- 平塚花澄(ひらつか・かすみ)
- 書店瑞鶴店員。親戚づきあいは良好らしい
大晦日、父方の親戚が祖母の家に集合する。
- 叔母1
- 「花澄ちゃん、ちょっとこれ見て」
- 花澄
- 「手紙、ですか?…あ、はるちゃんから?」
- 叔母1
- 「この前24日のことなんだけどね(笑)もと君がパリに来たらしいのよ」
- 花澄
- 「で、その手紙がもう来たんですか?(ちょっとびっくり)」
- 叔母1
- 「あの子、筆まめだから(笑)」
ちなみに、はるちゃん、もと君、共、花澄達のいとこである。
呼び名は、小さな頃から変わらない。
- 花澄
- 「もと君……は、今添乗の仕事?」
- 叔母2
- 「そう。それでパリ行って、道案内をはるちゃんに頼んだらしいの」
- 花澄
- 「(笑) 二人とも日本じゃ滅多に会わないのに」
かたやフランス留学中、かたや添乗員勤務。
確かに日本では会いにくいだろう。
その日あった事を、即書いたらしい手紙をさらさらと読んでゆくと。
- 花澄
- 「あれ、この最後一行?」
- 叔母2
- 「そう、もとが書いてんの(溜息)」
最後一行。
『では、日本で会いましょう』
- 叔母2
- 「それでもはるちゃんにやいのやいの言われて、ようやっと書いたらしいのよ。全く呆れるくらいの筆不精よねえ」
- 花澄
- 「……そう、ですねえ(汗)」
人のことは全く言えない花澄であった。
1997年年の瀬
実話を元にしております。
……筆不精は、もしかしたら遺伝するのかもしれません。
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