エピソード1004『苦難の日々』


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エピソード1004『苦難の日々』

登場人物

御剣司(みつるぎ・つかさ)
 電操士。

自宅のアパート

土曜日の昼近く。ようやくテレビが届いた。

「よし、これでまともにゲームが出来る。キャラが小さく てみえない事も、ステレオで聞きたいためにスピーカーを付け替える事もないんだ……(涙)」

しばらく感動した後、起動したゲーム画面を見てまたもや感動する。

「ああ、キャラのドットが分かる……」

そんなに目を近づけると目が悪くなるとは思うが……

「さて、テレビも見れるようになったし、飯でも食いに行 こう」

ジャケットを羽織り、ポケットの中の財布を確かめる。いつもと感触が違うのは、財布を変えたからだ。

「そうか……財布変えたんだっけ……」

絶句する。財布と同時に、中の1万円札まで燃えてしまったのだった。
 銀行に行き、半額くらいは戻ってきたのだが、それでも辛い事に変わりはない。

「カードがあるから、とりあえずはしのげるか……でも、 高い買い物した後だしなぁ……これって、典型的なカード破産の第1歩なんじゃ……」

しかし、心配する事はなかった。高圧の電流を受けたカードも、外見こそは無事だったが、完全に使用不能となっていたからだ。

「に……にひゃくさんじうはちえん……」

財布の中身を見て固まる司。郵便局がしまっている土日は、彼にとって苦難の日々となるだろう(笑)

解説

エピソード1001『電操士』の直接の続編。
 ……司はこの予算でどう生活したのであろうか……。



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