

商店街、時刻は夕方。

花澄
「さて、今日の献立はなににしようかな」
譲羽
「ぢい(花澄きょうなににするの?)」

くすっと笑い

花澄
「そうね。昨日の煮物がまだ残ってたから、それをまず片 づけて……あと一品くらい欲しいかな」

などと、献立を考えながら商店街をゆっくり進む。ふと、なにやらいつもと違うことに気付く。妙に張り紙が多いのだ。

花澄
「(赤い張り紙に、大きなこの字……まさか(汗))」

つうーーと冷や汗が流れる。見慣れた人影がこっちに向かってくる。

直紀
「あ、花澄さん! こんにちはー(ぱたぱた) ん? ゆず ちゃんも一緒?」
譲羽
「 (ちょっと袋の蓋から顔を出して) ぢい?」
直紀
「こんにちはっ、ゆずちゃん(きゅうっ)」
譲羽
「ぢ、ぢい(照れっ)」
花澄
「(くすくす) こんにちは、直紀さん。夕飯の買い物です か?」
直紀
「そお(笑) 料理得意じゃないんだけど、外食ばっかして るわけにも行かないしね」
花澄
「外食多いんですか?」
直紀
「うーん。会社から帰って料理作るって考えただけ、気力 が(笑)」
花澄
「良ければご飯食べにきませんか?」
直紀
「ほんと? いいの?」
花澄
「ええ、ちょっと多めに作ると数日同じ物になってしまい ますし。よろしければ、どうぞ」
直紀
「わあいっ! 食べに行くー(はぁと) あ、花澄さん。献 立決まってます?」
花澄
「いえ、まだ決まってませんけど」
直紀
「じゃぁ(きょろきょろ) うん! あそこで買い物してこ う! ねっ」

びっと指さした先は、大きめのスーパー。問題は入り口前にでかでかと「本日大放出!」だの「卵2パック150円―限定50個」など直紀には魅惑的な台詞が書き殴られていることか(笑)

花澄
「(じりじり) な、直紀さん。本当にあそこで買い物する んですか?(汗)」
直紀
「うん! さ、いこう!! ふふっ、何がいいかなぁ、魚の 塩焼き……ニジマスってまだでてなかったけ? あとはー」

献立を考えつつも、しっかり花澄の腕を組んで、ずいずい進んでゆく。
 ――30分後――
 ほくほく顔の直紀と、すっかり気力の抜けた花澄が店から出てきたのは言うまでもない(笑)



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