エピソード593『ちょっとだけ』


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エピソード593『ちょっとだけ』

昼休み、スナフキン愛好会三人。フラナ、佐古田はのんびりとくつろいでいる。その中に千影もクラスに遊びに来て、同じく楽しくくつろいでいた。
 一方、本宮は、一人クラス委員会で使うプリントを切っていた。
 その時、カッターでプリントを切っていた本宮が……

本宮
「いてっ」
フラナ
「どしたの? もとみー」
本宮
「ああ、いや。ちょっと、指切った……」
フラナ
「え、大丈夫?」
佐古田
「じゃじゃん(血が出てるぞ)」
本宮
「大丈夫だ、これくらい」
千影
「……血」

きらり、と千影の視線がが本宮の指に注がれる。
 赤い血、指をつたう血、健康そうな真っ赤な血。

千影
「ごっくん(おいしそう……)」
フラナ
「結構、血出てるよぉ……もとみー」
本宮
「うーん、誰かバンドエイド持ってないかな」
千影
「(ええい、ここはっ!) 本宮君、大丈夫? ちょっと見 せてみて(ちょっとだけ……ちょっとだけ)」
本宮
「え、見せてって、無道さん?」

本宮の答えを待たず、ぱくっと切った指をくわえる千影。

本宮
「えっ(焦り)」
フラナ
「わぁお(びっくり)」
佐古田
「ぎぃぃぃん(おおっ)」
千影
「……(うん! おいしい〜)」
本宮
「あっ……あの……無道さん(真っ赤)」

真っ赤になって硬直状態の本宮。しばらくして……

千影
「ほら、もう大丈夫。血止まった」
本宮
「え、あ、ありがとう(真っ赤)」
フラナ
「ほんとだぁ、よかったねもとみー」
佐古田
「じゃぃぃぃん(よかったなぁ〜)」
本宮
「え、あ、うん、ありが……とう」
千影
「あ、そろそろ授業はじまっちゃう。じゃ、またねっみん なっ」
フラナ
「ばいば〜いチカちゃん」
本宮
「はぁ……焦った。……あれ、おかしいな。なんか俺疲れ てる……」
佐古田
「じゃんじゃん(気のせいだろ)」

そして、ぱたぱた廊下を歩く千影。

千影
「本宮君の血、おいしかったぁ(大満足)」

ぺろっと唇を舐め、小さく笑みを浮かべる千影。
 知らぬが華か……



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