- 如月尊(きさらぎ・みこと)
- FLOWER SHOP Mikoの店長。
- キノエ(きのえ)
- FLOWER SHOP Mikoの店員。本来は式神。
- 平塚花澄(ひらつか・かすみ)
- 書店瑞鶴店員。ぬいぐるみ作りが趣味。
某日、FLOWER SHOP Miko。
夕刻。
- 尊
- 「いらっしゃい……あ、花澄さん」
- キノエ
- 「こんにちはっ」
- 花澄
- 「こんにちは(にこにこ)」
暖かな風が、一筋流れた。
- 尊
- 「今日は、お花ですか?(笑)」
- 花澄
- 「いえ、宅急便です(笑)」
- 尊
- 「え?」
- 花澄
- 「ええっと、本当はクリスマスまでに作りたかったんですけど、尊さんとキノエちゃんに」
ごそごそ、と、鞄の中から引っ張り出したのは、クマ二体。
いつものと少し違う。
- 尊
- 「これ……皮、ですか?」
- 花澄
- 「この前、実家に帰った時に叔母から貰ったんです。皮の端切れで作ってみたら、って」
柔らかな、薄手の皮で出来たクマ。
おそろいの眼鏡が、何となくユーモラスである。
- キノエ
- 「これ、縫いにくくないんですか?」
返事のかわりに、花澄は右手を出す。
- 尊
- 「……指先ぼろぼろ(汗)」
- 花澄
- 「針の、頭の部分が刺さるんですよね、これだけ固いと」
- キノエ
- 「大変そう(汗)」
- 花澄
- 「でも楽しいですよ(にこにこ)」
- 尊
- 「これ、何の皮ですか?」
- 花澄
- 「こっちの黒が、ヤギ……かな? で、こっちの茶色がウシ」
- キノエ
- 「へえ……」
頷いてから、キノエは首をひねる。
花澄が笑い出した。
- 花澄
- 「何か変、ですけどね。ヤギ皮のクマ、って(笑)」
1998年一月初旬。
女の子の為ならえーんやこら、でもないですが。
……皮でぬいを作るときには、専用の針を使いましょう(しみじみ)
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