エピソード1005『出向』


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エピソード1005『出向』

登場人物

御剣司(みつるぎ・つかさ)
トライの社員2人のうちの一人。電操士。
社長
 ゲーム会社トライの社長。大学を出て会社を設立したため、 まだ若い。
先輩
 専門学校の先輩。社長とは高校の同期。グラフィック・ サウンドを担当。

「トライ」事務所----------------
 ゲーム製作会社「トライ」。忙しいときは忙しいが、暇なときはとことん暇な職場である。一つゲームを作成し終わり、今は「暇なとき」であった。

社長
(電話中)「はい……ええ、その件ですが。お願いできま すか。ありがとうございます。大丈夫、実力は保証しますよ。それでは失礼します」(電話を切る)
(ゲーム中)「……駄目だよな、システムが甘いんだよ。 ここなんてちょっと工夫すれば良いのに……」
社長
「おい、司」
「はい?」
社長
「今日から、大手流通の情報システム会社に出向してくれ」
「……社長……何時からうちは派遣会社になったんですか?」
社長
「あ? 俺様の経営に文句でもあるってのか?」
「……」
先輩
「どうせ、またでかいこと考えてるんだろ?」
社長
「まあな……で、その準備段階として、司、おまえには流 通の業務とシステムのノウハウを学んできてほしい」
「……まあ、今仕事はないですし……ね。わかりました。 いってきますよ」
社長
「おう! 頼んだ。で、面接の時間と場所だが……」

かくして、御剣司、同じ吹利の別会社へと身売りに出されたのでありました。

解説

PCとプレイヤーの境遇をすりあわせて描写しやすくするための、エピソード。



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