エピソード644『なし』


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エピソード644『なし』

梨、到着

相変わらずの松蔭堂。

SE
「がらがらっ」
配達員
「こんにちは、こちら松蔭堂様ですか?」
凍雲
「(客間から) おおい、訪雪……何だ、またおらんのか。
出てきながら) はいはい、何の御用ですかな」
配達員
「お荷物のお届けに上がりました。(伝票を出して)
こちらにハンコお願いします」
凍雲
「うむ、ちょっと待ってくれんか」

奥に戻っている間に、配達員は板敷に荷物を運び入れる。

凍雲
「はい、と。(印鑑を押す) ……おお。こりゃよいものを」
配達員
「少々お待ちください。いま、残りを持ってきますから」
凍雲
「残り?」
配達員
「ええ。あと4箱あるんです」

その日の夕方。ママチャリを裏庭に置いた訪雪は、台所から上がってきた。

訪雪
「只今帰りました、先生……」

茶の間に足を踏み入れて、そこに積み上げられた箱に目をむく。

訪雪
「……何ですか、この箱の山は」
凍雲
「中身は箱の通りじゃよ。送り主はお前の実家じゃ」
訪雪
「まぁ、箱の通りならそうでしょうね(苦笑) ……季節だ から、そろそろ送ってくるとは思っとったんですが、まさかこんなに沢山とはね」
SE
「とてとてとて」
凍雲
「ふむ。今日は随分遅いお出ましだの」
訪雪
「階段から来たところをみると、おおかた上でタイチ達と 遊んどったんでしょう」
譲羽
「ぢいっ(こんにちはっ)」
訪雪
「こんにちは、ゆずさん。今日は何をして遊ぶかね?」

おすそわけ:花澄と譲羽

その晩早く。花澄が松蔭堂の戸を叩こうとするのと同時に、中から訪雪が出てきた。

花澄
「大家さん、こんばんは。いつもゆずがご迷惑かけてしまっ て、すみません」
訪雪
「いいんですよ。たまにはこちらから、ゆずちゃんを瑞鶴 まで送っていこうと思っとったところです」

作務衣の左腕には、いつもの如く譲羽がしがみついている。右腕には、まるいものをいくつか入れたポリ袋がひとつ、ぶら下がっている。

花澄
「あの……その袋、一体何なんでしょうか」
訪雪
「ああこれ? 梨ですよ。郷里から沢山送ってきたので、 ゆずちゃんにお土産に持たせてあげようと思いまして」
譲羽
『でも、重いから、ゆず持てなかったの』
花澄
「それでわざわざ、持ってきてくださるつもりで(くす)
でも……こんなに、よろしいんですか?」
訪雪
「全然構いませんよ。もっと欲しかったら、お好きなだけ 持ってって下さい。なにしろ、あと40キロ以上残ってるんですから(苦笑)」
花澄
「40キロって……最初はどれだけあったんですか?」
訪雪
「10キロ箱が5つ、合わせて50キロ、180個。いままでに消 費した分と、いま差し上げた分を引いても、あと160個以上あるんです(げっそり)」

グッドタイミング:豊中

翌日。

豊中
「こんにちは。若大家、いまお暇ですか」

茶の間の障子の向こうから、答えが返ってくる。

訪雪
「や、豊中君こんにちは。こっちゃいつもどおり暇だよ。 茶を飲みに来たのかい」
豊中
「まあ、そんなところです。このところ、お邪魔しても行 き違いになることが多かったから」
訪雪
「ま、色々あってね。旨いもんが冷えてるよ」

がらり、と障子を開けた豊中の鼻腔に、甘い匂いが漂ってくる。

豊中
「そういえば、今がシーズンだったか……しかし、えらい 量の梨ですね。品種は『幸水』かな」
訪雪
「うむ。郷里から送ってきたんだが、流石に50キロもある と食べでがある。さ、冷えてるうちにどうぞ」
豊中
「いただきます」

しゃりしゃり。
 しゃくしゃく。
 しゃくしゃくしゃくしゃくしゃくしゃくしゃくしゃく……

豊中
「(数本目の楊枝を手にして) なかなかなくなりませんね」
訪雪
「実は10個ばかしいっぺんに剥いて、始末がつかなくなっ ていたところでね」
豊中
「これだけあると、流石に飽きてきませんか」
訪雪
「確かに、うちだけでは消費量にも限界がある。そこでだ」

手回しよく袋詰めしてあった、10個ほどの梨を卓袱台の下から取り出して。

訪雪
「お裾分けだ。よかったら貰っていってくれないかね」
豊中
「今日の分は十分頂きましたが……これくらいなら、旨い うちに食べられるでしょう。頂いておきます」
訪雪
「そうしてくれると有り難い。欲しかったらもっと持って いっていいよ」
豊中
「いえ……遠慮します(汗)」

梨の袋をぶら下げて帰りながら、豊中が呟く。

豊中
「茜を連れていったら、双方とも喜ぶかもしれないな……」

配達人、走る:ベーカリー楠

昼下がり、ベーカリー楠。荷台に箱を括った藤色のママチャリが、店の前の歩道に停まる。

SE
「ききいいいっ、がたん」
訪雪
「よっこいせ……っと」
SE
「がらんっ」

大きな平たい箱を両手で抱えた訪雪が、足でドアを押す。

観楠
「いらっしゃいませ……どうしたんですか、その箱」
訪雪
「や、こんにちは(どさ)」

喫茶コーナーの、入り口に近いテーブルに、箱をどっかりと置く。

訪雪
「郷里から、梨を送って来ましてね。ここなら食べる人も 多かろうと思って、ちょいとお裾分けを。10キロばかし、ね」
観楠
「しかし……こんなに、いいんですか」
訪雪
「うちにはあと100個近く残ってるんですよ。いくら三人 前食べる人間がいたって、味のいいうちには捌き切れやしません。常連の皆さんと召し上がるなり、新作パンの材料にするなりしてください。よろしければもっと持ってきますよ」
観楠
「は……はぁ(汗)」

観楠が箱を奥に運び入れている間に、訪雪はトレイにパンを選んで、レジに載せる。

訪雪
「これと、あとミルクティを(大きな溜息)」
観楠
「大家さん。どうか、しましたか」
訪雪
「久しぶりに……梨以外の甘いものが食えると思いまして」

配達人、預ける: Flower Shop MIKO

しばらく後。ベーカリーを出た訪雪は、停めてあった自転車の篭から袋をふたつとって、"Flower Shop MIKO"へと足を進める。

訪雪
「こんにちは、如月さん」
「いらっしゃいませ……じゃなくて、こんにちは、かな?  夏の海行き以来ですね、訪雪さん」
訪雪
「そういえばそうだ。(笑) ……これ、郷里から送ってき た梨なんですが、よかったらご家族と召し上がって下さい」
「わぁ(袋を受け取って) ……ありがとうございます。
あたし、梨大好きなんです(にこ) でも、こんなにいいんですか?」
訪雪
「出来ればもうすこし貰って頂けると有難いんだが……
(もうひとつの袋を出して) そうそう。こっちは、御影さんに渡しといて頂けますか。一君がいつもお世話になってますんで」
「あの……どうして、たけ……御影さんの分を、私に?」
訪雪
「最初は一君に持っていって貰おうと思ったんですがね。 一君が、御影さんへの届け物なら、如月さんに託すほうが確実だって言うもんですから(悪意のない笑い)」
「そんな……(赤面)」
訪雪
「ご無理でしたら、一君に託すんですが?」
「いえ……お預かりします」
訪雪
「じゃあ、お願いしますよ」

袋ふたつを抱えた尊をあとに、訪雪は自転車のほうに戻る。

配達人、頼む:グリーングラス

グリーングラス。訪雪は右手で自転車のハンドルを握り、左手を危なっかしく伸ばして、細く開けたガラス戸の隙間から頭を突っ込む。

訪雪
「……こんにちはぁ。済みませんが、外階段の下に自転車 置かして下さい」

しばらくしてから戻ってきて、こんどはごくまっとうにドアを押す。両手には、ひとつずつ袋をぶら下げている。

ユラ
「いらっしゃいませ、松蔭堂さん。今日は随分と大荷物で すね」
訪雪
「ええ。まだ積んである分に、陽が当たってあったまって きそうなんで、階段下の日陰をお借りしました。郷里から送ってきた梨ですが、よろしかったらどうぞ」
ユラ
「(片方の袋を受け取りながら) ありがとうございます。 暑い中をわざわざ、届けに来てくださって……奥で冷たいものでも召し上がりませんか?(にこ)」
訪雪
「そりゃ有難い。喜んで御馳走になります」

一般客の来ない奥のテーブルで、冷たいハーブティを飲みながら。

ユラ
「さっきから気になってたんだけど……そのもうひとつの 梨の袋は、誰の分?」
訪雪
「ああ、これね。これはちょいと頼みもの」
ユラ
「頼むって、わたしに?」
訪雪
「うむ。君は……確か、果実酒を作っとったね。さっきも カウンターの奥に並んでるのを見たが」
ユラ
「……で、梨酒を仕込んで欲しいわけね、それで。果実酒 なら自分も造るって、まえ見せてくれなかった?」
訪雪
「梨は、去年やって、ふた瓶まるまる腐らせちまってね。 他の材料の費用は払うし、うまく出来たら君が飲んでくれても構わんよ。ただし、味を見るぶんくらいは残しといとくれ」
ユラ
「ま、いいわ。味が落ちないうちに仕込んどく。出来るま でに預けたこと忘れないでよ」
訪雪
「ありがとう。努力はするよ」

配達人、休む:いつもの草原にて

訪雪が危なっかしく自転車で梨を運んでいる時。
 いつもの草原で……

佐古田
「じゃじゃじゃぁぁん」
フラナ
「決まったねっ」
本宮
「ほら、お前も合わせるぞ」

いつものごとくギターの練習に励んでいる三人組だった。
 ちりりりん。自転車のベルが鳴る。

フラナ
「あれ? ……訪雪さんだっ、おーいっ」

土手の上、山のように袋を積んだ自転車を押しながら手を振る訪雪。

訪雪
「おうい、君たち。いいものがあるんだが、こっちへ来ん かね」
フラナ
「いいもの〜すぐ行くっ」
佐古田
「じゃじゃぁぁん(わぁーいっ)」

ばたばたばたと走り出すフラナと佐古田。後からゆっくりと本宮がついていく。

本宮
「いいもの……何だろ?」

土手道の真ん中に自転車を停めた訪雪は、袖で汗を拭きながら三人を待つ。

フラナ
「こんにちはっ。いいものって、何ですか?」
訪雪
「うむ。(ぐら) ……っとっと。見ての通りだよ。山ほど、 ある」

荷の重みでふらつく自転車の周囲には、甘く水っぽい匂いが漂っている。

佐古田
「じゃじゃんっ(この匂いは)」
本宮
「梨、ですね? でもどうして、こんなにいっぱい」
訪雪
「大量に貰ったんで、お裾分けに回ってたんだよ。この陽 気の中を運んできたから、決して冷えちゃいないが、味は儂が保証するよ。君達も、食べんかね?」
フラナ
「わあい、いただきまーす」

陽の当たらない篭の底のほうから、袋をひとつ、引っ張り出して、訪雪は土手の縁に腰掛ける。その両側に、三人がばらけて座る。

訪雪
「あ……こりゃいかんな」
佐古田
「ぼろん(何か?)」
訪雪
「まさか外で食べるとは思わなんだから、ナイフを持って 来るのを忘れたよ。誰か切るものを持っとらんかね?」
本宮
「十徳ナイフでよければ、俺持ってますけど」
フラナ
「じゃ、もとみー剥いてね」
訪雪
「うむ、頼むよ(梨を手渡す)」
SE
「しゃりしゃり」
フラナ
「ありがと、もとみー(しゃく) わ、おいしい」
SE
「しゃりっ」
佐古田
「(しゃく、もぐもぐ) じゃんっ(うまいぞ〜)」
訪雪
「食べながら弾くとギターが傷むよ」
SE
「しょりしょりしょりしょり」
訪雪
「あ、済まんね(しゃく) ふむ……外で食べるのもいいな」

袋の梨がなくなりかけた頃。

フラナ
「そういえば、もとみーまだひとつも食べてないじゃん。 駄目だよ、遠慮しないで食べなきゃ」
佐古田
「じゃじゃあん(せっかく御馳走になったのに〜)」
本宮
「あのなあ……おまえらが、剥いたはじから食っちまった んだろうが!」

配達完了:瑞鶴

夕方の瑞鶴。全身汗だくの訪雪が、袋を提げて入ってくる。

訪雪
「すいません。ここが……瑞鶴で、よろしいんですよね?」
店長
「確かにそうですが……(不審そうな眼で) 本をお探しで すか?」
花澄
「あ、こんにちは、大家さん。昨日は結構なものを、有り 難うございます」
店長
「(花澄に) 知り合いか?」
花澄
「松蔭堂の大家さん。ゆずがいつもお世話になってる」
訪雪
「ああ、申し後れていましたね。私は小松訪雪。花澄さん が仰有っておられた通り、松蔭堂の店主です」
店長
「こちらこそよろしく……で、今日お越し下さったのは」
花澄
「(訪雪の手の袋に目を留めて) 梨、ですね?」
訪雪
「ええ、まあ。本当は、もっと早い時間にお伺いするはず だったんですが、道に迷ってしまいましてね」

汗で色の変わった作務衣を見やりながら、袋の梨にちょっと手を当てる。

訪雪
「おもての暑さで、すっかりあったまっちまってますが…… 夜にでも冷やして召し上がってください」
店長
「これはどうも。いただきます」

店長は花澄にレジを任せて、受け取った袋を店の奥に置きに行く。聞き慣れた声を聞いたような気がして、訪雪はレジ席の中を覗き込む。思ったとおり、金色の丸い目と視線が合った。

譲羽
「ぢ(こんにちは)」
訪雪
「……(黙って微笑)」
花澄
「(小声で) お客さんを驚かせないように、ここを居場所 にしてるんです」
訪雪
「なるほどね。
じゃ、いつまでも営業妨害をしとるわけにもいきませんので、私はこのへんで。(出てきた店長に)それじゃあ、お邪魔しました」

錆びた自転車のスタンドを軋ませて、訪雪は元来た道を帰っていく。しばらくして、ふと客の途切れたとき、譲羽が花澄に話しかけてきた。

譲羽
『花澄』
花澄
「(店内を見回して) なあに?」
譲羽
『大家さん、いい匂いだった』
花澄
「あんなに、汗をかいてたのに?」
譲羽
『汗だけじゃないの。違う、匂い』
花澄
「……なんの、匂いでしょうね(微笑) ……いらっしゃい ませ」

入り口が開いて、熱気といっしょに客が入ってくる。譲羽はまた、口を噤んだ。

甘い生活……?:松陰堂

松蔭堂にて

直紀
「こーんにっちはぁー」
訪雪
「お、柳さん。良いところに来たね」
直紀
「あー梨だぁ。いっぱいありますね」
訪雪
「色々お裾分けしたんで、これでも大分減ったんだよ」
直紀
「でも、この梨おいしー(しゃくしゃく)」
訪雪
「(しゃくしゃく) そうだ、一君の所に持ってくかい?」
直紀
「あ、そですね。んじゃあ、これもってっていーですか?」

と、ガラスの器に盛られてる梨の皿に手をかける。

訪雪
「いやいや、やっぱり剥きたてが一番旨いからねぇ。はい、 果物ナイフとまな板」
直紀
「んー。でもあたし、皮むき遅いんだもん(しゅん)」
訪雪
「なぁに、そんときは一君が剥いて食べさせてくれるだろ う?」
直紀
「ほ、ほーせつさーん(汗)」
訪雪
「さぁさ、早く行った行った(笑)」
直紀
「……はぁい(真っ赤)」

とてとてと梨の袋と果物ナイフと小さいまな板を抱え、蔵の方に歩いてゆく。

直紀
「にーのまーえさーん。こんちはー」
「直紀さん、ども。どーしたんです、それ?」
直紀
「へへー。ほーせつさんに梨貰っちゃった(笑) 一さん、 梨食べよっ(にこっ) 今剥くから、ちょっと待ってね」
「え、いや(汗) それくらい自分でしますよ」
直紀
「だって、ナイフ一個しか無いし。ちょっと剥くの遅いけ ど待っててね」
SE
「しゃ……り、しゃ……り、しゃ……り」
直紀
「……(目が真剣)」
「……(^^;」
SE
「しゃ……り、しゃ……り、しゃ……り」
直紀
「……(目が真剣)」
「……あの、直紀さん(汗)」
直紀
「……」
「なおきさーん(^^;」
直紀
「ん? なに? 今、半分剥いたからもーちょっとなんだ けど」
「俺、剥きますよ。貸して下さい」
直紀
「だめっ! あとちょっとだからやらせてっ!」
「はいはい(笑) じゃあ剥き終わるまで待ってます」
直紀
「うんっ!」
SE
「しゃ……り、しゃ……り、しゃ……り」
「……(と、とろい(汗))」

そして、一個め撃破(核爆)

直紀
「ぜーは、ぜーはー……出来た」
「大丈夫ですか、直紀さん(^^;」
直紀
「なんか……時間掛かっちゃった、ごめんね」
「いいですよ(笑) 次から俺が剥きますから」
直紀
「うん(しゅん)」
SE
「しゃりしゃりしゃり」
直紀
「(じーっっっ)」
「はい、直紀さん」
直紀
「(じーーーーーーーっっ)」
「どーしたんですか、直紀さん」
直紀
「手元見てるの」
「手元?」
直紀
「一さん、もー一回やってっ!」
「はいはい(笑) 親指は、刃に添えるようにして……こう」
直紀
「(こくこく、頷く)」
SE
「しゃりしゃりしゃり」
「解りました?」
直紀
「んーーーーーー。も、いっかい!」
「……はい」

そして、日が暮れる(笑)
 直紀がやっとまともに梨が剥けるようになるまでに、総計15個の梨が犠牲になったのだった(爆)

後日譚:照れ屋さん、怒る

からからん。

御影
「よいせと、店長さんちょっと置かせてくれや。あと、ア イスティ一つ」
観楠
「あれ? 御影さんも梨ですか? 訪雪さんの?」
御影
「ああ、そうらしい。もっとも、もらったのは……」

からからん。

「うーっす。あ、ダンナ。尊さんから連絡行きました?」

ゆっくりと振り返り、サングラスのまま唇の片方を歪めて笑う御影。慣れ始めた観楠ですら、「ひきぃいいっ」となるに十分な表情。

御影
「十、おまえちっとここに座って話しせんか?」
「……(冷汗) な、なにかあったの?」
御影
「ワシへの届け物、尊さんに渡す方が確実やそうやないか
にやぁり)」
「い、いや。だって、そうじゃないですか。ダンナの首根っ こ捕まえてるのって今じゃ尊さんだし……」
観楠
「(ひそひそと) 一さん、御影さん照れてるんですよ」
「(ぽむ) なぁんだ、ダンナ。嬉しいなら嬉しいってそう いえば……」

びしばしめかばきどかぼき。

「う、ううっ。ダンナってば照れ屋さんなんだから……。
がくっ)」

解説

実話系日常譚を土台として、複数参加者が書いた各配達先との対話を加えて、まとめあげられた作品です。
 しかし……げてものパンで有名なベーカリーですが、はたして梨パンは作成されたのでしょうかね。



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