エピソード637『隔週水曜の悪夢』


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エピソード637『隔週水曜の悪夢』

柳紘一郎(やぎ・こういちろう)
大学生。直紀の弟。
すー
紘一郎になついている人型になれる妖鳥。
柳直紀(やぎ・なおき)
掃除をあまりしない人。

本編

紘一郎の下宿。

紘一郎
「さて、今日は何にするか」

そういって、冷蔵庫の中身を確認する。ふと視線を上げるとカレンダーが目に入る。何故か毎月のように赤丸が付いている。

紘一郎
「しまった。今日は……あの日か」
すー
「紘ちゃ〜ん、なにしてんの?」
紘一郎
「おう、丁度良いところに」
すー
「何が?」
紘一郎
「あれ」

と言って後ろのカレンダーを指さす

すー
「う゛っ、そ〜か今日はあの日だったのねぇ」
紘一郎
「そういう訳だから今から姉貴のところに行くぞ」
すー
「あ、あたし用事が……(そそくさ)」
紘一郎
「まてい、何処行く(がしっ)」
すー
「や〜だ〜。直ちゃんの部屋、すっっっっごく汚れている じゃないぃ」
紘一郎
「だからっ、俺達がっ、掃除しに行くんだろっ」
すー
「行きたくない〜〜(じたばた)」
紘一郎
「んじゃ、出発(ずるずる)」

毎月隔週水曜日。この日は紘一郎たちにとってまさに『悪夢』である。ただ単に直紀の部屋を掃除するだけであるが、ちらかしかたが半端ではないのである。

紘一郎
「で、姉貴の住むマンションに着いたわけだが」
すー
「帰ろうよ〜。一回ぐらいやんなくたって大丈夫……」
紘一郎
「な訳は無いな」
すー
「しくしく」

そうこう言いながら直紀の部屋の前に到着。

紘一郎
「さてここまで来たからには腹くくって行くぞ」
すー
「しょ〜がないわねぇ。早く終われば良いけど」
紘一郎
「まあ、努力はしよう……よし、準備完了」
すー
「うん」

無言で合い鍵で鍵を開ける。ドアノブに手をかけるとき、すーと視線が合う。お互いに軽く頷きあうと同時に直紀の部屋に突入する。
 その瞬間、静かな昼下がりは、崩れ去った。

解説

なんか、中途半端な気もしますが、多分これで完結してるんだと思います。
 紘一郎くんの不幸な日常、もとい、手のかかる姉との日常生活についての一シーンを、スケッチしたものですね。



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