- 萌(もえ)
- 猫の両親から生まれた猫娘。ベーカリーあたりの長らしい。
- 煌(こう)
- 猫をベースに格闘戦向けに前野浩に作られた存在。普段は健康的な肌の美女。
- 御剣司(みつるぎ・つかさ)
- 電操士。異能に目覚めたのも、吹利に来たのも最近なので、異能者や人間外の存在に免疫が無い。
- 大河大洋(おおかわ・まさひろ)
- エーテル使い。彼のところに萌は居候している。
- 瑞鶴の猫
- 瑞鶴に住み着いている普通の猫。年の功か、瑞鶴あたり
を猫を取り仕切っている。
ある日の街の喧騒から離れた路地。塀の上で、1匹の小猫が眠っている。
- 萌(猫状態)
- 「ふみぃ〜(眠そう)
こんにちは〜。萌ねぇ〜、今度学校行く事になったんだよぅ。でもぅ、萌寝ちゃうと猫に戻っちゃうから、大丈夫なように訓練してるのぅ〜(ほよ〜ん)」
まだ眠そう)
温かい春の日差し。それは、万人に及ぶ眠りの魔力を帯びていた。
そこに、一人の女性が通りかかる。塀の上で寝ている小猫を見て、面白いおもちゃを見たかのように目が輝きだした。
- 煌
- 「うりうり〜、起きれ〜(つんつん)」
- 萌(猫)
- 「うみゅぅ〜(グネグネ)」
- 煌
- 「あなたはだんだんねむくな〜る……(カッチコッチカッチ
コッチ)」
- 萌(猫)
- 「くぅ……、くぅ……」
- 煌
- ( ̄▽ ̄)
しばらく、様子を見ていた煌。突然彼女から紫の猫耳が飛び出した。
- 煌
- 「わっ!! \(>▽<)/」
- 萌(猫)
- 「(どびくぅっ)ふぎゃっ!?」
- 煌
- 「あはははははは(爆笑)」
- 萌
- 「ひどいよ〜〜」
- 煌
- 「寝てるのが悪いのだ〜☆(ぐりぐり)」
- 萌
- 「うみぃ〜(><)。いたいよ〜」
- 煌
- 「あはは〜(なでなで)」
- 萌
- 「ふみゅ〜(また眠る(^^;)」
- 煌
- ( ̄▽ ̄)
- 煌
- ( ̄▽ ̄)
- 煌
- 「(☆▽☆)ぴき〜ん」
- 煌
- (こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ……)
- 萌
- (ぴくっぴくぴく)「……んみゅ〜、くすぐったいぃ〜!!」
はたから見ると、猫耳を付けた娘と、猫がじゃれているようにみえる。
既に人外魔境に突入している。
- 煌
- 「うりうり〜(こちょこちょこちょこちょこちょこちょこ
ちょこちょ……)」
- 萌
- 「あははは、止めて、やめてよ〜〜(^^)」
そこに、御剣が通りかかる。人外魔境を見たのが一般人なら、恐慌状態になるところだが……
- 司
- 「げ……(汗) 喋る猫と猫又が喧嘩してる……(笑)」
- 煌
- 「笑い死にと言う言葉がありますが、実際に笑って死んだ
人の記録があります(冷静) って事で、おりゃ〜(こちょこちょこちょこちょ〜)」
- 司
- (なるほど喧嘩じゃなくてじゃれてるのか……)
どうやら、容認できるところを見ると、彼もまた逸般人らしい。
- 大河
- 「僕も聞いた事あるよ。で、そろそろ解放してあげてくん
ないかな?」
- 煌
- 「むっ!(じろっ)」
- 司
- (びくっ)(に、にらまれた?)
- 煌
- 「そこだっ!(ぶんっ)(萌を投げつける)」
- 瑞鶴の(猫)
- 「……にい(何ぞまた危険なことをやってるわ<鼻で笑
うの図)」
- 司
- (受け取る)「おわっ!」(な、投げやがった)(笑)
- 萌
- 「ふぎゃぁ〜〜」
萌を投げつけ、既に興味はなくなったのか、瑞鶴の猫に向かって話し掛ける。
- 煌
- 「よっ、姐さん(しゅたっ)」
- 瑞鶴の(猫)
- 「……(大欠伸)」
- 煌
- 「相変わらず元気そうだねっ」
- 瑞鶴の(猫)
- 「……ふすん(当たり前だよ、お若いの#鼻を鳴らしてる)」
- 煌
- 「日焼けして毛のつや落ちてるけどさ〜(かんらからから)」
- 瑞鶴の(猫)
- 「……(大欠伸)……に(見てくれで価値を決められるほ
どに落ちちゃあいないからねえあたしは)」
- 煌
- 「あはは〜、伊達に歳くってないねぇ〜(かりかり)」
一方、思わず萌を受け取った司も……
- 司
- (手の中の猫(萌)を見て)「……(どうしよう)」
- 萌
- 「おろして〜(;;)」
- 大河
- 「あ、すみません。こっちによこして下さい(^^;」(手
を差し出す)
- 司
- 「わっ喋った!(落とす)」
大河の声もわずかに間に合わず、萌を放す司。萌もこの程度の高さから落ちたところで、怪我をするわけではない。
萌はベーカリーあたりの猫のボスだった。同様に、瑞鶴の猫もこのあたり一帯を牛耳る猫である。
だが、萌の猫柄(?)からか、争いまでは発展しない。
- 司
- 「……あ、すみません。貴方のでしたか」
- 大河
- 「まぁ、そんなとこです(^^;;」
- 司
- 「こっちの猫又(煌ちゃん)も、貴方のですか?」
「そこの老猫は、そこの本屋の猫みたいでしたけど……」
- 大河
- 「いえ、そっちは違いますよ」
- 煌
- 「誰が猫又やねん」
- 司
- 「猫又じゃないんですか?」
- 萌
- 「萌と同じで猫娘だよね?(^^)」
猫の萌も、ようやく完全に起きたのか、大河に抱きかかえられて人間と猫娘の奇妙な会話に加わる。
- 煌
- 「まぁ、そんなところやね」
- 司
- 「えーと、すみません。これは一体……」
- 大河
- 「どうかしましたか? このあたりでは特に珍しくも無い
みたいですけど」
ここで、煌はある判断を下した。
司は異能なれしていない > 異能を一般人に知られてはならない >
マスターは記憶の操作が必要だと言っていた > 司の記憶を消去!
- 煌
- 「忍法諸事忘却の術!(ガスッ)」
おもむろに、司の後ろ頭を取り出した鞭の柄で殴り付ける煌。
- 大河
- (そんな乱暴な事しなくても、僕が記憶を取り出せるんだ
けどな……(^^;)
- 煌
- 「はっはっは。明智君、またあおう(ト〜ン……ト〜ン……)」
- 萌
- 「またね〜」
ある日の街の喧騒から離れた路地。
道端で気を失っていた青年が目を覚ました。
- 司
- 「はっ! 僕はいったいどうしてこんな所で寝てるんだ?」
その問いに、答えるものは、路地には既にいなかった。
- 司
- 「ゆめ……だったのかな?」
彼の記憶に、何が残っているのかは不明だが、後頭部の痛みは真実のものだった。
日常コメディ系の話。異能を問題解決ではなく騒動を起こしたり、笑える行動に活用したりするのがミソ。
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