- 柳紘一郎(やぎ・こういちろう)
- 大学生。直紀の弟。
- すー
- 紘一郎になついている人型になれる妖鳥。
- 柳直紀(やぎ・なおき)
- 掃除をあまりしない人。
紘一郎の下宿。
- 紘一郎
- 「さて、今日は何にするか」
そういって、冷蔵庫の中身を確認する。ふと視線を上げるとカレンダーが目に入る。何故か毎月のように赤丸が付いている。
- 紘一郎
- 「しまった。今日は……あの日か」
- すー
- 「紘ちゃ〜ん、なにしてんの?」
- 紘一郎
- 「おう、丁度良いところに」
- すー
- 「何が?」
- 紘一郎
- 「あれ」
と言って後ろのカレンダーを指さす
- すー
- 「う゛っ、そ〜か今日はあの日だったのねぇ」
- 紘一郎
- 「そういう訳だから今から姉貴のところに行くぞ」
- すー
- 「あ、あたし用事が……(そそくさ)」
- 紘一郎
- 「まてい、何処行く(がしっ)」
- すー
- 「や〜だ〜。直ちゃんの部屋、すっっっっごく汚れている
じゃないぃ」
- 紘一郎
- 「だからっ、俺達がっ、掃除しに行くんだろっ」
- すー
- 「行きたくない〜〜(じたばた)」
- 紘一郎
- 「んじゃ、出発(ずるずる)」
毎月隔週水曜日。この日は紘一郎たちにとってまさに『悪夢』である。ただ単に直紀の部屋を掃除するだけであるが、ちらかしかたが半端ではないのである。
- 紘一郎
- 「で、姉貴の住むマンションに着いたわけだが」
- すー
- 「帰ろうよ〜。一回ぐらいやんなくたって大丈夫……」
- 紘一郎
- 「な訳は無いな」
- すー
- 「しくしく」
そうこう言いながら直紀の部屋の前に到着。
- 紘一郎
- 「さてここまで来たからには腹くくって行くぞ」
- すー
- 「しょ〜がないわねぇ。早く終われば良いけど」
- 紘一郎
- 「まあ、努力はしよう……よし、準備完了」
- すー
- 「うん」
無言で合い鍵で鍵を開ける。ドアノブに手をかけるとき、すーと視線が合う。お互いに軽く頷きあうと同時に直紀の部屋に突入する。
その瞬間、静かな昼下がりは、崩れ去った。
なんか、中途半端な気もしますが、多分これで完結してるんだと思います。
紘一郎くんの不幸な日常、もとい、手のかかる姉との日常生活についての一シーンを、スケッチしたものですね。
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