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EP「悲惨」======================朝、ベーカリーにて。いつもの時間、いつもの欠食青年が入ってくる。一 :「観楠さん、いつものやつおねがいしまぁす」いつものやつ。いうまでもなくパンの耳なのだが、一 :「あれ、今日は…何かあったんですか」観楠:「あ…え、何かって?」一 :「いや、今日は妙に少ないなぁと思って。…先客ですか?
  でも、俺以外にパンの耳買うひとなんかいるのかなぁ(苦笑)」観楠:「……(何ともいえない苦笑)」昼時、吹利大学附属植物園。風通しのいいあずまやで、白衣の人影がどうやら食事中である。そこへ、一 :「あ、ユラ、そこにいたのかぁ。研究室の人に聞いたらたぶんここだって
  いうから…
  こないだの実験台のバイトの話なんだけど、日程…」沈黙。ユラ:「にのまえ……見たわね…」ユラがくわえているのは、まごうことなきパンの耳。一 :「いったい…」ユラ:「忘れなさい」一 :「あんたがパンの耳なんて…」ユラ:「忘れろっていったでしょ」一 :「何があったんだ!?」ユラ:「ええいとっとと失せなさいと言うに!!」豊中:「見られて困るんなら、もっときっちり隠れてればいいのにさ」反対側から登場。ユラ:「…げ。あんたまで」豊中・一 :「なぁ〜にがあったのかなぁ?」ずるずる、と、あとずさるユラ。もう後がない。ユラ:「……教室旅行でさ」一 :「財布落したとか?」ユラ:「やめてよあんたじゃあるまいしっっっ!!
  …教授の都合で、殆んど決まってた計画、キャンセルするはめに
  なっちゃったのよね……でも、もう列車の事前解約とか効かなくって。
  仕方ないから、とりあえず全額払い込んでからあらためてキャンセルして
  払い戻しを受けようと思ったんだけど……にしゅうかん、かかるんだってさ」豊中:「で、なぜそれがパンの耳に」ユラ:「キャンセルしなきゃなんないような計画立てる幹事が悪い、ってんで、
  あたしのお金から立て替えるはめになっちゃって。
  …今、このお財布の中身使い切ったら、まじめに文なし状態なのよ…
  もう、いやああああああああ!!(絶叫)」豊中:「とりあえず、何も見なかったことに…」



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