- 豊秋竜胆(とよあき・りんどう)
- ベーカリーの常連。無道邱の居候。
- 湊川観楠(みなとがわ・かなみ)
- ベーカリーの店長。
- 前野浩(まえの・ひろし)
- ベーカリーの常連。無道邱の料理担当。
- 滝郁代(たき・いくよ)
- ベーカリーの常連。香辛料会社研究員。
- 片山慎也(かたやま・しんや)
- ベーカリーの常連。
- 佐久間拓巳(さくま・たくみ)
- 風見アパートの住人
- 竜胆
- 「辛いよ〜〜」
ベーカリーでこんな悲鳴があがった。
- 観楠
- 「あ、おめでとう。それ当たりだ(笑)」
- 竜胆
- 「当たりってなによ〜」
そんなに辛かったのか、涙目になっている竜胆。
すかさず、前野がピッチャーからグラスに水を注いで竜胆に手渡す。
この気配り。さすがである。
- 観楠
- 「あれ、言ってなかったっけ。ほらこれ。」
と、指さした先には貼り紙が。
カレーパンフェア実施中!
当たりが出ればもう一個。喫茶コーナーで食べた方限定。
なお、当たりのパンは中身の色が赤くなっています。
- 竜胆
- 「……」
- 観楠
- 「ってなわけで。はい、カレーパンもう一個」
- 竜胆
- 「もう要りません……前野君、あげる(水ごくごく)」
パンを受け取った前野。観楠に確かめる。
- 前野
- 「これは普通のカレーパンなんですよね?」
- 観楠
- 「ああ、それは大丈夫。いつもの奴だよ」
からんからん。
と、佐久間がベーカリーに入ってきた。
- 郁代
- 「……カレーといえば、ここに分析用のレトルトカレーが3kgあるんやけど。誰かいらん?」
- 慎也
- 「あ、ほしいかも」
- 郁代
- 「ちなみに1パックで3kgね」
- 慎也
- 「う、それはちょっと……」
- 竜胆
- 「それはちょっとほしいですけど……味はどうなんですか?バーモント、インド、ジャワ、ゴールデンのどれくらいですか?」
後者三つは同じ位の気がするが……。
- 郁代
- 「味見してへん」
- 前野
- 「それって、何リットルぐらいあるんですか?」
- 郁代
- 「ん〜、大体3リットルくらいやろか」
- 竜胆
- 「それくらいなら大丈夫、ちょーだい、ください(>▽<)」
珍しく自分で料理する気になったんだろうか。
- 郁代
- 「……一気に3リットルを鍋にかけるんか(汗)」
- 前野
- 「寸胴がありますから。……でもカレーなら、レトルトじゃないちゃんとしたのを作りますよ?」
- 竜胆
- 「うー…そっちのほうがいい、かな?」
それを聞きつけた佐久間。
- 佐久間
- 「あの、それ譲っていただけません?」
- 郁代
- 「ん? 別にいいけど。何に使うん?」
- 佐久間
- 「あ、うちの下宿に置いてあるカレーがほとんど無くなってまして」
- 慎也
- 「それって……もしかして永久カレー?」
- 佐久間
- 「ええ。今週は僕が当番なんですよ」
佐久間の住んでいる風見アパートには、昔から常にカレーで満たされている鍋がある。
もちろん、無限にカレーが湧いて出るわけはなく、週代わりで当番をおいてカレー鍋の中身が無くなってしまわないよう、常に補給しているのであるが。
これが永久カレーとよばれている代物である。
- 佐久間
- (よっし、これで今週のカレー代が浮いた〜)
- 郁代
- 「あ、でもこれ分析用やから具は入ってないで。具は別にかってな。(笑)」
- 佐久間
- (がく)
なかなかうまい話は転がっていないものである。
実際のレトルトカレーネタをもとに、永久カレーネタとからめてエピソード化したもの。ちなみに本物にはちゃんと具が入っているらしい。
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